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第一章 人生って何が起こるかわからない
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本を読んでいるとあっという間に時間が過ぎる。時計を見ると丁度お昼の時間だ。さっき飲んでいたティーセットをトレイに戻して、キッチンに向かう。キッチンの中に入ると、キャスティナにサンドイッチが用意してあった。
「サンドイッチもらって行くね。ありがとう」
とコック達に声をかけて部屋に戻る。
部屋でサンドイッチを食べ終わると、机に座ってダンに手紙を書く。
ダンへ
散歩に行ってきます。
夕方には、戻ります。
キャスティナ
肩から下げる白いカバンとサンドイッチのお皿を持って、キッチンに向かう。
ダンは、見当たらない。使用人用のダイニングに行くとエーファがお昼を食べていた。
「エーファ。これダンに渡しておいて。午後はいつもの様に散歩に行ってくるから。よろしくねー」
ダンに書いた手紙をエーファに渡して、キッチンの勝手口から外に出た。
キャスティナは、王宮から一番離れた貴族があまり利用しない町に向かって歩き出す。30分くらい歩くと、町に着く。高価な物が売っている場所ではないが、治安も悪くないし平民が中心のこの町はみんなで助け合って暮らしている。
キャスティナは、八百屋さんの前に着くと店先にいたおばあちゃんに声をかけた。
「こんにちは。おばあちゃん」
「おや、ひさしぶりだね。ティナちゃん。今週は、初めて顔を見るね」
「そうなんです。今週は、ちょっと忙しかったので。今日も、ジーンさんのカフェに行って来ます。では、またね。おばあちゃん」
キャスティナは、八百屋のおばあちゃんに手を振ってからカフェの方に向かって歩きだした。
カフェに着くと、カランカランと音がする扉を開けて中に入る。「いらっしゃいませ」と声がかかった。
「あれ、ティナちゃんじゃないか。久しぶりだね。今日も働いてくれる?」
「マスターお久しぶりです。いいんですか?では、いつもの様に4時までお願いします」
キャスティナは、マスターに頭を下げてから厨房の奥にある従業員用の控え室に向かった。部屋に入ると、キャスティナ用のロッカーに荷物を入れる。エプロンを取り出してワンピースの上からエプロンを付ける。カバンからピンを一本取り出して、前髪をまとめてくるっと捻っててっぺんで留める。水色のバレッタを取り出して、髪を一つに纏めて高い位置で留めた。
「これでよし」
従業員用の控え室を出て、マスターの元に行く。
「マスター。いつも突然来てごめんなさい。お仕事くれてありがとう」
「いやぁー。ティナちゃん来るとお客さん喜ぶし、売上上がるしこっちの方が感謝だよ」
マスターは、キャスティナに微笑んだ。
「サンドイッチもらって行くね。ありがとう」
とコック達に声をかけて部屋に戻る。
部屋でサンドイッチを食べ終わると、机に座ってダンに手紙を書く。
ダンへ
散歩に行ってきます。
夕方には、戻ります。
キャスティナ
肩から下げる白いカバンとサンドイッチのお皿を持って、キッチンに向かう。
ダンは、見当たらない。使用人用のダイニングに行くとエーファがお昼を食べていた。
「エーファ。これダンに渡しておいて。午後はいつもの様に散歩に行ってくるから。よろしくねー」
ダンに書いた手紙をエーファに渡して、キッチンの勝手口から外に出た。
キャスティナは、王宮から一番離れた貴族があまり利用しない町に向かって歩き出す。30分くらい歩くと、町に着く。高価な物が売っている場所ではないが、治安も悪くないし平民が中心のこの町はみんなで助け合って暮らしている。
キャスティナは、八百屋さんの前に着くと店先にいたおばあちゃんに声をかけた。
「こんにちは。おばあちゃん」
「おや、ひさしぶりだね。ティナちゃん。今週は、初めて顔を見るね」
「そうなんです。今週は、ちょっと忙しかったので。今日も、ジーンさんのカフェに行って来ます。では、またね。おばあちゃん」
キャスティナは、八百屋のおばあちゃんに手を振ってからカフェの方に向かって歩きだした。
カフェに着くと、カランカランと音がする扉を開けて中に入る。「いらっしゃいませ」と声がかかった。
「あれ、ティナちゃんじゃないか。久しぶりだね。今日も働いてくれる?」
「マスターお久しぶりです。いいんですか?では、いつもの様に4時までお願いします」
キャスティナは、マスターに頭を下げてから厨房の奥にある従業員用の控え室に向かった。部屋に入ると、キャスティナ用のロッカーに荷物を入れる。エプロンを取り出してワンピースの上からエプロンを付ける。カバンからピンを一本取り出して、前髪をまとめてくるっと捻っててっぺんで留める。水色のバレッタを取り出して、髪を一つに纏めて高い位置で留めた。
「これでよし」
従業員用の控え室を出て、マスターの元に行く。
「マスター。いつも突然来てごめんなさい。お仕事くれてありがとう」
「いやぁー。ティナちゃん来るとお客さん喜ぶし、売上上がるしこっちの方が感謝だよ」
マスターは、キャスティナに微笑んだ。
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