愛と死を乞う

嶼船井

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詩人

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  彼はまるで全てを詩に捧げようとしているかのようだった。
  ランガイスの湾岸に立ち、沈む夕日のすべての光を受け入れていた。時に悲しみ、時に憤り、彼の思考は潮のように自由に湧き上がり、そして壮絶に砕け散っていった。
  彼は海を熱烈に賛美しながらも、率直に海を非難した。しかし結局、彼は海を賛美していた。彼の言葉も思考も矛盾していた。
  私は彼に近づき、その奇妙な行為に困惑していた。
  「何をしているの?」
  「詩を作っているんだ。」
  「死んだのか?」
  「たぶんね、死んだ。」
  彼は依然として海を見下ろし、まるで自分がこの海やこの土地の創造主であるかのように振る舞っていた。彼の憤怒は力強く、彼の罵倒は響き渡っていた。彼は死を蔑み、生者も含めてすべてを軽蔑していた。
  私は彼の隣に立ち、彼が空虚な腕を振り回すのを見つめていた。やがて、海すら見えなくなり、彼の詩にはただ怒り、怒り、怒りしか残らなかった。
  ——
  「やっと分かった、私が憧れ、賛美していたものが何だったのか!この愚鈍さが、私の神経を震わせる!数十年もの間、恐怖に覆われていた真理が!?なんと馬鹿げている!なんと荒唐無稽なことか!
  だが、私は最も早くそれを抱きしめるだろう。私は神聖なる終焉の中で天使とヤハウェへ向かうんだ。私は脳髄とその汚れた腐敗を粉々に砕き、貪欲で無能な臆病者の心臓を絶望の中で死なせる!自己破壊の瞬間にこそ、私の希望と夢は実現されるんだ。どうしてこれが悲しみと言える!?
  お前たち全員、絶望と退屈な欲望と未来を抱えて死に行け!だが、こここそが本当の地獄だ。お前たちがどうしてこんなに甘美な結末を迎えることができる!?お前たちにどうして私のような熱い情熱があると言える!?お前たちの愚かな詩のどれが、私ほど広い心を持っている!?お前たち生き延びているゴミども!
  だが、私の死と救済を妨げる者がいるならば、そいつは地獄に堕ちるがいい!だが、こんな地獄より恥辱に満ちた場所がどこにある!?生きることこそが最大の苦しみ、拷問だ!それなのに、お前たちはそれを楽しみ、死ぬことをためらうとは!」
  ——
  彼は突然口を閉ざし、顔には夕潮のような穏やかさが広がった。だが、彼はもう詩を作らず、私は彼の心や思考を見つけることができなかった。
  そして彼は不意に私の方に顔を向け、じっと私を見つめた。
  「お前も死んだのか?」
  「……ああ。」
  「死ぬって、全然実感がないな。それに……死んでもこの青白い世界に留まらなきゃならないとは、悲しいな!悲しい!」
  私はもう彼の内面に興味を持たないことにした。
  「安らぎに行かないのか?」
  「どこに安らげばいい?」
  「自分の願いを果たせば、そこが安らぎの場所だ。」
  「願い?愚かだ!そんなもの、とっくに忘れてしまったよ。どうやって願いを果たせというんだ?」
  「歩いてみればいい。いつか見つかるさ。」
  私はこの名も知らぬ詩人に少し反感を抱いていたが、それでも彼を連れて都市や海を越えて歩き続けた。
  ——
  彼の目は広告看板や高層ビルに向かって迷い続けていた。まるでこれらの退屈な景色を初めて見るかのようだった。
  「どうして人間は自分を小さな箱に閉じ込めているんだ?」
  「そこが彼らの家であり、眠る場所だからさ。」
  「ここは生きている者たちの安息の場所だ。じゃあ、死んだ者は?」
  「墓だよ。」
  彼の口は再び洪水のように溢れ出した。「人間は死んでからも大金を払って小さな箱に自分を閉じ込めるんだ。悲しい!悲しい!」
  「でも君も人間だったんだろう?」
  「死んだ者はもう人間とは呼べない。」
  「どうして?」
  「彼らはもう死んでいるからだ。思考は死に、身体は死に、骨も死んで、蛆に食い尽くされるんだ。」
  「でも君も今は死んでいるんじゃないか?」
  「馬鹿げている!私はまだ生きている!まだ怒りがある!どうして死んでいると言える!?死とは、心臓が止まった人間に使う言葉だ。」
  私は彼が少し狂っていると感じ、もう彼の言葉に耳を傾けるのをやめた。
  ——
  「君はどうして死んだんだ?」
  冷たいコンクリートの道を歩いていると、彼の死因が気になった。
  「酒を飲みすぎて、『生きるのが辛いな、死のう』と思って、それでビルから落ちたんだ。」
  「自殺だったのか?」
  「当時の私は本当に自分だったのか分からない。どうして自分を臆病な自殺者だと定義できるんだ?」
  「自殺者はみんな臆病なのか?」
  「そうだ。自殺者はみんな臆病だ。」彼の目は再びビルの間を転がっていた。「彼らは世界を恐れて、すべての良いものと悪いものを捨てて、空気になって生き延びようとするんだ。」
  「じゃあ、君も臆病だったんだな。」
  「私は死ぬ理由すら見つからなかったよ。」
  「でも、君は『生きるのが辛い』と言ったじゃないか。」
  彼は一瞬戸惑った後、また口を開いて笑った。
  「ああ、生きるのは本当に辛いな。」
  私はこれが豪放な詩人の口から出ているとは信じられなかった。私には、生きることも、すべてのことも空虚であり、疲れさえ感じない。
  「願いは決まったか?」
  「まだだ。もう少し歩こう。」
  ——
  私たちは山を登り、崖を進んでいった。死者と色彩だけの世界を歩き続けた。彼はこの世界を賛美し、同時に罵倒していた。まるで本当に自分が創造主であるかのようだった。しかし私が尋ねると、彼はただ笑って手を振った。
  「どうして私が創造主になれるんだ?私はただ口で大言壮語を言っているだけさ。」
  「生きているときも、そうやって詩を作っていたのか?」
  「もちろんだ。でも私はそれを発表しなかった。全部ゴミ箱に捨てたんだ。」
  私はこの詩人が少しだけ普通の人間らしく感じられるようになった。
  「どこに住んでいた?」
  「ランガイスのそばの家に。私も大都市のように自分を小さな箱に閉じ込めていた。でも、大都市の人たちほど退屈じゃない。私は海と夕日を見ることができたからね。」
  「君の詩は全部海についてなのか?」
  「私の詩は全部、海への愛の告白だ。」
  彼は歩きながら、目を閉じて心地よい旋律を口ずさみ始めた。そして、振り向いて私を見た。まるで私が彼の詩を称賛するのを期待しているかのように。私はただ、微笑みを無理に作り出すだけだった。
  「でもさっき、私は考えを変えたんだ。自然の方が海よりも多くの色彩を持っているからね。」
  「でも、君は海についてたくさん詩を書いたんじゃないか?」
  「でも私が手に入れたのは、怒りに満ちた波だけだった。」
  私の軽い魂は急に重くなった。いや、私たちの魂に触れる空気が重くなった。私の思考も、私の悲しみも、すべてが押しつぶされていった。私は足を止め、絶望の恐怖から逃れるために話題を変えた。
  「どうして大都市に行ったんだ?」
  「誰かが言ったんだ。私の生活は他の人間たちと大きくずれているって。それで行くことを考えたんだ。でも、無感覚な人々を見た後、すぐに死ぬことができてよかったと思ってるよ。」
  「君は自分の死を後悔していないのか?死んでしまえば詩はもう書けない。」
  「私の思考はここにある。今、私は詩を作っているんだ。どうしてこれが死と言える?」
  これ以上話しても意味がないだろう。彼と一緒に、この特別な日差しをただ楽しんだ方がいい。
  ——
  私たちは長い間歩き続け、夕日の中を歩いていた。彼は草を踏みしめ、風の翼を撫で、自然の言葉を囁いていた。私は彼の詩を聞き取れず、ただ彼が死後の自由を楽しんでいるのを見ていた。
  「どうして君は木のように突っ立っているんだ?こっちに来て、自然と戯れようよ。」
  「いや、私はいい。」
  私は自然が嫌いというわけではないが、生前の私は風や光が部屋に入るのをすべて阻んでいた。——まるで暗闇に住むネズミのように。
  彼はふと何かを思い出したかのように言った。「死んだ者の願いを叶えるのが君の義務なのか?」
  私は戸惑った。義務?これは私の義務なのか?あるいは、これが義務に見えるのか?生きていたときも死んだ後も、義務という曖昧な存在を理解することはできなかった。しかし今、私は「義務」というものを背負わされたような気がしていた。
  「たぶん、そうだろう。」
  「でも、願いがない私は君に迷惑をかけるだろうな。」
  「ああ。」
  「だから、さっき私は自分の願いを知ったんだ。」
  彼は両腕を広げ、私は刺すような日差しの中で、彼がまるで天使に肩を並べているかのような偉大さを感じた。
  ——
  「もし再び私を訪ねるなら
  賛美せよ、賛美せよ
  私はすべての憎しみと嫌悪を捨てた
  熱い太陽神に愛を捧げるために」
  「賛美せよ、賛美せよ
  私の腐敗を砕き尽くせ
  そして、私の魂を哀悼することなかれ
  私は安息の揺りかごに向かっているのだから」
  「賛美せよ、賛美せよ
  もしまた私の前に来たなら
  私の花を天に捧げる炎に捧げよ
  私は美しさと咲き誇る姿を見るだろう」
  ——
  その瞬間、世に詩人は消え去った。
  彼は日光を浴びて、その魂が燃え上がるかのように見えた。しかし、彼の足元には花が咲き始めた。風は彼の頬を撫で、まるで綿毛のように、彼の魂をそっと吹き飛ばし、木陰や草の中へと運んでいった。
  草は彼に感動し、鳥は彼を讃えて歌った。彼は自然の中で壮絶に死に、私もまた彼の偉大な死を自然と共に哀しんだ。燃え尽きた彼の魂は一片も残らず、時の流れに溶け込み、彼の海と自然への愛が、知られざる歴史に刻まれていった。
  彼の死は、世界に贈られた最後の壮大な贈り物だった。
  ——
  私は草原に横たわり、夕日を楽しんでいた。
  その盛大な葬儀の後には、果てしない静寂が広がっていた。鳥でさえ鳴き声を上げることなく、私をこの退屈な死の世界から解放することはなかった。
  だが、まあいい。衰えゆく夕日が私を焼き続けるがいい。私の魂を鞭打ち、私の思考を引き裂くがいい。それすらもできないなら、もうしばらくこの世界に留まってくれればいい。
  ——私はいつの間にか、あの傲慢なバカと同じになっていたようだ。
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