オカリナのお姉さんと俺  ~陰キャ薬剤師と腐れ大学生の遅咲き青春物語~

俺は腐れ大学生だ。
将来に夢も希望も持っていない。趣味も彼女もない。本や映画に触れて感動するような、優しい心も持っていない。望みがあるとすれば、それは今の自堕落な生活が永遠に続くこと。
そんな俺が、バイト先で出会ったのが静野さんだ。
俺と同じように不愛想で無感動で、おまけに引っ込み思案な静野さん。そんな彼女が何を思ったか言いだした。
「音楽祭で演奏したい」と。
しかしそこには大きな問題が。彼女はオカリナの名手だが、人前で発表するのが大の苦手なのだ。
俺と彼女の、公園での音楽祭に向けた訓練は困難を極める。
まずは物陰から出なさいよ、静野さん。っていうか、何でそんな哀しそうな曲ばかり吹くんですか。
ああ、こんなんで彼女は本当に音楽祭なんかに出られるのだろうか。
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