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第48話(デルロック視点)
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「さっき、『平和を保とうとする土地神と、破滅を望む土着の悪魔は、常に対立している』って言ったよな? 対立って聞くと、互いに憎み合ってるみたいに感じるだろうけど、俺たち、別にそんなんじゃないんだよ。俺、土地神のオッサンのこと好きだし、オッサンも俺のこと、たぶん、好きだと思う、えへへ」
悪魔は、自分の発言に照れたように頭をかき、それから、『余計なことを言ってしまった』という感じで咳払いすると、話を元に戻す。
「つまりな、『土地神』と『土着の悪魔』は、一定の『ルール』に基づいて、ゲームをしているのさ。土地の平和を保ち続ければ『土地神』の勝ち。反対に、土地に破壊と混乱をもたらせば、『土着の悪魔』の勝ちって感じでね」
「ゲ、ゲームだと? ふざけるな! 貴様ら悪魔はともかく、この土地を守護する立場である神が、そんな、人間の命を弄ぶようなことをしているというのか!? それではまるで邪神ではないか!」
「別に、命を弄んだりなんてしてねぇよ。土地神のオッサンは、けっこう必死こいて、毎度毎度、どっかから聖女を連れてきてるしな。それって、かなり大変なことなんだぜ。お前ら人間のことを大事に思ってなきゃ、あんなことしねぇよ。てめぇ、ふざけたこと抜かしてるとぶっ殺すぞ」
土地神を邪神呼ばわりされたことでムッとしたのか、悪魔は整った眉間にしわを寄せ、私を威嚇した。こいつが土地神に好意を持っていると言うのは、どうやら本当らしい。
こ、こんな馬鹿なことがあるのか……? 神と悪魔が、土地を遊戯盤のように扱い、ルールを守ってゲームをしているなんて。この土地が遊戯盤なら、その上で右往左往する私たちは、まるでゲームの駒ではないか……
愕然とする私のことなど気にも留めずに、悪魔は語り続ける。先ほどから思っていたが、こいつ、かなりのおしゃべり好きのようだ。
「このゲームにはな、細かい『ルール』が色々あるんだ。中でも、お前ら王族に関しては、様々なポイントが設定されている。……お前ら、一年に一度、この地下納骨堂で『鎮魂の儀式』をやってるだろ? あれがけっこう高ポイントでな。『鎮魂の儀式』が安定して継続すれば、土地神に100ポイント。何かの理由で実施できなければ、俺に100ポイント入る」
私はもう、悪魔の話を適当に聞いていた。
神と悪魔の遊戯盤の上で、自分のことを『選ばれしもの』だといきり立ち、弟から王位を奪うために必死に奔走していたことが、酷く虚しく、馬鹿馬鹿しいことに思えて、仕方がなかった。
「お前の親父、アホで不真面目だったけど、『鎮魂の儀式』だけは、絶対にやめなかった。口ではあれこれ言っていたが、一応は、国の礎になった祖先に対する敬意があったんだよ、あいつ。おかげで、ここ数十年は、土地神にポイントを取られっぱなしで、俺はひじょ~に悔しい思いをしていた」
悪魔は、自分の発言に照れたように頭をかき、それから、『余計なことを言ってしまった』という感じで咳払いすると、話を元に戻す。
「つまりな、『土地神』と『土着の悪魔』は、一定の『ルール』に基づいて、ゲームをしているのさ。土地の平和を保ち続ければ『土地神』の勝ち。反対に、土地に破壊と混乱をもたらせば、『土着の悪魔』の勝ちって感じでね」
「ゲ、ゲームだと? ふざけるな! 貴様ら悪魔はともかく、この土地を守護する立場である神が、そんな、人間の命を弄ぶようなことをしているというのか!? それではまるで邪神ではないか!」
「別に、命を弄んだりなんてしてねぇよ。土地神のオッサンは、けっこう必死こいて、毎度毎度、どっかから聖女を連れてきてるしな。それって、かなり大変なことなんだぜ。お前ら人間のことを大事に思ってなきゃ、あんなことしねぇよ。てめぇ、ふざけたこと抜かしてるとぶっ殺すぞ」
土地神を邪神呼ばわりされたことでムッとしたのか、悪魔は整った眉間にしわを寄せ、私を威嚇した。こいつが土地神に好意を持っていると言うのは、どうやら本当らしい。
こ、こんな馬鹿なことがあるのか……? 神と悪魔が、土地を遊戯盤のように扱い、ルールを守ってゲームをしているなんて。この土地が遊戯盤なら、その上で右往左往する私たちは、まるでゲームの駒ではないか……
愕然とする私のことなど気にも留めずに、悪魔は語り続ける。先ほどから思っていたが、こいつ、かなりのおしゃべり好きのようだ。
「このゲームにはな、細かい『ルール』が色々あるんだ。中でも、お前ら王族に関しては、様々なポイントが設定されている。……お前ら、一年に一度、この地下納骨堂で『鎮魂の儀式』をやってるだろ? あれがけっこう高ポイントでな。『鎮魂の儀式』が安定して継続すれば、土地神に100ポイント。何かの理由で実施できなければ、俺に100ポイント入る」
私はもう、悪魔の話を適当に聞いていた。
神と悪魔の遊戯盤の上で、自分のことを『選ばれしもの』だといきり立ち、弟から王位を奪うために必死に奔走していたことが、酷く虚しく、馬鹿馬鹿しいことに思えて、仕方がなかった。
「お前の親父、アホで不真面目だったけど、『鎮魂の儀式』だけは、絶対にやめなかった。口ではあれこれ言っていたが、一応は、国の礎になった祖先に対する敬意があったんだよ、あいつ。おかげで、ここ数十年は、土地神にポイントを取られっぱなしで、俺はひじょ~に悔しい思いをしていた」
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