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十五章
《番外編》 いつになったら最終話
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「はいどうもバーチャル◯ーチューバーのエナです!! こっんかいなんですけど——」
可愛らしい甲高い声に耳を傾けて俺は思う。
え? 何? あいつに何やってんの? あいつ2次元に行ったの? Vデビューしたの?! Vったの? 流行りのVったの?!
朝1番で起きたらこんな光景を目にする俺の気持ちを考えてくれ。
「こっんかいは、『この眼の名前は!』の最終話について話していこうと思います」
「待て待て待て待て!! 何やってんだお前」
「ちょ、バカクソパンイチ!! 今私が収録してんの見えないの?!」
「見えた上で言ってんだよ!! てかなんだこれ、なんでwacがあんだよ!! 中世ヨーロッパだぞここ!!」
「うっさいわね、世界観なんて飾りよ飾り」
なんかとんでもないこと言ってますが、そこには突っ込まない。他にもっと大事なところがあった。
「…………ていうかお前さ、さっき最終話云々とか言ってなかった?」
「言ったわね。この物語ももう終わらせて良くない? って思ってさ」
再びとんでもない発言してきた。風呂場でクモ見つけた並にびっくりする発言がきた。
「え? ちょ、何言ってんすか…………?」
「いや、日本語だけど」
「言葉じゃねぇよ、内容だよ!」
あーそのことね。とエナは納得したように語る。
「この作品もう半年以上書いてるわけだから、もーそろそろ完結してもいいかなって思ったのよ」
「いいわけねえだろ! 今ちょうど、インフレが始まった瞬間だよ?! やっとインフレの影響受けた暗黒軍幹部戦だよ!! なのになんで完結?!」
「いやだってさ、200話は超えるわよこの作品。多分。なのに倒した暗黒軍幹部は、私たちで2人、どっかの黒髪が倒したのが2人、そして今1人やってる状況でさ」
なお黒髪転生者が幹部を倒す云々は、25話参照だ。
「つまりあと2人は幹部がいるってことだし、しかもなんか『闇三銃士』とかドイツのインフレみたいなことが起きてるしさぁ。更にはラスボスもまだいるわけじゃない。一体完結まで読者は付いてきてくれるのかしらね」
彼女の言わんとすることは理解できるが。
「ま、まぁインフレはバトルの醍醐味だしな。それに読者のことは気にするな」
なんでよ。と顔をするエナに俺は説明する。
「読者は作者という呪われた装備に取り憑かれているからな。完結という教会でお祓い受けるまでは読書中断できねぇからな」
作者のことを呪われた装備というのはあれだが、そもそもこれを書いてるのは作者であるので、あれがあれしてあれだ。
その言葉には納得できてないのかエナは渋い顔をするが、俺はもっと聞きたかったことを質問する。
「勝手に完結なんてさせねぇけどさ。エナはどうこの作品終わらせようと計画してたんだ?」
「ん? そりゃ簡単よ」
彼女は語った。
遂に暗黒軍幹部ラターイとの戦闘が始まった。
そしてその戦闘はなんやかんやあって終わった。
それと同時に。暗黒軍のトップが倒されたというニュースが全米に回った。
そう。世界に平和は訪れたのだった。エンド。
「とか?」
「なんやかんやあり過ぎだろうがァァ!!!! え? 何ラターイと一緒にボスもダウン?! どんな展開だよ!!」
「えー、これじゃダメ? …………そうね、これならば」
ラターイ戦開幕!! と思ったら、声が虚空から聞こえた。
「て、きて…………起きて!!!」
俺はなぜか閉じていた目を、ゆっくりと開ける。眩い光が目に入ってきて、完全に開くことができない。すると耳に音が聞こえてきた。
『全米が泣いたと言われているこの作品ですが——』
兎にも角にも俺は力を入れて起き上がる。俺の視界に入ってきたのは——映画について語るテレビ、独特の匂いを放つベッドとテッシュ、そして俺の…………オカン。
ま、まさか俺は…………ね、寝ていた…………だけ?
「とk」
「夢オチじゃねぇか!!!! いや別に夢オチは全然良いオチだと思うよ!! でもこのタイミングじゃねぇだろ!! ドタキャンより急展開だわコレ!」
俺が大声をあげると、エナはあーもじゃあこれでいいの?! と半ギレしながら提案してくる。
「代表!! 此度の対暗黒軍の兵器購入についてですが、近隣諸国から苦情が相次いでいます!」
「代表!! それよりも今はこの『梅を眺める会』についてお答えください!! 結局お金は支払ったのですか?」
「代表!! 税金をあげる前にまず国民を見てください!!」
さまざまな意見ヤジが飛び交う。その真ん中でひたいに流れる汗を吹く男は言う。
「えー、その件、に、関して、ですが、お応え、でき、ま、せん」
ふざけるな!!!! と罵倒がミサイルされる中、その男、協力関係のために全米を歩き回った男は、今日も王会を王会議事堂を後にする。
完
「t」
「ふざけてんのはお前だろうがァァァァ!!!!!!!!」
大声を聞いて小動物みたいにビクッとするエナに構わず、俺は続ける。
「この作品の要素全然出てこねぇじゃねぇか!!! それどころか、主要キャラ1人も出てきてねぇよ!! てか何この話? 王会? 梅を眺める会? なんか微妙なライン攻めんなよ!! てかバトルは?! ラターイは?! ボスは?! もう…………さぁ」
俺は一度呼吸を整える。
「それにさ、全米全米全米って、アメリカ大好きか?!! 最後2つに関しては無理やり出してきたよね!? これ書いてんの日本だし、世界観中世ヨーロッパだからね?!」
俺の長いツッコミを聞いたエナは、目に涙を浮かべてキレた口調で叫ぶ。
「じゃあどーすればいいのよ!!!!!!」
「素直に最後まで書けばいいじゃねぇかよ!!!!!!」
そんなわけで。
番外編 完
こっからの物語のアイデア、募集中。
可愛らしい甲高い声に耳を傾けて俺は思う。
え? 何? あいつに何やってんの? あいつ2次元に行ったの? Vデビューしたの?! Vったの? 流行りのVったの?!
朝1番で起きたらこんな光景を目にする俺の気持ちを考えてくれ。
「こっんかいは、『この眼の名前は!』の最終話について話していこうと思います」
「待て待て待て待て!! 何やってんだお前」
「ちょ、バカクソパンイチ!! 今私が収録してんの見えないの?!」
「見えた上で言ってんだよ!! てかなんだこれ、なんでwacがあんだよ!! 中世ヨーロッパだぞここ!!」
「うっさいわね、世界観なんて飾りよ飾り」
なんかとんでもないこと言ってますが、そこには突っ込まない。他にもっと大事なところがあった。
「…………ていうかお前さ、さっき最終話云々とか言ってなかった?」
「言ったわね。この物語ももう終わらせて良くない? って思ってさ」
再びとんでもない発言してきた。風呂場でクモ見つけた並にびっくりする発言がきた。
「え? ちょ、何言ってんすか…………?」
「いや、日本語だけど」
「言葉じゃねぇよ、内容だよ!」
あーそのことね。とエナは納得したように語る。
「この作品もう半年以上書いてるわけだから、もーそろそろ完結してもいいかなって思ったのよ」
「いいわけねえだろ! 今ちょうど、インフレが始まった瞬間だよ?! やっとインフレの影響受けた暗黒軍幹部戦だよ!! なのになんで完結?!」
「いやだってさ、200話は超えるわよこの作品。多分。なのに倒した暗黒軍幹部は、私たちで2人、どっかの黒髪が倒したのが2人、そして今1人やってる状況でさ」
なお黒髪転生者が幹部を倒す云々は、25話参照だ。
「つまりあと2人は幹部がいるってことだし、しかもなんか『闇三銃士』とかドイツのインフレみたいなことが起きてるしさぁ。更にはラスボスもまだいるわけじゃない。一体完結まで読者は付いてきてくれるのかしらね」
彼女の言わんとすることは理解できるが。
「ま、まぁインフレはバトルの醍醐味だしな。それに読者のことは気にするな」
なんでよ。と顔をするエナに俺は説明する。
「読者は作者という呪われた装備に取り憑かれているからな。完結という教会でお祓い受けるまでは読書中断できねぇからな」
作者のことを呪われた装備というのはあれだが、そもそもこれを書いてるのは作者であるので、あれがあれしてあれだ。
その言葉には納得できてないのかエナは渋い顔をするが、俺はもっと聞きたかったことを質問する。
「勝手に完結なんてさせねぇけどさ。エナはどうこの作品終わらせようと計画してたんだ?」
「ん? そりゃ簡単よ」
彼女は語った。
遂に暗黒軍幹部ラターイとの戦闘が始まった。
そしてその戦闘はなんやかんやあって終わった。
それと同時に。暗黒軍のトップが倒されたというニュースが全米に回った。
そう。世界に平和は訪れたのだった。エンド。
「とか?」
「なんやかんやあり過ぎだろうがァァ!!!! え? 何ラターイと一緒にボスもダウン?! どんな展開だよ!!」
「えー、これじゃダメ? …………そうね、これならば」
ラターイ戦開幕!! と思ったら、声が虚空から聞こえた。
「て、きて…………起きて!!!」
俺はなぜか閉じていた目を、ゆっくりと開ける。眩い光が目に入ってきて、完全に開くことができない。すると耳に音が聞こえてきた。
『全米が泣いたと言われているこの作品ですが——』
兎にも角にも俺は力を入れて起き上がる。俺の視界に入ってきたのは——映画について語るテレビ、独特の匂いを放つベッドとテッシュ、そして俺の…………オカン。
ま、まさか俺は…………ね、寝ていた…………だけ?
「とk」
「夢オチじゃねぇか!!!! いや別に夢オチは全然良いオチだと思うよ!! でもこのタイミングじゃねぇだろ!! ドタキャンより急展開だわコレ!」
俺が大声をあげると、エナはあーもじゃあこれでいいの?! と半ギレしながら提案してくる。
「代表!! 此度の対暗黒軍の兵器購入についてですが、近隣諸国から苦情が相次いでいます!」
「代表!! それよりも今はこの『梅を眺める会』についてお答えください!! 結局お金は支払ったのですか?」
「代表!! 税金をあげる前にまず国民を見てください!!」
さまざまな意見ヤジが飛び交う。その真ん中でひたいに流れる汗を吹く男は言う。
「えー、その件、に、関して、ですが、お応え、でき、ま、せん」
ふざけるな!!!! と罵倒がミサイルされる中、その男、協力関係のために全米を歩き回った男は、今日も王会を王会議事堂を後にする。
完
「t」
「ふざけてんのはお前だろうがァァァァ!!!!!!!!」
大声を聞いて小動物みたいにビクッとするエナに構わず、俺は続ける。
「この作品の要素全然出てこねぇじゃねぇか!!! それどころか、主要キャラ1人も出てきてねぇよ!! てか何この話? 王会? 梅を眺める会? なんか微妙なライン攻めんなよ!! てかバトルは?! ラターイは?! ボスは?! もう…………さぁ」
俺は一度呼吸を整える。
「それにさ、全米全米全米って、アメリカ大好きか?!! 最後2つに関しては無理やり出してきたよね!? これ書いてんの日本だし、世界観中世ヨーロッパだからね?!」
俺の長いツッコミを聞いたエナは、目に涙を浮かべてキレた口調で叫ぶ。
「じゃあどーすればいいのよ!!!!!!」
「素直に最後まで書けばいいじゃねぇかよ!!!!!!」
そんなわけで。
番外編 完
こっからの物語のアイデア、募集中。
応援ありがとうございます!
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