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第1章
第4話 酒に負けてもモンスターには負けないのがウリだろ
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異世界から現世に戻る方針は決まった。
封印された魔王を復活させ、そいつを倒す。これで現世に戻るための方法はクリアする。
そのためにまずは封印を解き、世界に散らばった魔王のパーツをゲットする必要がある。
「魔王の封印を解く方法が必要か」
俺は手に付いた吐瀉物を拭きながら、同じ志を持つ黒髪転生者サナに声をかける。
ちなみに彼女はもう少なくとも二度吐いているのにまた新しい酒を飲んでいる。どうやら目標が決まったお祝いらしい。
「そうね魔王の封印は他の転生者が施したからね。そこら辺の魔法使いじゃ封印を解くことはできないでしょうね。」
「なるほどな…………そういえばお前は転生の時どんな力を貰ったんだ?」
単純だが大事な疑問だ。魔王を復活させても倒せるだけの戦力がないと水の泡だ。
「私はこれよ」
飲み女はジョッキを置くと、机の下からとあるものを取り出した。
長さは1メートルほどありそうな曲線を描くそれは。
「刀ね。といってもこれはあくまで付属品と言ったほうがいいかしら」
「というと」
「実際は超パワーを貰ったのよ」
「超パワー? なんだそりゃ。超能力か何かか?」
「まさか。ただ身体能力が爆上がりするだけよ。人気の言葉で言えば、フィジカルギフトね。それを刀に込めて振るとなんでも斬れるのよ」
「なんだただのパワー馬鹿かよ」
「アンタをノミより細かく刻むことも可能だわ」
おっとコイツは怒らせないほうが良さそうだ。
「まぁ世界を断絶することも多分可能なんだけど、そんな私でも魔王の封印を削り取るのは難しいわ。ただのパワーで破壊できるような構造じゃないからね」
何やら物騒な言葉が聞こえたが、まぁ良い。お酒に飲まれて変なこと言ってるだけだろ。
「そんなわけでまずは凄腕魔法使い探しね」
「いるのかそんな奴。黒髪の封印を突破できるような天才が」
「まぁなかなかいないと思うわ。でも可能性はあると思うし、最悪いなかったらまぁ壊れるまで斬りましょう」
脳筋だ。脳は筋肉で、体はお酒でできてそうだなコイツ。
「それに追加の戦力も必要ね。アンタ荷物でしかないし」
「戦力? 確かに俺は何の力もないけど何でそんなの必要なんだ? お前がいれば大丈夫だろ」
「まさかそれだけじゃ魔王を封印している結界は破壊できないわよ」
それってどういう意味だよ。と俺が質問する前に、おねぇーさん追加ーと彼女は空いたジョッキを下げてもらっていた。
一体何杯飲むんだよコイツ。
「魔王の結界は2つの要素で構成されているわ。魔王のパーツを包むように魔法陣があるのと、黒髪の冒険者が召喚した最強クラスのモンスターや魔王幹部のネクロマンサー、そして黒髪の分身などがいるわけよ」
「…………何だよそれ。そんなアホみたいに強そうな奴らを配置してるってわけかよ」
「残念ながら、うぷっ、そうよ。魔法陣だけでも十二分に協力だけど、彼ら彼女らは念には念でその召喚要素を置き土産にしてたわ。うぷっ」
おい今うぷっと聞こえたけど大丈夫か? 頼むから3話連続で嘔吐オチはやめてくれよ。ネタのない作者だと思われる。
「その置き土産をお前1人で倒すことはできないのか? 酒に負けてもモンスターには負けないのがウリだろ?」
「…………アンタ何言ってるのよ。私はお酒に負けないし勝たないわよ。結婚するのだから」
「なるほど、アルコールに脳が…………」
バンッ! と彼女が勢いよくジョッキを机に置いたので俺は萎縮する。
多分殴られたら現世まで飛ばされる気がする。ん? 待てよそれならアリか?
「残念ながら1人じゃ難しそうね。そもそも魔王幹部ですら黒髪クラスから3人は必要よ。だからこそ仲間集めが重要ね」
最低でも魔法陣を破れる1人と、戦闘が得意な1人。と彼女は付け加える。
「なるほどなー。じゃあ仲間集めが先決ってわけか」
「ええそうね。さっき言った要素にお酒に強いことがマストね」
「脳までアルコーr」
「ころすわよ」
俺はこんなお酒に溺れる女と旅をして大丈夫なのか?
「兎にも角にもまずはパーティ申請! そしていくつかクエストをこなして私たちの認知度を上げましょう!」
方針は決まった。
さぁ酒女と一緒に現世を目指そうか。
封印された魔王を復活させ、そいつを倒す。これで現世に戻るための方法はクリアする。
そのためにまずは封印を解き、世界に散らばった魔王のパーツをゲットする必要がある。
「魔王の封印を解く方法が必要か」
俺は手に付いた吐瀉物を拭きながら、同じ志を持つ黒髪転生者サナに声をかける。
ちなみに彼女はもう少なくとも二度吐いているのにまた新しい酒を飲んでいる。どうやら目標が決まったお祝いらしい。
「そうね魔王の封印は他の転生者が施したからね。そこら辺の魔法使いじゃ封印を解くことはできないでしょうね。」
「なるほどな…………そういえばお前は転生の時どんな力を貰ったんだ?」
単純だが大事な疑問だ。魔王を復活させても倒せるだけの戦力がないと水の泡だ。
「私はこれよ」
飲み女はジョッキを置くと、机の下からとあるものを取り出した。
長さは1メートルほどありそうな曲線を描くそれは。
「刀ね。といってもこれはあくまで付属品と言ったほうがいいかしら」
「というと」
「実際は超パワーを貰ったのよ」
「超パワー? なんだそりゃ。超能力か何かか?」
「まさか。ただ身体能力が爆上がりするだけよ。人気の言葉で言えば、フィジカルギフトね。それを刀に込めて振るとなんでも斬れるのよ」
「なんだただのパワー馬鹿かよ」
「アンタをノミより細かく刻むことも可能だわ」
おっとコイツは怒らせないほうが良さそうだ。
「まぁ世界を断絶することも多分可能なんだけど、そんな私でも魔王の封印を削り取るのは難しいわ。ただのパワーで破壊できるような構造じゃないからね」
何やら物騒な言葉が聞こえたが、まぁ良い。お酒に飲まれて変なこと言ってるだけだろ。
「そんなわけでまずは凄腕魔法使い探しね」
「いるのかそんな奴。黒髪の封印を突破できるような天才が」
「まぁなかなかいないと思うわ。でも可能性はあると思うし、最悪いなかったらまぁ壊れるまで斬りましょう」
脳筋だ。脳は筋肉で、体はお酒でできてそうだなコイツ。
「それに追加の戦力も必要ね。アンタ荷物でしかないし」
「戦力? 確かに俺は何の力もないけど何でそんなの必要なんだ? お前がいれば大丈夫だろ」
「まさかそれだけじゃ魔王を封印している結界は破壊できないわよ」
それってどういう意味だよ。と俺が質問する前に、おねぇーさん追加ーと彼女は空いたジョッキを下げてもらっていた。
一体何杯飲むんだよコイツ。
「魔王の結界は2つの要素で構成されているわ。魔王のパーツを包むように魔法陣があるのと、黒髪の冒険者が召喚した最強クラスのモンスターや魔王幹部のネクロマンサー、そして黒髪の分身などがいるわけよ」
「…………何だよそれ。そんなアホみたいに強そうな奴らを配置してるってわけかよ」
「残念ながら、うぷっ、そうよ。魔法陣だけでも十二分に協力だけど、彼ら彼女らは念には念でその召喚要素を置き土産にしてたわ。うぷっ」
おい今うぷっと聞こえたけど大丈夫か? 頼むから3話連続で嘔吐オチはやめてくれよ。ネタのない作者だと思われる。
「その置き土産をお前1人で倒すことはできないのか? 酒に負けてもモンスターには負けないのがウリだろ?」
「…………アンタ何言ってるのよ。私はお酒に負けないし勝たないわよ。結婚するのだから」
「なるほど、アルコールに脳が…………」
バンッ! と彼女が勢いよくジョッキを机に置いたので俺は萎縮する。
多分殴られたら現世まで飛ばされる気がする。ん? 待てよそれならアリか?
「残念ながら1人じゃ難しそうね。そもそも魔王幹部ですら黒髪クラスから3人は必要よ。だからこそ仲間集めが重要ね」
最低でも魔法陣を破れる1人と、戦闘が得意な1人。と彼女は付け加える。
「なるほどなー。じゃあ仲間集めが先決ってわけか」
「ええそうね。さっき言った要素にお酒に強いことがマストね」
「脳までアルコーr」
「ころすわよ」
俺はこんなお酒に溺れる女と旅をして大丈夫なのか?
「兎にも角にもまずはパーティ申請! そしていくつかクエストをこなして私たちの認知度を上げましょう!」
方針は決まった。
さぁ酒女と一緒に現世を目指そうか。
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