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ルディが魔界に戻ってから、一ヶ月半が経過した。
今は夏休み。
私は吹奏楽部に復帰し、猛練習の日々を送っている(前にも述べたが、うちの吹奏楽部は強豪なので、夏休みでも部員たちは毎日登校し、みっちりと練習を重ねるのである)
広瀬さんとはまだぎこちないけど、少しずつ普通に話ができるようになってきた。友達と言っていい関係かどうかはわからないが、とにもかくにも『部活の仲間』になれたことは間違いない。
そうやって、真正面からちゃんと付き合うと、彼女は私が思っていたほど攻撃的ではなく、案外普通であることがよく分かる。ただ、本人も悩んでいる通り、時折空気を読まず人の嫌がることを言ってしまうのが玉にキズだった。
しかし、今では私も言われっぱなしではない。嫌なことは嫌と、ハッキリ言い返す。そして、それが原因で、別に喧嘩になったりはしない。広瀬さんは根は素直で、本気で嫌だということを伝えれば、しつこく同じことを言ってくることもない。
とにかく、広瀬さんと付き合う一番のコツは、自分の気持ちを隠したり、偽ったりしないことだった。だから私は、フルートの演奏における彼女との実力差について、もう変に気を使ったりせず、思う存分自分の演奏をしている。
その代わり『皆に実力を見せつけてやろう』だなんて、幼稚なことは考えていない。自分のできる演奏を、自然にやっているだけだ。その結果として、人に褒められたり、あるいは妬まれたりすることもまた、自然なことなのだと思う。
今になってよく考えてみれば、『実力の差を見せつけて広瀬さんを傷つけた』だの、『もっとやり方があった』だの、私はいったい何様のつもりだったのだろう。そのくせ『皆に褒められたい』という承認欲求は強く、かと思えば『皆と音楽をする資格なんてない』と自己嫌悪に陥ったりして、自意識過剰にもほどがある。
小学生から中学生に変わり、新しい場所の、新しい人間関係の中で、精いっぱいに自分を輝かせたいという思いが、私の心を浮足立たせ、それでいて不安定にしていたのかもしれない。せめて、もう少し落ち着いていれば、広瀬さんとの関係も、あれほどこじれたりはしなかっただろうに。
あの頃の私は、いろいろなことに考えをめぐらせて、賢いつもりで、大人なつもりだった。でも実際は、誰よりも馬鹿で幼稚だったのだ。……私はしみじみと、広瀬さんに言われたことを思い出す。
『稲葉さんってさ、私たちのこと馬鹿にして、見下してるでしょ。天才の自分と比べたらゴミ同然のヘタクソだって』
純真だった私(今でも別にすれてしまったわけではないが)は、この言葉に大きなショックを受け、誰も馬鹿にしてないし、見下してもいないのに、なんでこんなことを言われなきゃいけないんだろうと思った。
だけど、結局のところ、馬鹿にするとまではいかなくても、私は皆を下に見ていたのだろう。少なくとも、同格だと思っていなかったのは間違いない。だから、実力の差がどうとか配慮が足りなかったとか、そういうことを考えたのだ。
本当に、今になって思うと、大人しそうにふるまいながらも実に傲慢だったと恥ずかしくなる。あのまま休部せずに部活を続けていたら、最初だけは皆にもてはやされても、いずれ嫌われていただろう。そう考えると、私の頭でっかちな部分を壊してくれた広瀬さんには感謝である。
さて、今日も充実した練習を終え、私は今、自宅への帰路についている。まだ日は高く、刺すような陽光が目に眩しい。私以外に道を歩いている人は、誰一人いない。昨今のとんでもない猛暑のせいで、知事も、市長も、テレビのアナウンサーも、『炎天下での不要不急の外出は避けて』と言っているので、当然である。
私は汗だくになりながら、建物の陰に隠れるようにして家を目指す。その背中に、不意に声をかけられた。
「凄まじい日の光だな。ここはまだ日陰だからいいが、こんな時間に外を歩くなら、大きな日傘か、つばの広い帽子を着用した方がよいのではないか?」
後ろを見なくても、私にはそれが誰の声かわかった。驚き、とまどう私。でもそれ以上に、強烈な喜びと懐かしさに包まれ、笑顔で振り向く。
「ルディ!」
「加奈よ、久しいな。ゆっくり話したいところだが、時間がないゆえ、急いで確認したい。余が頼んだ通り、史郎に『別離の挨拶』はしてくれたか? ほら、『まみえられぬ非礼を許されたし』というあれだ」
「あ、うん。お父さん、7月の初めに一度帰って来たから、その時に言っておいたよ」
「そうか。これで『礼儀知らず』のそしりを受けずに済む。この世界の人間であるそなたには理解しがたいだろうが、魔界人にとって、これは本当に大切なことなのだ」
「まさか、その確認をするためだけに来たの? ……って言うか、時間の感覚が違うから、私とは二度と会えない可能性もあるって言ってなかったっけ?」
「うむ。実を言うと、今ここにいる余は実体ではなく、一種の立体映像だ」
「立体映像……ホログラムみたいな感じ?」
「左様。魔界の高位術者たちを何人も集めたうえで、さらにいろいろな条件が重なって初めて可能になる難しい魔法だ。持続時間も短く、話せるとしたら、あと三分程度が限界だろう。……どうだ? そなたの抱えていた問題は、解決したか?」
時間がないので、長い説明の代わりに私はピースサインをした。
「バッチリだよ。ルディこそ、ガレスとの決闘はどうなったの?」
「そなたと別れた後、魔界の闘技場で三日三晩戦い、結局引き分けとなった」
「じゃあ、次期魔王の座はどうなるの?」
「うむ、それがな。余とガレスが限界まで疲弊した姿を見て、大臣たちが大いなる疑問を抱き、ストップをかけたのだ。『魔王様もまだまだご健在なのに、肉体的に未成熟な王子様たちが命を削るような真似をしてまで、大急ぎで後継者を決める必要はないのでは?』とな」
「私もそう思うよ。ガレスにも似たようなこと言ったし」
「と言うわけで、少なくともしばらくは王位継承問題については棚上げだ。もちろん、いずれガレスとは決着をつけねばならん。その時が来たとしても、余はもう二度と逃げぬ。そなたから、恐ろしいものに立ち向かう勇気をわけてもらったからな」
「そ、そんな大したことはしてないけど……。私の方こそ、ルディに……」
そこで「ピッピピッピピッピピッピピピピピピピピ」と、不思議なアラーム音が鳴る。近くを歩いている人はいないし、私のスマホでもない。ということは消去法で、ルディが音の発生源ということになる。
「むっ、すまん。もう時間のようだ。あと二十秒くらいか」
「あわただしいなぁ。あの、これからも時々、こんなふうに話せる?」
「どうかな。さっきも言ったが、いろいろな条件が重ならなければ使えない魔法だからな。それでも、実際に会うことに比べれば容易だ。きっとまた……むっ、もう限界だ。それでは加奈、体に気をつ……」
まるで、喋っている途中のテレビが消えるかのように、姿ごと消えてしまうルディ。あまりのあわただしさに、寂しさを感じる風情もない。でも、嬉しかった。次はいつになるか分からないけど、もう二度と会えないかもしれないと思っていたルディと、いつかまた話せることがわかったのだから。
私は、さっきまでルディがいた場所の向こうにある空を見上げる。あまりの暑さで、かげろうが揺らめく道路の上に、真っ白な入道雲が立ちのぼっていて、『夏の暑さの本番は、まだまだこれからだよ』と言っているようだった。
その、スクリーンのように白い入道雲に、ほんの少し前のルディの姿が重なる。だから私は、先程言えなかった言葉を、そして、以前は私自身の『弱さ』のために言えなかった言葉を、ハッキリと口に出して言うのだった。
「私の方こそ、ルディにはいろんなものをもらったよ。まだまだ強くなる途中だけど、もっと成長した姿をあなたに見てもらいたいから、またいつか、必ず会おうね」
終わり。
――――――――――――――――――――――――――――――――
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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ルディが魔界に戻ってから、一ヶ月半が経過した。
今は夏休み。
私は吹奏楽部に復帰し、猛練習の日々を送っている(前にも述べたが、うちの吹奏楽部は強豪なので、夏休みでも部員たちは毎日登校し、みっちりと練習を重ねるのである)
広瀬さんとはまだぎこちないけど、少しずつ普通に話ができるようになってきた。友達と言っていい関係かどうかはわからないが、とにもかくにも『部活の仲間』になれたことは間違いない。
そうやって、真正面からちゃんと付き合うと、彼女は私が思っていたほど攻撃的ではなく、案外普通であることがよく分かる。ただ、本人も悩んでいる通り、時折空気を読まず人の嫌がることを言ってしまうのが玉にキズだった。
しかし、今では私も言われっぱなしではない。嫌なことは嫌と、ハッキリ言い返す。そして、それが原因で、別に喧嘩になったりはしない。広瀬さんは根は素直で、本気で嫌だということを伝えれば、しつこく同じことを言ってくることもない。
とにかく、広瀬さんと付き合う一番のコツは、自分の気持ちを隠したり、偽ったりしないことだった。だから私は、フルートの演奏における彼女との実力差について、もう変に気を使ったりせず、思う存分自分の演奏をしている。
その代わり『皆に実力を見せつけてやろう』だなんて、幼稚なことは考えていない。自分のできる演奏を、自然にやっているだけだ。その結果として、人に褒められたり、あるいは妬まれたりすることもまた、自然なことなのだと思う。
今になってよく考えてみれば、『実力の差を見せつけて広瀬さんを傷つけた』だの、『もっとやり方があった』だの、私はいったい何様のつもりだったのだろう。そのくせ『皆に褒められたい』という承認欲求は強く、かと思えば『皆と音楽をする資格なんてない』と自己嫌悪に陥ったりして、自意識過剰にもほどがある。
小学生から中学生に変わり、新しい場所の、新しい人間関係の中で、精いっぱいに自分を輝かせたいという思いが、私の心を浮足立たせ、それでいて不安定にしていたのかもしれない。せめて、もう少し落ち着いていれば、広瀬さんとの関係も、あれほどこじれたりはしなかっただろうに。
あの頃の私は、いろいろなことに考えをめぐらせて、賢いつもりで、大人なつもりだった。でも実際は、誰よりも馬鹿で幼稚だったのだ。……私はしみじみと、広瀬さんに言われたことを思い出す。
『稲葉さんってさ、私たちのこと馬鹿にして、見下してるでしょ。天才の自分と比べたらゴミ同然のヘタクソだって』
純真だった私(今でも別にすれてしまったわけではないが)は、この言葉に大きなショックを受け、誰も馬鹿にしてないし、見下してもいないのに、なんでこんなことを言われなきゃいけないんだろうと思った。
だけど、結局のところ、馬鹿にするとまではいかなくても、私は皆を下に見ていたのだろう。少なくとも、同格だと思っていなかったのは間違いない。だから、実力の差がどうとか配慮が足りなかったとか、そういうことを考えたのだ。
本当に、今になって思うと、大人しそうにふるまいながらも実に傲慢だったと恥ずかしくなる。あのまま休部せずに部活を続けていたら、最初だけは皆にもてはやされても、いずれ嫌われていただろう。そう考えると、私の頭でっかちな部分を壊してくれた広瀬さんには感謝である。
さて、今日も充実した練習を終え、私は今、自宅への帰路についている。まだ日は高く、刺すような陽光が目に眩しい。私以外に道を歩いている人は、誰一人いない。昨今のとんでもない猛暑のせいで、知事も、市長も、テレビのアナウンサーも、『炎天下での不要不急の外出は避けて』と言っているので、当然である。
私は汗だくになりながら、建物の陰に隠れるようにして家を目指す。その背中に、不意に声をかけられた。
「凄まじい日の光だな。ここはまだ日陰だからいいが、こんな時間に外を歩くなら、大きな日傘か、つばの広い帽子を着用した方がよいのではないか?」
後ろを見なくても、私にはそれが誰の声かわかった。驚き、とまどう私。でもそれ以上に、強烈な喜びと懐かしさに包まれ、笑顔で振り向く。
「ルディ!」
「加奈よ、久しいな。ゆっくり話したいところだが、時間がないゆえ、急いで確認したい。余が頼んだ通り、史郎に『別離の挨拶』はしてくれたか? ほら、『まみえられぬ非礼を許されたし』というあれだ」
「あ、うん。お父さん、7月の初めに一度帰って来たから、その時に言っておいたよ」
「そうか。これで『礼儀知らず』のそしりを受けずに済む。この世界の人間であるそなたには理解しがたいだろうが、魔界人にとって、これは本当に大切なことなのだ」
「まさか、その確認をするためだけに来たの? ……って言うか、時間の感覚が違うから、私とは二度と会えない可能性もあるって言ってなかったっけ?」
「うむ。実を言うと、今ここにいる余は実体ではなく、一種の立体映像だ」
「立体映像……ホログラムみたいな感じ?」
「左様。魔界の高位術者たちを何人も集めたうえで、さらにいろいろな条件が重なって初めて可能になる難しい魔法だ。持続時間も短く、話せるとしたら、あと三分程度が限界だろう。……どうだ? そなたの抱えていた問題は、解決したか?」
時間がないので、長い説明の代わりに私はピースサインをした。
「バッチリだよ。ルディこそ、ガレスとの決闘はどうなったの?」
「そなたと別れた後、魔界の闘技場で三日三晩戦い、結局引き分けとなった」
「じゃあ、次期魔王の座はどうなるの?」
「うむ、それがな。余とガレスが限界まで疲弊した姿を見て、大臣たちが大いなる疑問を抱き、ストップをかけたのだ。『魔王様もまだまだご健在なのに、肉体的に未成熟な王子様たちが命を削るような真似をしてまで、大急ぎで後継者を決める必要はないのでは?』とな」
「私もそう思うよ。ガレスにも似たようなこと言ったし」
「と言うわけで、少なくともしばらくは王位継承問題については棚上げだ。もちろん、いずれガレスとは決着をつけねばならん。その時が来たとしても、余はもう二度と逃げぬ。そなたから、恐ろしいものに立ち向かう勇気をわけてもらったからな」
「そ、そんな大したことはしてないけど……。私の方こそ、ルディに……」
そこで「ピッピピッピピッピピッピピピピピピピピ」と、不思議なアラーム音が鳴る。近くを歩いている人はいないし、私のスマホでもない。ということは消去法で、ルディが音の発生源ということになる。
「むっ、すまん。もう時間のようだ。あと二十秒くらいか」
「あわただしいなぁ。あの、これからも時々、こんなふうに話せる?」
「どうかな。さっきも言ったが、いろいろな条件が重ならなければ使えない魔法だからな。それでも、実際に会うことに比べれば容易だ。きっとまた……むっ、もう限界だ。それでは加奈、体に気をつ……」
まるで、喋っている途中のテレビが消えるかのように、姿ごと消えてしまうルディ。あまりのあわただしさに、寂しさを感じる風情もない。でも、嬉しかった。次はいつになるか分からないけど、もう二度と会えないかもしれないと思っていたルディと、いつかまた話せることがわかったのだから。
私は、さっきまでルディがいた場所の向こうにある空を見上げる。あまりの暑さで、かげろうが揺らめく道路の上に、真っ白な入道雲が立ちのぼっていて、『夏の暑さの本番は、まだまだこれからだよ』と言っているようだった。
その、スクリーンのように白い入道雲に、ほんの少し前のルディの姿が重なる。だから私は、先程言えなかった言葉を、そして、以前は私自身の『弱さ』のために言えなかった言葉を、ハッキリと口に出して言うのだった。
「私の方こそ、ルディにはいろんなものをもらったよ。まだまだ強くなる途中だけど、もっと成長した姿をあなたに見てもらいたいから、またいつか、必ず会おうね」
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