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第三章 誰にでも秘密はある
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デズモンドの登場に、キャスティナもジーンも動揺を隠せない。取り敢えず、デズモンドにソファ席に座ってもらう。あまり長居は出来ないと断りを入れ、コーヒーを一杯もらってもよいかとジーンに訊ねる。
ジーンは、もちろんですと言いカウンターの中に入って行った。キャスティナもソファ席に向かい合って座る。とにかく、落ち着こうと深呼吸をした。それを見たデズモンドが、キャスティナに話し始めた。
「キャスティナ、とにかく私と一緒に、貴族地区に戻ってくれないか?コーンフォレス家の者達が、心配しているよ。それに、アルヴィン殿も探してくれてるよ」
デズモンドは、先程とは打って変わって真剣な面持ちだ。キャスティナも気が引き締まる。
「はい。グランヴィル公爵様にまで、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
キャスティナは、頭を深々と下げる。
「私とキャスティナは、ある意味長い付き合いなんだ、そんな他人行儀な呼び方は嫌だな。アイリーンの義妹になるのだし祖父だと思ってくれていいんだよ」
デズモンドが、優しい眼差しでキャスティナに告げる。キャスティナは、ジワジワと心に暖かいものが広がる。なんでこんなに、私に良くして下さるんだろう。キャスティナは、涙が溢れてくるのを止められない。
「どっ、どうして·····皆さん·····私に良くして下さるんですか?」
「みんな、いつもどこか寂しそうな君を放っておけないんだよ。私は、ここで働き始めた頃のティナちゃんを知ってるから尚更だよ」
店内に、コーヒーのいい匂いが広がっている。ジーンがコーヒーを持って来てデズモンドの前のテーブルに置く。ジーンが、キャスティナの隣に腰掛けた。
「デズモンドさん。ティナちゃんをよろしくお願いします。正直、迎えに来て頂いて助かりました。どうやって、帰そうか悩んでいたので·····。ここまで、夜通し貴族地区から歩いてきたんですよ·····」
デズモンドが、ジーンの言葉を聞きびっくりしている。
「ティナちゃん、みんなから少しばかりお説教が必要みたいだね」
デズモンドが、にっこり笑顔でキャスティナを見る。キャスティナは、固まる。こっこれは後で大変な奴?ジーンに助けを求めて、ジーンを見る。ジーンもダメだよとばかりに首を横に振っている。
「ティナちゃん。ちょっと怒られて来なさい」
ジーンも、非情な一言を告げる。キャスティナは、がっくりと肩を落とした。
それからすぐに、キャスティナは帰り支度を始めた。八百屋のおばあちゃんの所に戻り、迎えが来て戻る事になったと話をした。突然来て、突然帰る事になって申し訳ないと、キャスティナはひたすら謝った。おばあちゃんは、驚いてはいたがお迎えが来て良かったねと言ってくれた。キャスティナは、色々落ち着いたら必ずお礼をしに、また来ますと告げた。おばあちゃんは、待ってるよと笑顔で答えてくれた。キャスティナは、何度も何度もありがとうございましたと頭を下げておばあちゃんの家を出た。
スーツケースを持って、ジーンのお店に戻るとデズモンドが立ち上がる。
「じゃあ、行こうか。ジーン、コーヒーありがとう」
デズモンドが、コーヒー代を出そうとしてジーンが断る。
「今日は、大丈夫です。またコーヒーを飲みに来て頂けますか?」
ジーンが、デズモンドに訊ねる。
「もちろんだよ。この店は、私の秘密のお気に入りだからね。また来るよ」
デズモンドが、茶目っ気たっぷりに答える。
「はい。ありがとうございます」
ジーンがデズモンドにお礼を述べ、今度はキャスティナに声をかける。
「ティナちゃん、またいつでもおいで」
キャスティナは、ジーンに抱きつく。
「マスター、本当にありがとう。この場所があるから私、頑張れます。今度は、手紙を書きますね。そして、落ち着いたらエヴァン様と一緒に来ます」
キャスティナは、顔を上げてジーンの瞳を覗き込む。いつもの優しい瞳で、キャスティナに微笑んでいる。キャスティナは、ジーンから離れて一歩下がる。
「マスター、大変お世話になりました」
キャスティナは、綺麗なお辞儀をする。
「では、行こうか」
デズモンドがキャスティナをエスコートして、店の外に出る。キャスティナは、また来ますと言って手を振ってジーンと別れた。
ジーンは、もちろんですと言いカウンターの中に入って行った。キャスティナもソファ席に向かい合って座る。とにかく、落ち着こうと深呼吸をした。それを見たデズモンドが、キャスティナに話し始めた。
「キャスティナ、とにかく私と一緒に、貴族地区に戻ってくれないか?コーンフォレス家の者達が、心配しているよ。それに、アルヴィン殿も探してくれてるよ」
デズモンドは、先程とは打って変わって真剣な面持ちだ。キャスティナも気が引き締まる。
「はい。グランヴィル公爵様にまで、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
キャスティナは、頭を深々と下げる。
「私とキャスティナは、ある意味長い付き合いなんだ、そんな他人行儀な呼び方は嫌だな。アイリーンの義妹になるのだし祖父だと思ってくれていいんだよ」
デズモンドが、優しい眼差しでキャスティナに告げる。キャスティナは、ジワジワと心に暖かいものが広がる。なんでこんなに、私に良くして下さるんだろう。キャスティナは、涙が溢れてくるのを止められない。
「どっ、どうして·····皆さん·····私に良くして下さるんですか?」
「みんな、いつもどこか寂しそうな君を放っておけないんだよ。私は、ここで働き始めた頃のティナちゃんを知ってるから尚更だよ」
店内に、コーヒーのいい匂いが広がっている。ジーンがコーヒーを持って来てデズモンドの前のテーブルに置く。ジーンが、キャスティナの隣に腰掛けた。
「デズモンドさん。ティナちゃんをよろしくお願いします。正直、迎えに来て頂いて助かりました。どうやって、帰そうか悩んでいたので·····。ここまで、夜通し貴族地区から歩いてきたんですよ·····」
デズモンドが、ジーンの言葉を聞きびっくりしている。
「ティナちゃん、みんなから少しばかりお説教が必要みたいだね」
デズモンドが、にっこり笑顔でキャスティナを見る。キャスティナは、固まる。こっこれは後で大変な奴?ジーンに助けを求めて、ジーンを見る。ジーンもダメだよとばかりに首を横に振っている。
「ティナちゃん。ちょっと怒られて来なさい」
ジーンも、非情な一言を告げる。キャスティナは、がっくりと肩を落とした。
それからすぐに、キャスティナは帰り支度を始めた。八百屋のおばあちゃんの所に戻り、迎えが来て戻る事になったと話をした。突然来て、突然帰る事になって申し訳ないと、キャスティナはひたすら謝った。おばあちゃんは、驚いてはいたがお迎えが来て良かったねと言ってくれた。キャスティナは、色々落ち着いたら必ずお礼をしに、また来ますと告げた。おばあちゃんは、待ってるよと笑顔で答えてくれた。キャスティナは、何度も何度もありがとうございましたと頭を下げておばあちゃんの家を出た。
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「じゃあ、行こうか。ジーン、コーヒーありがとう」
デズモンドが、コーヒー代を出そうとしてジーンが断る。
「今日は、大丈夫です。またコーヒーを飲みに来て頂けますか?」
ジーンが、デズモンドに訊ねる。
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「はい。ありがとうございます」
ジーンがデズモンドにお礼を述べ、今度はキャスティナに声をかける。
「ティナちゃん、またいつでもおいで」
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「マスター、本当にありがとう。この場所があるから私、頑張れます。今度は、手紙を書きますね。そして、落ち着いたらエヴァン様と一緒に来ます」
キャスティナは、顔を上げてジーンの瞳を覗き込む。いつもの優しい瞳で、キャスティナに微笑んでいる。キャスティナは、ジーンから離れて一歩下がる。
「マスター、大変お世話になりました」
キャスティナは、綺麗なお辞儀をする。
「では、行こうか」
デズモンドがキャスティナをエスコートして、店の外に出る。キャスティナは、また来ますと言って手を振ってジーンと別れた。
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