依存の魔法使い

豚骨

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第2章 報復

ライの転機 1

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今日も何処かのパーティーに潜り込んで稼ぐしか無いのかね。

疲弊した体を無理矢理に勢いを付けて起き上がる。

・・・だけどなぁ。・・ああ、又考えが振り出しだ、結局は母さんの為に死なない様にしながらも無茶はするしか無いんだよなぁ。

何もせずに弱って行くのを見るだけなんて耐えられないけど、現状でやれてる事は病気の進行を遅らせる・・てるのか?
もう立ち上がるのも辛そうで、傍に居たいけど、面会に行く時間すら取ってる暇がねぇ。

ひたすら我武者羅に冒険者として働いて金を稼がなきゃ治療すら受けさせて貰えねぇから仕方ないけどよ、そうやって何とか治療を受けても痛みを抑えてるだけにしかみえねえ。

どんどん母さんの起きてる時間は減ってるし、何時も笑ってた顔には精気がねえ、どうすりゃ、どうすりゃ良いんだよ?

せめて金が有りゃあ・・それで少しは違ってたのか?

金持ちだって治療は受けてるけどよ。それでも助からねぇ奴はいっぱい居るんだ。

俺は・・俺・
「おはよう御座います。ちょっとお話し良いですか?」

考え事をしながらもギルドに身体を運んでいた俺は突然声を掛けてきた相手を睨みつける。

『誰だ。』

「ああ、怪しい者じゃありませんよ。何処から話をすれば良いのでか解らないので単刀直入に言いますけど・・・お母様を治しましょうか?」

そこに居たのは従者・・いや護衛か?の男女2人を引き連れては居るが、まだまだ若い少年だった。

『・・あんたは神様なのか?』

「・・いいえ?」

『巫山戯るな!!治せるならとっくに治して貰ってるんだよ。高名な医者も、有名なスキル持ちも、ギルドで把握してる全ての奴に頭は下げてるんだ。後は神様頼りなんだよ。偶然でも何でも神様に逢えれば何とかしてくれる可能性は有るんだ。只の人間が口を出すな馬鹿野郎。』

興奮して声を張り上げ、大袈裟な身振りで苛立ちを表す。その瞬間、護衛の男が前に出て少年を身体で隠した。後ろに居るときは分からなかったが、エルフだなコイツは。
女の方は・・・やばい、俺下手したら死んでたかも知れないな。このプレッシャーはかなり格上だ、まだ殺意を感じない状態でこれなら敵だと認定されたら1歩も動けんかもしれん。

「・・・大分追い詰められてますけど、私なら治せますよ?」

後ろから護衛の男の肩を叩いて下げた少年が少しも怯まず声を出す。コイツも強いのか?

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