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第172話
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「……あっ、そうだわ。宮廷魔導師なら、もっとやばい魔法で拷問することができるでしょ? あんたたち、ちょっとやってみせてよ。そうすれば、あのガキ、今度こそ正体を……」
どういう神経をしているのか、自分を拘束する宮廷魔導師たちに対し、パティへの拷問を依頼するラグララ。そのあまりにも醜い姿を、アルベルト様が一喝した。
「いい加減にしろ、汚らわしい女! もう口を開くな!」
そして、裁判長に向き直り、言葉を紡いでいく。
「裁判長、これで、結論が出たのではないでしょうか? パティが獣人であったのなら、あれだけの拷問をされて、防衛本能を抑えられるはずがありません」
裁判長は、深く頷く。
陪審員たちも、お互いの顔を見合わせて、頷き合っていた。
「その通りですな。それに、先程からの原告の常軌を逸した振る舞いを見ていれば、被告人の暴行は、正当防衛だったと推察できます。……陪審員の皆さんも、どうやら私と同じ意見のようです。では、直ちに判決を言い渡しましょう。パティさんを、本格的に治療してあげなければいけませんからな」
微笑し、咳払いをする裁判長。
真正面を向き、快刀乱麻を断つがごとき声で、宣言する。
「被告、パティ・ソルルを無罪とする!」
判決を聞き、審理中はああだこうだと言いあっていた傍聴人たちが、拍手をした。……ちょっと、調子がいいなと思ったが、ラグララの非道な振る舞いを見て、皆、パティの方に肩入れしてくれたのだろう。ここは、素直に喜んでおこう。
しかし、ただ一人、ラグララだけが、異議の罵声を浴びせる。
「てめえっ! ジジイッ! ふざけんなっ! 『正当防衛だったと推察できます』ってなんだよっ! そりゃまた別の話だろうがっ!」
「口を慎みなさい、ここは法廷ですよ。先ほどからなんです、あなたの言葉遣いは。あなたのその振る舞いが、この結果を招いたと、まだわからないのですか?」
「はぁ!? 何!? この私に説教たれようっての!? 明日にもくたばっちまいそうなジジイが!? うぜぇんだよボケッ!! くたばりぞこないのババアの女房か、庭の盆栽とでもお話ししてろっ!!」
「いやはや、私も仕事柄、何人も凶悪犯を見てきましたが、この若さで、これほどの悪口雑言を並べ立てる娘は、初めてですな……」
どういう神経をしているのか、自分を拘束する宮廷魔導師たちに対し、パティへの拷問を依頼するラグララ。そのあまりにも醜い姿を、アルベルト様が一喝した。
「いい加減にしろ、汚らわしい女! もう口を開くな!」
そして、裁判長に向き直り、言葉を紡いでいく。
「裁判長、これで、結論が出たのではないでしょうか? パティが獣人であったのなら、あれだけの拷問をされて、防衛本能を抑えられるはずがありません」
裁判長は、深く頷く。
陪審員たちも、お互いの顔を見合わせて、頷き合っていた。
「その通りですな。それに、先程からの原告の常軌を逸した振る舞いを見ていれば、被告人の暴行は、正当防衛だったと推察できます。……陪審員の皆さんも、どうやら私と同じ意見のようです。では、直ちに判決を言い渡しましょう。パティさんを、本格的に治療してあげなければいけませんからな」
微笑し、咳払いをする裁判長。
真正面を向き、快刀乱麻を断つがごとき声で、宣言する。
「被告、パティ・ソルルを無罪とする!」
判決を聞き、審理中はああだこうだと言いあっていた傍聴人たちが、拍手をした。……ちょっと、調子がいいなと思ったが、ラグララの非道な振る舞いを見て、皆、パティの方に肩入れしてくれたのだろう。ここは、素直に喜んでおこう。
しかし、ただ一人、ラグララだけが、異議の罵声を浴びせる。
「てめえっ! ジジイッ! ふざけんなっ! 『正当防衛だったと推察できます』ってなんだよっ! そりゃまた別の話だろうがっ!」
「口を慎みなさい、ここは法廷ですよ。先ほどからなんです、あなたの言葉遣いは。あなたのその振る舞いが、この結果を招いたと、まだわからないのですか?」
「はぁ!? 何!? この私に説教たれようっての!? 明日にもくたばっちまいそうなジジイが!? うぜぇんだよボケッ!! くたばりぞこないのババアの女房か、庭の盆栽とでもお話ししてろっ!!」
「いやはや、私も仕事柄、何人も凶悪犯を見てきましたが、この若さで、これほどの悪口雑言を並べ立てる娘は、初めてですな……」
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