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第二部 獣人武闘祭
第287話(ミャオ視点)
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「はぁ、はぁ、はぁ……」
息が、荒い。
かれこれ五分間、僕はひたすらにネルロちゃんを殴り、蹴り続けた。
ネルロちゃんは防御らしい防御をしないので、狙ったのは、すべて頭。
頭頂部。後頭部。こめかみ。側頭部全体。眉間。鼻と唇の間。そして顎。
どれも、急所だ。
大人が、子供の力で殴られたとしても、ノーダメージとはいかない、危険な部位ばかり。僕はその『危険な部位』に、研ぎ澄まされた刃のごとき拳足を休むことなく叩き込んだ。
どれもこれも、素晴らしい手ごたえのある、必殺の一撃。
……のつもりだ。
自信が、揺らいでいる。だって、ネルロちゃんは、試合開始時点と全く変わらない姿勢で、ずっと僕を見て笑っているのニャ。
戦いの最中、相手にプレッシャーを与えるため、わざとらしく笑みを浮かべる闘士はいる。しかし、ネルロちゃんのそれは、どう見ても、演技で笑っているとは思えなかった。
別に痛くない。
別に苦しくない。
だから、笑っている。
ただ、それだけといった感じ。
……こんなこと、あり得るニャ? 当たり具合によっては、一撃で即死しかねない攻撃を、一方的に食らい続けているのに、この反応。
僕の攻撃、まったく効いてないニャ?
僕は、セコンドの先生を見る。
びっくりニャ。
先生も、困惑した顔を浮かべている。
僕は、ますます不安になった。
先生でも困惑するような相手に、どう立ち向かえばいいニャ。
「ふいふひふっふうひふひふいうひふひうひふひふひうっひうひっひふいふっひいいいいい!!!!!」
突然、ネルロちゃんが笑い出した。
恐怖に、身が竦む。
初めて出会った時も怖かったが、今はそれ以上に、怖い。
だって、彼女は僕を倒すために、何か攻撃をしてくるはずだから。
僕は、野生の本能で嫌な予兆を感じ、ガードを高く上げた。
その腕に、何かがぶつかって来た。
長くて、重くて、ぬめぬめした、何か。
それは、鞭のようにしなるネルロちゃんの腕だった。
僕の体は、リングの中央から端っこまで一気に吹っ飛ばされる。
ガードしたのに、頭がくらくらした。
なんニャ、今の攻撃。
ネルロちゃんは、さっきと全く同じ姿勢のまま、首だけを回して、僕を見た。
ネルロちゃんは、笑った。
息が、荒い。
かれこれ五分間、僕はひたすらにネルロちゃんを殴り、蹴り続けた。
ネルロちゃんは防御らしい防御をしないので、狙ったのは、すべて頭。
頭頂部。後頭部。こめかみ。側頭部全体。眉間。鼻と唇の間。そして顎。
どれも、急所だ。
大人が、子供の力で殴られたとしても、ノーダメージとはいかない、危険な部位ばかり。僕はその『危険な部位』に、研ぎ澄まされた刃のごとき拳足を休むことなく叩き込んだ。
どれもこれも、素晴らしい手ごたえのある、必殺の一撃。
……のつもりだ。
自信が、揺らいでいる。だって、ネルロちゃんは、試合開始時点と全く変わらない姿勢で、ずっと僕を見て笑っているのニャ。
戦いの最中、相手にプレッシャーを与えるため、わざとらしく笑みを浮かべる闘士はいる。しかし、ネルロちゃんのそれは、どう見ても、演技で笑っているとは思えなかった。
別に痛くない。
別に苦しくない。
だから、笑っている。
ただ、それだけといった感じ。
……こんなこと、あり得るニャ? 当たり具合によっては、一撃で即死しかねない攻撃を、一方的に食らい続けているのに、この反応。
僕の攻撃、まったく効いてないニャ?
僕は、セコンドの先生を見る。
びっくりニャ。
先生も、困惑した顔を浮かべている。
僕は、ますます不安になった。
先生でも困惑するような相手に、どう立ち向かえばいいニャ。
「ふいふひふっふうひふひふいうひふひうひふひふひうっひうひっひふいふっひいいいいい!!!!!」
突然、ネルロちゃんが笑い出した。
恐怖に、身が竦む。
初めて出会った時も怖かったが、今はそれ以上に、怖い。
だって、彼女は僕を倒すために、何か攻撃をしてくるはずだから。
僕は、野生の本能で嫌な予兆を感じ、ガードを高く上げた。
その腕に、何かがぶつかって来た。
長くて、重くて、ぬめぬめした、何か。
それは、鞭のようにしなるネルロちゃんの腕だった。
僕の体は、リングの中央から端っこまで一気に吹っ飛ばされる。
ガードしたのに、頭がくらくらした。
なんニャ、今の攻撃。
ネルロちゃんは、さっきと全く同じ姿勢のまま、首だけを回して、僕を見た。
ネルロちゃんは、笑った。
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