依存の魔法使い

豚骨

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第1章 奇跡の始まり

真相の話の後 動機考察1

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屑共の処分は決定したとしてだ。

何故奴らがそんな事を思い付いたのかが解らない。
クイースがメンバーに居れば1度の大きな収入を狙わなくとも、確実に2、3年あればクイースが貯めた額と同じ額程度は、クイースが居ないで冒険した額に加えて稼げた筈だ、しかもメンバー全員がだ。

金銭目的ではないのか?いまいち良く解らない犯行ですね。
メンバーの性格や行動、抱えていた問題が知りたいですね。

「クイース、知りうる限りの元メンバーの情報を下さい。性格、普段の行動は必須ですよ。特に最近の物が有れば良いですね、例えば誰かが大金を決められた期限迄に欲していたとか。又はクイースを恨んでいた存在が居たなら、その理由も含めて知りたいですね」

『はい、でしたら先ずはリーとラー弓使い2人の情報です。彼女達の性格は姉のリーが穏やかで、妹のラーが短慮・・・
いえ、こちらの方が端的に彼女達を表現出来ますね。
しっかり者と慌てん坊です。妹のラーがミスをして姉のリーが助ける。そんなパターンが出来上がってました。
普段は姉のリーは装備や必要な物の準備、次の依頼の下調べ、その他もろもろを自分の分と併せて妹の分まで面倒を見てましたね。
妹のラーは、食べ歩きや遊び歩いて・・・あの子のそれ以外の姿が記憶に無いですね。・・・』

『つ、次は魔法使いのミルカです。あまり交流が無かったので、あたしの知る情報は少ないですが、性格は冷静沈着。
基本奴隷の従者で盾職のライと常に一緒に行動してました。
魔法使いとしては優秀で前にもお話ししましたが、フレイムスネーク程度なら当たれば倒せるレベルだと思います。
ライは、寡黙ですかね?少し違うかも知れません、もしかしたら喋らない様に命令されてるのかも知れませんね。
行動ですが、ライはミルカに付いて動く感じでなんで良く解らないです。
ミルカは、すいません、こちらも、あまり良く知らないんです。

あ、でも何度か町で姿を見ました。リーダーの後を歩いてるのを、でも・・おかしな距離なんですよ。見掛ける時はいつも話が出来る様な距離じゃ無くてですね、まるで尾行してる様な距離というか、あと、目がなんか焦点が合ってない感じで聞き取れないくらいの声でブツブツ呟いてるんです。なんか恐い感じがしました。』

「あー、だいたい解った、その話は良いです。他に何か変な行動とか有りませんか?」

『そうですか?後は、あの依頼の前辺りからリーとラーに良く話をしてました。』

「そうですか。では残りはリーダー?の斥候の方ですね」

『あれ、ご主人様。リーダーが斥候って話しましたまっけ?』

「ああ、クイースと契約を結ぶ前に、こちらで基本情報くらいは把握してますよ。」

『そうなんですね。流石ご主人様です。
それでリーダーの性格なんですが、なんて言うか。
自信家?ですかね。いっつも馬鹿げた夢を語ってました、いずれ国を興すだのドラゴンを従えるだの果ては神に至るんだとか。戦わない臆病者の斥候の癖に何を言ってるんだって・・・はぁ、何度か本気であの世に送ってやろうかと思いましたよ。』

「戦わない?」

『リーダーは指示と索敵や罠の解除がメインと言うかそれ専門でして。戦闘になると、魔物との戦いはあたし達に任せて周囲の警戒や指示だけを行うんです。』

「それでリーダーなのか、斥候兼参謀とかリーダー向きじゃ無いと思うんだけどなぁ。」

『あたしもそう思ってましたけど、双子が私達はリーダーに付いてきたんだって言い張りまして。あいつは顔だけは良いですから。あたしみたいな自分に自信の無い女は引いちゃいますけど、彼女達は自分がお相手に選ばれると本気で思ってたんだと思います。』

「双子もか。」

『双子も?』

「ああ、魔法使いも多分間違い無くリーダーに熱を上げてる。こっちは双子よりかなり思い込みが激しいタイプだと思いますけどね。」

『なるほど、じゃあ・・あれは結局尾行だったんですね。
あ、それでですね、リーダーの普段の行動ですけど、まぁ・・・ナンパ?自分語り?何だか解らないですけど依頼以外の時は、ご飯屋さんとか酒場とかの人の集まる所行って自分がいずれ何を成すだの今まで何を成しただのって言う嘘が9割入ってるんじゃないの?って話をひたすらするんですよ。
あと、あたしの妹の見舞いに良く訪ねて来てくれるんですけどね。弱ってる妹に向ける目がね。憐れんでる様な、狙ってる様な嫌な目でした。』

さっきからリーダーの話をするたびに顔が険しく成ってるんだけど?クイースの完全な侮蔑の表情なんて初めて見たな、どんだけ嫌われてるんだ元リーダーよ。

『最後に大金を必要としてたメンバーはあたしの知ってる限りは居ませんでした、基本奴隷のライが普段からお金に執着はしてましたけど。恨みとかは特に無かったと思うのですが、あたしが気付かなかっただけかも知れませんね。』

なるほど、推察する程度は出来ますが、思った通りだとすれば救いようが無いな。救う気は無いけど。

まぁ、もう一度考えてみますかねぇ。
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