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第三章 誰にでも秘密はある
3-20 閑話 その後の三人の会話①
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アルヴィンは、キャスティナをコーンフォレス家に送り届けた後に、もう一度グランヴィル公爵家に足を運んだ。
デズモンドもローレンスも、来ることを予想してたのか既に、アルヴィンの分まで夕食が用意されていた。アルヴィンは、久しぶりにグランヴィル邸で夕食をご馳走になった。アルヴィンは、ローレンスと同級生で子供の頃は、よくお互いの家を行き来していた。
夕食を食べ終わると、三人は居間に移動した。煙草を嗜んだり、お酒を用意させたり三人各々寛いでいる。最初に言葉を口に出したのは、アルヴィンだった。
「キャスティナが、何処に居たのか聞いてきました」
「そうか·····」
デズモンドが、頷く。
「私はまだ聞いてないので、父上話して頂けますか?」
ローレンスが、デズモンドに聞く。
「ああ。秘密じゃったんだがのー。仕方ないのう」
そう言って、デズモンドは話し出した。キャスティナが居たのは、王都の一番端っこにあるウィードという町だと言うこと。そもそも、何故自分が知っていたかと言うと、偶々自分がその店の常連だったからだと。
デズモンドは、昔から王都のあらゆる町にお忍びで出掛けていた。町歩きで、自分好みの店を見つけるのが好きなのだと。四、五年前にフラッと立ち寄ったウィードの町で、喫茶店を見つけた。入ってみたら、店の雰囲気が良くて平民の店とは思えないコーヒーの美味しさにびっくりした。それから、時間が出来るとたまにコーヒーを飲みに行っていたと。
「たまに父上が、何処に行くのか告げずにいなくなってたのは、そこに行ってたんですか?公爵が、平民の町の喫茶店の常連って·····」
ローレンスが驚いている。
「コーヒーが美味しいんじゃよ。それに運が良いと可愛い女の子に会えたんじゃよ」
「それが、キャスティナ嬢だったんですか?」
ローレンスは、父上は相変わらず突飛な行動をするっと呆れている。
「そう。わしが店に行き始めて一年くらい経った時かのう。女の子が店を手伝う様になったんじゃよ」
デズモンドが当時を懐かしそうに、笑みを浮かべる。
「キャスティナは、最初からあんな感じで屈託ない子だったんですか?」
アルヴィンが口を挟む。
「ティナちゃんはなぁー。ああ、キャスティナの事だが·····。初めは、全く表情が無くて、目も前髪で隠していたし笑わない子だったんじゃよ」
ローレンスもアルヴィンも驚いている。
「今のティナちゃんから、思いもよらないだろう?少しずつ少しずつ、笑顔を引き出したのが、ジーンなんじゃよ。喫茶店のマスターなんじゃが」
アルヴィンは、それを聞いて納得する。コーンフォレス家でキャスティナが、マスターの事を大切だと言っていた意味が。
「ジーンって男は、どんな奴なんです?」
アルヴィンが尋ねる。
「ジーンはなぁー、一言で言うと平民にしとくのは勿体ない男だよ。頭がいい。誠実で、なかなかの策略家じゃな」
「あの、聞きづらいですが·····その、ジーンとキャスティナ嬢は恋仲ではないんですか?」
ローレンスが、アルヴィンの顔を窺いながら言いづらそうに述べる。
「ジーンは、結婚していたし確か子供もいるはずじゃよ。一度も、嫁も子供も見た事ないが。ティナちゃんは、もしかしたら叶わぬ初恋の相手だったとしても不思議ではないだろ。聞いた事ないから、わからんがの」
「そうですか·····」
ローレンスは、複雑な心境だった。
「今度、コーヒー飲みに行ってみるか?おそらく、エヴァンはキャスティナに内緒で案内しろって言って来るだろ」
デズモンドが、面白そうにしている。
「全く。父上は。完全に面白がってますね」
ローレンスが溜め息をつく。
「ホッホッホッ。これが面白くない訳ないじゃろ。長年、成長を見守ってた女の子が、わしの周りの男どもを振り回してるんじゃからな」
「行く時は、私にも一声かけて下さい」
アルヴィンは、キャスティナを変えたという男に俄然興味が湧いた。
デズモンドもローレンスも、来ることを予想してたのか既に、アルヴィンの分まで夕食が用意されていた。アルヴィンは、久しぶりにグランヴィル邸で夕食をご馳走になった。アルヴィンは、ローレンスと同級生で子供の頃は、よくお互いの家を行き来していた。
夕食を食べ終わると、三人は居間に移動した。煙草を嗜んだり、お酒を用意させたり三人各々寛いでいる。最初に言葉を口に出したのは、アルヴィンだった。
「キャスティナが、何処に居たのか聞いてきました」
「そうか·····」
デズモンドが、頷く。
「私はまだ聞いてないので、父上話して頂けますか?」
ローレンスが、デズモンドに聞く。
「ああ。秘密じゃったんだがのー。仕方ないのう」
そう言って、デズモンドは話し出した。キャスティナが居たのは、王都の一番端っこにあるウィードという町だと言うこと。そもそも、何故自分が知っていたかと言うと、偶々自分がその店の常連だったからだと。
デズモンドは、昔から王都のあらゆる町にお忍びで出掛けていた。町歩きで、自分好みの店を見つけるのが好きなのだと。四、五年前にフラッと立ち寄ったウィードの町で、喫茶店を見つけた。入ってみたら、店の雰囲気が良くて平民の店とは思えないコーヒーの美味しさにびっくりした。それから、時間が出来るとたまにコーヒーを飲みに行っていたと。
「たまに父上が、何処に行くのか告げずにいなくなってたのは、そこに行ってたんですか?公爵が、平民の町の喫茶店の常連って·····」
ローレンスが驚いている。
「コーヒーが美味しいんじゃよ。それに運が良いと可愛い女の子に会えたんじゃよ」
「それが、キャスティナ嬢だったんですか?」
ローレンスは、父上は相変わらず突飛な行動をするっと呆れている。
「そう。わしが店に行き始めて一年くらい経った時かのう。女の子が店を手伝う様になったんじゃよ」
デズモンドが当時を懐かしそうに、笑みを浮かべる。
「キャスティナは、最初からあんな感じで屈託ない子だったんですか?」
アルヴィンが口を挟む。
「ティナちゃんはなぁー。ああ、キャスティナの事だが·····。初めは、全く表情が無くて、目も前髪で隠していたし笑わない子だったんじゃよ」
ローレンスもアルヴィンも驚いている。
「今のティナちゃんから、思いもよらないだろう?少しずつ少しずつ、笑顔を引き出したのが、ジーンなんじゃよ。喫茶店のマスターなんじゃが」
アルヴィンは、それを聞いて納得する。コーンフォレス家でキャスティナが、マスターの事を大切だと言っていた意味が。
「ジーンって男は、どんな奴なんです?」
アルヴィンが尋ねる。
「ジーンはなぁー、一言で言うと平民にしとくのは勿体ない男だよ。頭がいい。誠実で、なかなかの策略家じゃな」
「あの、聞きづらいですが·····その、ジーンとキャスティナ嬢は恋仲ではないんですか?」
ローレンスが、アルヴィンの顔を窺いながら言いづらそうに述べる。
「ジーンは、結婚していたし確か子供もいるはずじゃよ。一度も、嫁も子供も見た事ないが。ティナちゃんは、もしかしたら叶わぬ初恋の相手だったとしても不思議ではないだろ。聞いた事ないから、わからんがの」
「そうですか·····」
ローレンスは、複雑な心境だった。
「今度、コーヒー飲みに行ってみるか?おそらく、エヴァンはキャスティナに内緒で案内しろって言って来るだろ」
デズモンドが、面白そうにしている。
「全く。父上は。完全に面白がってますね」
ローレンスが溜め息をつく。
「ホッホッホッ。これが面白くない訳ないじゃろ。長年、成長を見守ってた女の子が、わしの周りの男どもを振り回してるんじゃからな」
「行く時は、私にも一声かけて下さい」
アルヴィンは、キャスティナを変えたという男に俄然興味が湧いた。
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