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038 来客
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季節は、冬が過ぎて春を感じるようになった。朝と夜は、まだ寒い日が多いけれど日中は天気が良ければポカポカと温かい。リリーは、もう春になるのだなと季節の移り変わりを感じていた。
ダニエルとの関係は、特に変わらず。ダニエルは、リリーへの好意を全く隠していないので屋敷の者たちも微笑ましく見守っている。
リリーは、使用人仲間たちから良く思われないのではないかと心配だったのだが……。自分では理由がわからないが、早く受け入れた方がいいのではという雰囲気が漂っている。
屋敷の者たちは、薄々リリーが貴族の娘なのだろうということは感づいていた。何か訳があって、使用人として働いているのだと。
そんなリリーを、最初の内は特別扱いされていることに不満を持っている者たちもいた。しかし、リリーの仕事ぶりを見るうちにみな彼女を認め始めた。
リリーは、初めのうちはある程度のことができると言っても使用人としてプロな訳ではなかった。わからないこともあったし、失敗してしまうことだってあった。
でも、貴族令嬢だったとは思えないほど低姿勢で真摯に仕事に向き合っていた。
そんなリリーを、ダニエルが好きになってしまったのだと皆が認めた。将来、この屋敷の女主人となるのならリリーがいいのではと考えるようになったのだ。
リリーは、自分の知らない内にダニエルだけではなくマーティン家の使用人にも好かれていた。
そんな環境に身を置きながらも、リリーは粛々とダニエルに脇目もふらずに仕事に勤しんでいた。
ある日、マーティン家に大切なお客様が来るので、しっかり準備をするようにと使用人一同に指示があった。
リリーは、いつもよりも丁寧に仕事に向き合い何事もなく一日が過ぎていく予定だった。
ところがブルーノから、今日の仕事はお客様の相手をしてもらうことだと指示を貰う。そんなこと今までなかったが、呼びに行くまで部屋で待機するように言われ大人しく自室で時間が来るのを待っていた。
暫くすると、カティが部屋にやってくる。
「リリー、これからドレスに着替えてもらうから」
カティは、そそくさとリリーを着替えさせる準備をする。リリーは、なぜ自分が着替える必要があるのか疑問だった。
「えっ? カティ。どうして私が着替えるの? お客様って私になの?」
リリーは、訳がわからなくてカティに訊ねた。
「私は何も聞いてないからわからないよ。ブルーノさんから、リリーを着替えさせて貴族令嬢にして欲しいって言われただけだから」
カティは、久しぶりのリリーの着替えに上機嫌だ。女性は、ダニエルの母親しかいないので侍女の仕事はこの屋敷では貴重なのだ。
だから、女の子を着飾らせる仕事は、カティにしてみたらご褒美みたいなものらしい。
「何で、何も教えてくれないのかしら……」
リリーは、自分だけ何も知らされていないことが面白くない。何かあるのなら、ちゃんと教えてもらいたかった。リリーの心の準備だってあるのだ。
「何でだろうね? 男の人って、秘密にすれば良いと思っているところあるから」
カティは、何やらニヤニヤしている。そんなカティの態度も、リリーには面白くない。
「もう。カティまで何か隠しているの?」
珍しくリリーが怒る。
「ごめんごめん。でもそうやって、リリーもたまには怒ってもいいんだよ。いっつも、グッと何か我慢しているでしょ? 良くないよーそういうの」
カティはさっきからずっと、ドレスをクローゼットから出してはリリーに合わせてどれがいいか選んでいる。おしゃべりはしているが、きちんと手は動かしていた。
「私、我慢しているように見える?」
リリーは、自分で気づいていなかったことを指摘されて驚く。
「むしろ、自分で気づいてないの? それ、かなりやばいやつ」
カティが、遠慮なしにズケズケ言う。リリーの周りには、こういう子がいなかったのでとても新鮮だ。そうか……自分はそんなに我慢していたのかとフッと自分の中に落ちてくる。
(ダニエル様に会ったら、一言何か言ってみようかな……)
リリーは、さっき沸いたモヤモヤが払拭できずにいた。でもきっと、ダニエルのことだからリリーの為に何かを用意しているのだ。
わかってはいるが、こんな風に不意打ちは嫌なのだ。
そして、カティのセンスでドレスや髪型やお化粧が決められた。カティは、リリーの好みに仕上げてくれるので安心して任せられる。
今日は、春らしくサーモンピングのドレスを着せてくれた。
リリーは、姿見で自分の姿を確認していつもと違う装いに感心する。使用人としての自分の方が定番になってしまって、貴族令嬢としての自分を見ると何か違和感がある。
「ふふふ。貴族令嬢みたい」
リリーは、自分を見て笑ってしまう。
「もう、何言ってるのよ。本当はそうなんでしょ?」
カティは、呆れたように突っ込んでくる。
「ん-。それは、秘密」
リリーも、笑って返答する。カティは、それ以上何も突っ込んでこない。こういうところも、カティの凄いところだと思う。
準備が整ったところで、リリーの部屋をノックする音が聞こえた。
「ブルーノだが、準備はいいか?」
扉を開けることなく、外から声がする。
「はい。もう準備できました」
カティが、返事をしてくれた。そして、扉を開けて廊下に出る。ブルーノは、リリーを一瞥すると一つ頷いた。
「いいでしょう。ではリリー、行きますよ」
ブルーノに言われて、リリーは彼の後に着いて行く。一体、ダニエルは誰に会わせようとしているのだろう?
ブルーノの後を歩きながら考えるが、特に何も思いつかない、考えつくのは、またクリスタル様がお忍びで遊びに来たのだろうか? とそれくらい。
ブルーノに案内されたのは、お客様を通す応接室だった。ブルーノがノックをすると、扉を開けてリリーを中に促した。
応接室の中に入って目に映ったのは、リリーの両親たちだった。その後ろに、ダニエルと彼の両親もいる。リリーは、驚きの余りびっくりして声が出なかった。
「リリー、元気そうで良かったわ」
リリーの母親が、最初に口を開く。少し涙ぐんでいるようだった。
「お母様、お父様、どうして……」
リリーは、やっと声に出す。嬉しさが後から押し寄せて、目元がじわじわと熱くなる。
「ダニエル様が、こちらの国に招待してくれたんだ。今日は、お前の誕生日だろ? 21歳の誕生日にこうやってまた会えて本当に良かった」
リリーの父親が、ゆっくりとリリーの元に歩いてくる。そして、目に涙を溜める娘を抱き締めた。
「お父様、私……。ごめんさない……」
温かな父親の胸に抱かれたリリーから出た言葉は、謝罪の言葉だった。
ダニエルとの関係は、特に変わらず。ダニエルは、リリーへの好意を全く隠していないので屋敷の者たちも微笑ましく見守っている。
リリーは、使用人仲間たちから良く思われないのではないかと心配だったのだが……。自分では理由がわからないが、早く受け入れた方がいいのではという雰囲気が漂っている。
屋敷の者たちは、薄々リリーが貴族の娘なのだろうということは感づいていた。何か訳があって、使用人として働いているのだと。
そんなリリーを、最初の内は特別扱いされていることに不満を持っている者たちもいた。しかし、リリーの仕事ぶりを見るうちにみな彼女を認め始めた。
リリーは、初めのうちはある程度のことができると言っても使用人としてプロな訳ではなかった。わからないこともあったし、失敗してしまうことだってあった。
でも、貴族令嬢だったとは思えないほど低姿勢で真摯に仕事に向き合っていた。
そんなリリーを、ダニエルが好きになってしまったのだと皆が認めた。将来、この屋敷の女主人となるのならリリーがいいのではと考えるようになったのだ。
リリーは、自分の知らない内にダニエルだけではなくマーティン家の使用人にも好かれていた。
そんな環境に身を置きながらも、リリーは粛々とダニエルに脇目もふらずに仕事に勤しんでいた。
ある日、マーティン家に大切なお客様が来るので、しっかり準備をするようにと使用人一同に指示があった。
リリーは、いつもよりも丁寧に仕事に向き合い何事もなく一日が過ぎていく予定だった。
ところがブルーノから、今日の仕事はお客様の相手をしてもらうことだと指示を貰う。そんなこと今までなかったが、呼びに行くまで部屋で待機するように言われ大人しく自室で時間が来るのを待っていた。
暫くすると、カティが部屋にやってくる。
「リリー、これからドレスに着替えてもらうから」
カティは、そそくさとリリーを着替えさせる準備をする。リリーは、なぜ自分が着替える必要があるのか疑問だった。
「えっ? カティ。どうして私が着替えるの? お客様って私になの?」
リリーは、訳がわからなくてカティに訊ねた。
「私は何も聞いてないからわからないよ。ブルーノさんから、リリーを着替えさせて貴族令嬢にして欲しいって言われただけだから」
カティは、久しぶりのリリーの着替えに上機嫌だ。女性は、ダニエルの母親しかいないので侍女の仕事はこの屋敷では貴重なのだ。
だから、女の子を着飾らせる仕事は、カティにしてみたらご褒美みたいなものらしい。
「何で、何も教えてくれないのかしら……」
リリーは、自分だけ何も知らされていないことが面白くない。何かあるのなら、ちゃんと教えてもらいたかった。リリーの心の準備だってあるのだ。
「何でだろうね? 男の人って、秘密にすれば良いと思っているところあるから」
カティは、何やらニヤニヤしている。そんなカティの態度も、リリーには面白くない。
「もう。カティまで何か隠しているの?」
珍しくリリーが怒る。
「ごめんごめん。でもそうやって、リリーもたまには怒ってもいいんだよ。いっつも、グッと何か我慢しているでしょ? 良くないよーそういうの」
カティはさっきからずっと、ドレスをクローゼットから出してはリリーに合わせてどれがいいか選んでいる。おしゃべりはしているが、きちんと手は動かしていた。
「私、我慢しているように見える?」
リリーは、自分で気づいていなかったことを指摘されて驚く。
「むしろ、自分で気づいてないの? それ、かなりやばいやつ」
カティが、遠慮なしにズケズケ言う。リリーの周りには、こういう子がいなかったのでとても新鮮だ。そうか……自分はそんなに我慢していたのかとフッと自分の中に落ちてくる。
(ダニエル様に会ったら、一言何か言ってみようかな……)
リリーは、さっき沸いたモヤモヤが払拭できずにいた。でもきっと、ダニエルのことだからリリーの為に何かを用意しているのだ。
わかってはいるが、こんな風に不意打ちは嫌なのだ。
そして、カティのセンスでドレスや髪型やお化粧が決められた。カティは、リリーの好みに仕上げてくれるので安心して任せられる。
今日は、春らしくサーモンピングのドレスを着せてくれた。
リリーは、姿見で自分の姿を確認していつもと違う装いに感心する。使用人としての自分の方が定番になってしまって、貴族令嬢としての自分を見ると何か違和感がある。
「ふふふ。貴族令嬢みたい」
リリーは、自分を見て笑ってしまう。
「もう、何言ってるのよ。本当はそうなんでしょ?」
カティは、呆れたように突っ込んでくる。
「ん-。それは、秘密」
リリーも、笑って返答する。カティは、それ以上何も突っ込んでこない。こういうところも、カティの凄いところだと思う。
準備が整ったところで、リリーの部屋をノックする音が聞こえた。
「ブルーノだが、準備はいいか?」
扉を開けることなく、外から声がする。
「はい。もう準備できました」
カティが、返事をしてくれた。そして、扉を開けて廊下に出る。ブルーノは、リリーを一瞥すると一つ頷いた。
「いいでしょう。ではリリー、行きますよ」
ブルーノに言われて、リリーは彼の後に着いて行く。一体、ダニエルは誰に会わせようとしているのだろう?
ブルーノの後を歩きながら考えるが、特に何も思いつかない、考えつくのは、またクリスタル様がお忍びで遊びに来たのだろうか? とそれくらい。
ブルーノに案内されたのは、お客様を通す応接室だった。ブルーノがノックをすると、扉を開けてリリーを中に促した。
応接室の中に入って目に映ったのは、リリーの両親たちだった。その後ろに、ダニエルと彼の両親もいる。リリーは、驚きの余りびっくりして声が出なかった。
「リリー、元気そうで良かったわ」
リリーの母親が、最初に口を開く。少し涙ぐんでいるようだった。
「お母様、お父様、どうして……」
リリーは、やっと声に出す。嬉しさが後から押し寄せて、目元がじわじわと熱くなる。
「ダニエル様が、こちらの国に招待してくれたんだ。今日は、お前の誕生日だろ? 21歳の誕生日にこうやってまた会えて本当に良かった」
リリーの父親が、ゆっくりとリリーの元に歩いてくる。そして、目に涙を溜める娘を抱き締めた。
「お父様、私……。ごめんさない……」
温かな父親の胸に抱かれたリリーから出た言葉は、謝罪の言葉だった。
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