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009 青春の訪れ
しおりを挟む今までのアンジェラは、気軽に友達を作ることもできなかった。だから先ずは、友達を作るところから始めた。
エイミー以外に、友人と呼べる相手がいなかったので、最初はどうしたらいいのか分からなかった。それでも少しずつ、クラスの女の子達と会話を交わせるようになった。
そしたら、気づいたら自然とクラスに溶け込んでいた。学園が終わった後に、友達と一緒に寄り道をしたり、一緒に勉強したりとても楽しい時間を過ごすことができるようになった。
そして、アンジェラが一番嬉しかったのは、最終学年である三年でも担任の先生がアラン先生だったこと。三年生になったアンジェラは、自分から進んでアラン先生の手伝いをする様になる。
笑顔の多くなったアンジェラを見て、アラン先生もその変化を喜んでくれた。アンジェラは、その頃になると蓋をしていた気持ちを開放していた。
アンジェラは、アラン先生に恋をしていた。
アレックスと婚約していた時から、きっとこの気持ちは胸の中にあった。でも、それを認めることができなかったから、苦しくて辛くて切なかった。
その思いとさよならできた今は、幸せな気持ちで一杯だった。
好きな人のことを、好きだと思っていい。授業中、アラン先生を見つめていたっていい。寝る前に、好きな人を思って眠りにつく。恋をしている自分が、なんだがくすぐったくて、たまに夢なのかも知れないと疑ってしまう。
そんな風に、アンジェラは最後の学園生活を送った。
そして、卒業を迎えた日――――。
アラン先生を、誰もいなくなったクラスの教室に呼び出した。
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