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第二章 貴族としての生活

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 キャスティナは、アルヴィンとダンスを踊った後、エヴァンの仕事仲間に挨拶をした。挨拶をする度に、アルヴィンとのダンスが素敵だったと誉められた。キャスティナは、嬉しかったがエヴァンから冷ややかな空気が流れてくるので後で怒られるやつ?と心の中で焦っていた。

 ジェラルドお義兄様とアイリーンお義姉様の所にも行って、会話を交わした。

「ジェラルドお義兄様、アイリーンお義姉様」

 キャスティナは、二人の元に近寄る。

「キャスティナ、アルヴィン隊長とのダンスとっても素敵だったわ。私、アルヴィン隊長のダンス初めて見たわ」

 アイリーンが、興奮した面持ちで話している。キャティナは、エヴァンを窺う。エヴァンはやはり、冷ややかな空気を醸し出している。キャスティナが、アイリーンに目で訴えかける。それを見た、ジェラルドがやれやれとばかりに口を挟んだ。

「エヴァン、キャスティナが誉められる度に、そんな顔してるのか?キャスティナが、可愛そうだぞ」

 エヴァンは、ジェラルドの言葉にハッとした様に苦笑いだ。

「エヴァンの気持ちもわかるけど。あの、アルヴィン隊長がダンスを踊ったんだ。みんなが誉めるのもしょうがないだろ。キャスティナは、アルヴィン隊長とのダンス楽しかったかい?」

 キャスティナは、エヴァンを気にしながらも笑顔で返事をする。

「はい。とっても」

「よかったな。キャスティナ」

 ジェラルドが、キャスティナの頭をポンポンと叩いた。キャスティナは、嬉しそうにはにかんでいる。エヴァンは、やはり面白くなさそうだ。

 ジェラルド夫妻と話をした後は、エヴァンとキャスティナは帰宅の途についた。

 馬車の中でキャスティナは、エヴァンに引き寄せられて終始腕の中にいる状態。居たた堪れない·····。エヴァン様が、機嫌が悪い·····。

「キャスティナは、アルヴィン隊長の事が好きになった?」

 エヴァンが、重い口を開き、切なげな表情でキャスティナを窺う。

「そっ、そんな事ないです。好きなのは、エヴァン様だけです」

 キャスティナは、座ったまま体をエヴァンに向け抱きつく。はっ、恥ずかしい。でも、ここで引いたらエヴァン様が心配してしまう。キャスティナは、耳まで赤くしながらも、エヴァンの顔を見て必死にエヴァンに語りかける。

「確かに、アルヴィン隊長は目を奪われてしまうほど素敵な方です。ですが、恋愛感情と言うより尊敬が勝ってしまいます。エヴァン様も、そうですよね?隊長として尊敬してアルヴィン隊長を慕ってますよね?私も、同じ気持ちです」

「本当に?」

「はい」

「でもキャスティナ、アルヴィン隊長をキラキラした目で見てたよ。約束は?」

 エヴァンは、約束破ったよね?っと言わんばかりの表情でキャスティナを見る。

 えっ、エヴァン様がちょっぴり怒っている·····。でも、約束破ったのは私だし·····よし謝ろう。えいっと思い切る。

「エヴァン様、ごめんなさい。好きなのは、エヴァン様だけです」

 キャスティナが、腰を浮かしエヴァンの頬にキスをした。キャスティナの顔がまた真っ赤に染まりエヴァンに上目遣いで言った。

「これで、許してくれますか?」

 エヴァンは、驚いて一瞬止まってしまう。が、すぐに我に返る。

「もう、キャスティナはずるいよ。そんなに可愛い事されたら許すしかないじゃないか」

 エヴァンは、キャスティナを抱き締める。

「キャスティナは、俺だけを見てね」

「でも、エヴァン様。アルヴィン隊長みたいな素敵な方に慕われてるなんて聞いてません。エヴァン様も、私だけですか?」

 キャスティナは、少し怒った様にエヴァンに言う。

「もちろん。好きなのは、キャスティナだけだよ」

 エヴァンは腕を緩めて、キャスティナの唇にキスをした。

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