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二十一章
180話 vs黒髪の一味 rapier whose the lady
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宮殿14階
「卯月 和風月名」
気ッッッッ!!!!!! その一言で2号の刀から一段と強い気が放たれる。
「菊咲月 十五夜」
距離30メートル。しかし和風月名を解放した長月の上はその距離など関係ない。
「ナンバー032 焔衛」
細剣から滴る溶岩の斬撃が2号の和風月名攻撃を受け止める。
「極月 戒臘」
一度鞘に収めた刀を抜くと同時に、ブラックカラー新上ゆうきの背後に回り込む。和風月名による師走の上位互換。
「ナンバー011 赫炎尾」
前方向に構えられていた細剣の柄先から溶岩の刃が背後にいる2号へと襲いかかる。
「チッ」
和風月名状態の超驚異的な反射神経ですらギリギリの回避であった。しかし溶岩の垂れによって2号の袴に炎の滴が落ちた。
「あ、あっちゃァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
青髪の剣士はその熱さをなんとかしようと、戦場である新上の部屋中を転がりまわる。机を倒し本棚にぶつかり落下させながら、器用にもその燃える袴を脱ぎ捨てた。
「あ、あなた!! いったい私の部屋で何をし…………て」
新上ゆうきは見た。袴を脱ぎ捨てた男の姿を。そして声を上げた。
「き、キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「おいおいどうした黒髪!! どこかに虫でも出たのか? それとも伝説の変態でも見つけたのか?」
「変態はあなたでしょうが!!!! なに?! なんであなた女の部屋でパンツ一丁になってるの?? しかも戦闘中に!!!!!」
「なんでって言われてもな。こっちの方が動きやすいしな。戦闘中とか関係ねぇだろ。こちとら初登場からすでにこの格好だぞ」
2号の説明を受けても脳が処理し切れないのか、新上ゆうきは一言。
「…………………………………………嫌」
と言った。
「…………やめて。女のガチトーン『嫌』はほんとに心に響くから…………」
ライトの街の人にどう思われようともあまり刺さらないが、敵しかも女性からの言葉は細剣の攻撃よりも破壊力があるのだ。
だがこれは同時に好機だと2号のセコイ頭は思い付いた。
「なぁ。お前俺がこの格好になった時点で勝ち目なくなったぞ」
「は?」
瞬ッッ!!! 脚を踏み込むと同時に2号は新上ゆうきの懐に入り込む。そしてその刀を振り上げる。先程までであればこの攻撃も受けられていたであろう。
だが。
ギリギリのところで回避したとはいえ、体に切り傷が入ったのは黒髪の剣士の方であった。
「…………さっきまでならカウンターしてるのにできてねぇな」
どうだい?
「パンイチの男と接近戦するのはよ!!」
変態パンイチ2号という凶器に耐性が無い新上は、2号に超接近されて体が動かなかったのだ。
「…………ま、まさか私が黒髪以外に怪我をさせられるとは…………」
ここに来て最強の天敵。
「わ、私のバカ野郎ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」
対黒髪に見えた隙。これを逃すな変態。
「チッ私が変態なんかに苦戦するなんて!! でも近づけさせなければ問題はない!!」
黒髪のポニーテールはすぐに戦略を組み立てると、灼熱のマグマを垂れ流す細剣を2号に剣先を向け平行方向に構える。
「ナンバー51 赤道」
剣先から放たれた一直線の赤い道は、十数メートル離れている2号に一瞬で辿り着く。
「クソが!!」
打ッッ!! 咄嗟の判断で斬撃をぶつけて赤道のベクトルを変えて回避するが、その時にはもう既に別の攻撃が仕掛けられていた。
今度は30ほどのマグマの斬撃が飛んでくる。
「紅染月 薄紅」
2号の刀に薄赤い炎が纏わり付き、飛翔してくるマグマを斬る。
「赤香」
少し濃くなった炎が飛んでくるマグマを斬る。そして2号は駆け足に新上ゆうきへと近づく。
「紅葉」「真朱」「紅鳶」
段々と色赤くなる炎を操りマグマを制して、彼は新上の目の前までたどり着く。
「紅八塩」
大きく真っ黒赤な炎が垂直方向に振られた。
斬ッッ!! 人を軽く飲み込むほどの炎であったが、ギリギリのところで新上ゆうきはマグマを司るその細剣で迎え撃つ。
「…………どんなにあなたが変態でキモくても」
「褒めてる?」
「あなたの炎がどれほど大きく強くても…………。私のマグマは炎すら焼き焦す!!」
単純な押し合いで2号を突き放すと、剣で絵を描く。その円周上には10本の赤い小さな剣が出現する。
「ナンバー69 孤紅月」
ドロドロとしたマグマを垂らすその剣たちはタイミングを変えて2号を襲う。和風月名状態とはいえ、大技の後また黒髪の技を受けすぎているためかその攻撃を防ぎきれない。
血ッッ!!!
「ゲバァッッ!!!」
黒髪によるマグマの攻撃は一撃一撃が今までとは比べ物にならないほど強い。そう何発も受け切ることはできない。
(ハァハァ。あのクソ黒髪め。すぐに俺のパンイチ攻撃にも対応しやがって…………。クソ野郎が! 反応が足らねぇ!! 俺は、まだ師匠には勝てないのか?!!)
「ゲボォォォォ!!!」
あまりの辛さに思わず吐いてしまう。新上ゆうきが。
「なんでお前が吐くの??!!!」
「…………ハァハァ。なんでも何もあなたみたいな変態にあそこまで接近したらそりゃ吐くでしょ普通」
「最近の女はイケメンに近づいただけで吐くのか。不憫だな」
「そう捉えてしまうあなたの脳みそが不憫でたまらないわ」
(あのクソ女め言いたい放題言いやがって! だが寂しいがこれはかなりのアドバンテージだ。奴が俺のイケメン性に慣れる前に倒してやる!!!)
行け2号! その変態性を活かせ!!
《話末限定題名短編集 第2弾》
最終話 『ネツゾウ雑誌の記者サジーナのトクダネ。どうやらそのトラウマ級暗黒軍幹部は北に向かってスキップしていったらしいっス』
「卯月 和風月名」
気ッッッッ!!!!!! その一言で2号の刀から一段と強い気が放たれる。
「菊咲月 十五夜」
距離30メートル。しかし和風月名を解放した長月の上はその距離など関係ない。
「ナンバー032 焔衛」
細剣から滴る溶岩の斬撃が2号の和風月名攻撃を受け止める。
「極月 戒臘」
一度鞘に収めた刀を抜くと同時に、ブラックカラー新上ゆうきの背後に回り込む。和風月名による師走の上位互換。
「ナンバー011 赫炎尾」
前方向に構えられていた細剣の柄先から溶岩の刃が背後にいる2号へと襲いかかる。
「チッ」
和風月名状態の超驚異的な反射神経ですらギリギリの回避であった。しかし溶岩の垂れによって2号の袴に炎の滴が落ちた。
「あ、あっちゃァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」
青髪の剣士はその熱さをなんとかしようと、戦場である新上の部屋中を転がりまわる。机を倒し本棚にぶつかり落下させながら、器用にもその燃える袴を脱ぎ捨てた。
「あ、あなた!! いったい私の部屋で何をし…………て」
新上ゆうきは見た。袴を脱ぎ捨てた男の姿を。そして声を上げた。
「き、キャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」
「おいおいどうした黒髪!! どこかに虫でも出たのか? それとも伝説の変態でも見つけたのか?」
「変態はあなたでしょうが!!!! なに?! なんであなた女の部屋でパンツ一丁になってるの?? しかも戦闘中に!!!!!」
「なんでって言われてもな。こっちの方が動きやすいしな。戦闘中とか関係ねぇだろ。こちとら初登場からすでにこの格好だぞ」
2号の説明を受けても脳が処理し切れないのか、新上ゆうきは一言。
「…………………………………………嫌」
と言った。
「…………やめて。女のガチトーン『嫌』はほんとに心に響くから…………」
ライトの街の人にどう思われようともあまり刺さらないが、敵しかも女性からの言葉は細剣の攻撃よりも破壊力があるのだ。
だがこれは同時に好機だと2号のセコイ頭は思い付いた。
「なぁ。お前俺がこの格好になった時点で勝ち目なくなったぞ」
「は?」
瞬ッッ!!! 脚を踏み込むと同時に2号は新上ゆうきの懐に入り込む。そしてその刀を振り上げる。先程までであればこの攻撃も受けられていたであろう。
だが。
ギリギリのところで回避したとはいえ、体に切り傷が入ったのは黒髪の剣士の方であった。
「…………さっきまでならカウンターしてるのにできてねぇな」
どうだい?
「パンイチの男と接近戦するのはよ!!」
変態パンイチ2号という凶器に耐性が無い新上は、2号に超接近されて体が動かなかったのだ。
「…………ま、まさか私が黒髪以外に怪我をさせられるとは…………」
ここに来て最強の天敵。
「わ、私のバカ野郎ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!」
対黒髪に見えた隙。これを逃すな変態。
「チッ私が変態なんかに苦戦するなんて!! でも近づけさせなければ問題はない!!」
黒髪のポニーテールはすぐに戦略を組み立てると、灼熱のマグマを垂れ流す細剣を2号に剣先を向け平行方向に構える。
「ナンバー51 赤道」
剣先から放たれた一直線の赤い道は、十数メートル離れている2号に一瞬で辿り着く。
「クソが!!」
打ッッ!! 咄嗟の判断で斬撃をぶつけて赤道のベクトルを変えて回避するが、その時にはもう既に別の攻撃が仕掛けられていた。
今度は30ほどのマグマの斬撃が飛んでくる。
「紅染月 薄紅」
2号の刀に薄赤い炎が纏わり付き、飛翔してくるマグマを斬る。
「赤香」
少し濃くなった炎が飛んでくるマグマを斬る。そして2号は駆け足に新上ゆうきへと近づく。
「紅葉」「真朱」「紅鳶」
段々と色赤くなる炎を操りマグマを制して、彼は新上の目の前までたどり着く。
「紅八塩」
大きく真っ黒赤な炎が垂直方向に振られた。
斬ッッ!! 人を軽く飲み込むほどの炎であったが、ギリギリのところで新上ゆうきはマグマを司るその細剣で迎え撃つ。
「…………どんなにあなたが変態でキモくても」
「褒めてる?」
「あなたの炎がどれほど大きく強くても…………。私のマグマは炎すら焼き焦す!!」
単純な押し合いで2号を突き放すと、剣で絵を描く。その円周上には10本の赤い小さな剣が出現する。
「ナンバー69 孤紅月」
ドロドロとしたマグマを垂らすその剣たちはタイミングを変えて2号を襲う。和風月名状態とはいえ、大技の後また黒髪の技を受けすぎているためかその攻撃を防ぎきれない。
血ッッ!!!
「ゲバァッッ!!!」
黒髪によるマグマの攻撃は一撃一撃が今までとは比べ物にならないほど強い。そう何発も受け切ることはできない。
(ハァハァ。あのクソ黒髪め。すぐに俺のパンイチ攻撃にも対応しやがって…………。クソ野郎が! 反応が足らねぇ!! 俺は、まだ師匠には勝てないのか?!!)
「ゲボォォォォ!!!」
あまりの辛さに思わず吐いてしまう。新上ゆうきが。
「なんでお前が吐くの??!!!」
「…………ハァハァ。なんでも何もあなたみたいな変態にあそこまで接近したらそりゃ吐くでしょ普通」
「最近の女はイケメンに近づいただけで吐くのか。不憫だな」
「そう捉えてしまうあなたの脳みそが不憫でたまらないわ」
(あのクソ女め言いたい放題言いやがって! だが寂しいがこれはかなりのアドバンテージだ。奴が俺のイケメン性に慣れる前に倒してやる!!!)
行け2号! その変態性を活かせ!!
《話末限定題名短編集 第2弾》
最終話 『ネツゾウ雑誌の記者サジーナのトクダネ。どうやらそのトラウマ級暗黒軍幹部は北に向かってスキップしていったらしいっス』
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