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第4話

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『普通とは違った方法』とは、なんでしょうか?
 私には、ルーパート様の考えていることが、よくわかりません。

 でも私は、また「はい」と頷きました。
 ルーパート様は、あれこれと口ごたえをしない私が好きなのです。

「よしよし、物分かりがよくて偉いぞ。いっぱい叩いたり蹴ったりして悪かったね。さあ、こっちにおいで」

 そう言うと、ルーパート様は優しく私を抱き起こしてくれました。

 私は、ホッとしました。

 今日はいつも以上に痛くて悲しい思いをしましたが、やっと優しいルーパート様が帰って来てくれたのです。ルーパート様は私の手を引いて、さらに森の奥へと進んでいきます。

 やがて、少し開けた場所に出ました。

 そこには、小さな小屋がありました。
 あちらも、こちらもボロボロで、人が住んでいる気配はありません。

「ここには昔、木こりの家族が住んでいたらしい。しかし、この森が戦地になった際、兵士たちによって占拠され、木こり一家は皆殺しにされてしまったそうだ。ぷっ、くくくっ、酷い話だろう。まったく、ついてない惨めな連中というのは、どこにでもいるものだ」

 本当に、酷い話です。
 ルーパート様がどうして笑うのか、私にはわかりません。
 犠牲になった木こりの家族のことを思うと、悲しくて涙が出そうでした。

「この森には、そういう陰惨な話がいくつもある。なんせ、古戦場の跡地だからな。……だから、ほとんどの者が、この森に足を踏み入れたがらない。好都合なことにね」

 好都合?
 何が好都合なのでしょう?

 首をかしげる私の手を、ルーパート様は乱暴に引っ張りました。
 そのままの勢いで、小屋の脇にある井戸へと、私は連れていかれます。

 どん。

 ルーパート様は私の手を放すのと同時に、背中を強く押しました。

 私の体は、落ちていきます。
 井戸の中にです。

 数秒後、凄まじい衝撃が全身を走り抜けます。
 どうやら、私の体は井戸の底に激突したようです。

 それは、ぶたれるよりも、蹴られるよりも、強烈なショックでした。

 驚いたことに、痛みはほとんど感じません。
 ただ、全身がしびれたようにじぃんとして、頭がぼぉっとします。

 上から、ルーパート様の楽しげな声が聞こえてきます。

「おい、アドレーラ。死んだか?」

 死んでいません。
 私は生きています。
 しかし、声が出せません。

「返事なし、と。頭から落ちたし、死んだと思うけど、気を失ってるだけの可能性もあるな。……まっ、この高さから井戸の底に激突したんだ。即死しなかったとしても、這い上がることはできないし、そのうち死ぬだろ。よし、念のために、一応ふたをしておくか」
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