依存の魔法使い

豚骨

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第1章 奇跡の始まり

ミズリの思い

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宿に帰る前に護衛に話を聞いてみた。

誰も光を感じて無かった様だったが、町に戻って護衛と別れてからも町の人に聞き込みをした結果。

おそらく奇跡の光は光魔法で押さえ込めると判った。

因みに発動してないなんて事は無い。何故ならスキル確認画面の表示が主従の奇跡も薄く成っているからだ。
試す前は癒やしの奇跡だけが薄かったからそういう事なんだろう。

さて宿に戻って来たけれど、今日は濃い一日だった。
死にかけた所から目覚めて飯をがっついて。あ、味とか覚えてないや旅行中なのに勿体ない。って!!
昼飯も抜いてる。いやいや、それより何よりクイースにご飯食べさせてない。
まずは食堂だな。

「クイース、食堂に行くよ。」

『はい、ご主人様』

うーん、既に心が落ち着くレベルだな。
この打てば響く感じの返事の気持ち良さよ。
因みにクイースは同室です。奴隷はそういう物なんだそうです。
ミズリも普通に居ますけどね?部屋2つ取る意味って?まぁ何時もの事だ。実家でも寝るまで部屋に居るもんな。
「ミズリもね。」
と声を掛けたら素晴らしい笑顔で、はい、坊ちゃんと言われたんだけど。なんかアプローチされてる?怖いくらい艶が有るんだけど。

食堂では今日の一押しと言う骨付き肉の炙り焼きを大量に頼んだ。勿論私は米をかきこんだ。ミズリは少しお酒も呑んでいた。
クイースは最初小さなちゃぶ台みたいな所で食べると言い張っていた。
(犯罪奴隷は店に入ること自体があまりないが、基本奴隷や特殊奴隷は専用の席があるんだと言う事だ、まぁ奴隷と一緒が嫌な人も居るのは解るから何とも言えないけど・・・そんな事は私には関係ない。)
座って一緒に食べないならそんな仲間は要らないから解放してお別れかなと言うと青くなって即座に席に付いた。

その後は凄かった。何処に入るんだって言う程に
肉を口に放り込んでいく。何故か食べ方が綺麗に見えるんだが、何故かねぇ?やってる事はかぶり付いているんだけど?

これも奇跡補正かな?私の獣人のイメージは、確かに肉好きで大食いのイメージだし、アニメ基準だから脳内で綺麗に、美味しそうに食べるアニメのシーンを参考に反映されたんだろうな。

部屋に戻るとミズリから坊ちゃん、少ししたら風呂に行きますよ。と言われたので判った。と言ったのは少し前の話。

何故かまた混浴に成ってます。知らない内にまた貸し切ってるし。
あーあーまた隠してないよ。いや寧ろ見せようとしてますよね?
何だか焦ってる感じ?うーん、クイースが私の所に来てからかなぁ?
クイースは・・・泳いでるな。犬掻きだ。

もうこれは今の内に内心を正直に話して貰おうかな。

「ミズリ?何か焦って無い?」

『坊ちゃん判っちゃいますか?』

「いや、そりゃいきなり積極的に裸を見せ出したりしたら判らない方が可笑しいよ。」

『そうですね。私は・・坊ちゃんを支えるだけで幸せだと、ずっと思って来たんです。でもクイースが来てから、そう、嫉妬じゃ無いんです。素直に坊ちゃんに全てを捧げる覚悟を見せる彼女に、対抗心ですかね?・・・思ってしまったんです。私の方が坊ちゃんを支えれる。私の方が全てを捧げる事が出来ると』

「えーと… 2人で、じゃあ駄目なの?
私には2人とも必要だよ?お互いの勝っている所で競うんじゃ無くて、弱い所を補い合う関係じゃあ駄目なの?」

『ですが私は奴隷のクイースと違っていずれ坊ちゃんのお側から離れなければ成りません。だから今だけでもクイースより役に立って置きたいんです』

いつの間にかミズリは涙を溢していた。
その姿を不謹慎にも美しいと思ってしまったのは内緒だ。

「何で離れるんだい?何時までも私の傍に居れば良いじゃないかミズリ。」

少し語気を強めてしまった。ミズリが驚いている。

『ですが、・・・ですが、』

それ以上言葉が出てこない様だ。
胸の前で組んでいるミズリの両手を怖ず怖ずと両手で包む。
ああ、今だけでも大人に成りたい。

そして彼女達の覚悟に対して、私の決意を述べた。

「私は・・
私を愛する者達を決して手放さない。

だから全てを委ね私に依存して良いんです。
最低と罵られても良い。下劣と誹られても良い。

私を愛するミズリを、私を愛するクイースを
私も愛しているならば。何を恐れる事が有ります?

私は貴女達を生涯幸せにしますから。付いてきて下さい。」

・・・ミズリ?・・・クイースも固まってますね。
あれ?私何か間違いました?
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