チェリーパイ

夢蘭

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妖精の街

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やっと。約束やくそく連休れんきゅうになった。私は家を出る前からバタバタしてた。
「だから、昨日の内に準備しといてって言ったのにー。」
「ごめんチェリー!すぐ終わるから。」
「急いでよ?」
「うん」 
「よし!できた。」
「忘れ物ない?」
「うん!大丈夫!」
「オッケー。じゃあ目をつぶってて」
「目?」
「いいから。時間ギリギリだから急いで。」
「は、はい!」
私はチェリーに言われたまま目をつぶった。すると、肩に重みがかかった後、体が浮いた気がした。
「えっ!何これ」
「いいから。もう少し目をつぶってて」
「う、うん」
それから5分くらいすると、
「よし。ついたよ」
そう言われて目を開けるとびっくりする光景が広がっていた。
「す、すごい…」
目の前には、おとぎ話のようなおっきなお城があり、そのお城を大きなお庭が囲っている。その横には、ちっちゃなお家がたくさん並んでいて、たくさんの妖精たちが遊んだり、おしゃべりしたり、ご飯を食べたりしている。
「ね、チェリーすご……。」
わたしは、すごいよ!と言おうとしてチェリーを見ると驚いたことにわたしとチェリー同じくらいのサイズになっている。私は一瞬話すのを忘れて1分くらい固まった後、おそるおそる
「チェリーど、どうしたの?なんか大きくない?」
と聞いた。そしたら、
「そりゃー。ここは、妖精の街、フェアリータウンだもん。不思議なことの一つや二つくらいあるよ。だって妖精は魔法を使うからね」
「えっ?魔法?」
「そうだよ。わたしもそう。ここへ来たのも。一種の魔法だしね」
「へぇー」
「それより。ここでは一ヶ月間過ごしてもらいます。」
「ん?今なんて」
「だから、ここでは一ヶ月間過ごしてもらうって」
「聞いてない。聞いてないよ?!いや。そんなに家にいないとお母さんに怪しまれるよだってさくらの家にいることになってんのに」
そうなの。私は今さくらの家にお泊りという口実でこの街へ来ている。それご1ヶ月なんて聞いてないしいくらなんでもダメだよ!
「大丈夫!言ったでしょ。魔法があるってここでの1日は人間の世界の10日と等しいの。だからここでは30日間過ごしてもらうけど、お母さんには3日間に感じるってわけ」
「そ、そうなの?ならまぁ。いいのかな?」 
「それより。一ヶ月でのテストの内容習得となると結構キツキツだから今からすぐ先生のとこ行く予定だけど大丈夫?」
「それなら、大丈夫!心の準備はできてる」 
「わかった。じゃあこのまま行こう」
「う、うん。」
そうして、私は今日から妖精使いのテストへ向け猛勉強を始めることとなった。
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