クロノザクロン

ジャック・アーズ

文字の大きさ
上 下
14 / 16
 2章 誕生の海賊

   24話「海の宴」

しおりを挟む
 私は全力な気合いで海賊になりたいと
海賊のおっさん達に言い放った!
 「……は?…」
 「…まじかよ?」
 「…………正気かお前?」
な、なんか…凄くヤバイ空気になった…
って動揺してる場合か!
 「あぁ正気だ!私の夢はあんたらに憧れていた海賊だかんな!」
 「昔からラグナと一緒に居ますが、本当の事ですよ?」
 「ら、ラグナ……海賊になりたいって…」
女将までもが、凄い動揺した顔で私達を見ていた
 「お嬢ちゃん…海賊つうのは海の宝に命を賭けて奪い合いをするようなもんだ…それを知って言ったのか?しかも、女が海賊になりたいとは…」
 「性別に関係なんてない!知らないことはまだあるだろうけど、私は海賊になりたいということは本気だぜ!」
 「ほぉ~……なら、示してもらおうかねぇ…お前、俺らと腕相撲してみろ」
 「腕相撲?アステラル、腕相撲ってなんだ?」
 「簡単に言えば、お互いの手を掴んで力を比べ合うものですね。どちらかの手が地面に着いたら負けで、地面に着かなかった方が勝ちになります」
 「なるほどなー、よっし!やってやるぜ!けど、どうしてやるんだ?」
 「お前さんが男女関係ないってなんなら…力仕事が出来るかどうか、見極めさせてもらおうか…」
 「力になら自信あるぜ!」
 「まずは……ユク、行け」
 「んぁ!?俺か?待て待て…こっちは酒を……」
ビレスートのおっさんが指を指したのは
金髪のおっさんだった
ユクって言うのかな!?
 「ったくしゃーねぇな…後で奢れよ?ビレスート!」
 「まぁ頑張れ……変態海賊……」
 「変態言うな!ステイル!男は胸が好きなんだよ!」
もう一人の黒髪のおっさんは…ステイルって言うのか!
 「んじゃ、そこの机に肘着けろ」
 「わかったぜ!」
私は机に肘を着けた
力比べ…まだアステラルとしかやったことないから
他の人とは楽しみだなー!
 「よぉーし!審判はそっちの白髪ちゃん頼むぜぇー!」
 「私はアステラルです!後、貧乳ではありません!成長はしてるはずですからぁ!」
 「………あいつ、相当気にしてたのか…」
 「…お、おっほん……え、えー…二人とも、準備は良いですか?」
私とユクのおっさんはお互いの手を掴み机で立てていた
 「おう!何時でも良いぜ!アステラル!」
 「こっちもだ。って……やけにお前の手…硬くないか…?」
 「ん?そうか?」
 「では………………始め!」
言ってる間に
アステラルが上に上げていた手を下に振り下げて
腕相撲が始まった!
 「ずおおおおおおっ!?!?ん、んだぁ!?全く動かねぇぞ!?」
 「私とアステラルは鍛えてるかんな!」
 「ラグナってお嬢ちゃん……女将と同じぐらい力があるのかぁ…?」
 「ビレスート……ユクは既に限界のようだが…どうする?ユクはあれでも力はある方だ………力はあるようだぞ…」
 「ふーむ…女将ぃ!あいつと腕相撲してやれねぇか?」
 「どうして私が!?」
 「納得だ……女将ほどの馬鹿力は男にもほとんど居ないからな……」
 「褒めてるのですか!?」
 「まぁそう言わずに頼むよぉ…金とかは払うからさぁ…」
 「ビレスート船長!!いくらお店でも、払って良いお金と払ったらいけないお金がありますからね!?」
 「真面目だな……女将は…」
 「腕相撲はしますけど、手加減ですからね!」
 「うがああああっ!?」
私はユクの手を机へと着かせた!
いやー!腕相撲って力比べには最適なものなんじゃないか!?
 「勝者はラグナですね!」
 「と、とんでもねぇ力だな!?本当に鍛えただけなのかよ!?」
 「本当に鍛えただけだな!」
 「はい、と言っても…私はラグナより力はありませんけどね」
 「次は私が相手らしいです!」
お、女将!?
次の相手は女将なのか!?
 「うっそだろ!?ビレスート、女将は流石にヤバイって!?」
 「女将の馬鹿力はお前さんが一番知ってるだろ…身をもって…」
 「………それ…あの時の下着のことで吹っ飛ばされた話か…?」
 「……ま、変態にしてはよくやった方だろ……」
 「んだと!?ステイル!お前もぶっ飛ばされたいか!?」
 「ユクさん!ステイルさん!お店で喧嘩はやめてください!」
 「…こっちは喧嘩なんてしてないんだが……まぁ引き下がる…」
 「す、ステイルのやろぉぉぉ…!!」
なんだか…冷たいおっさんだなー…ステイルって人……
外に出ちまったけど…良いのか?
 「ステイルのおっさんって何時も冷たい感じなのか?」
 「本当はユクさんと仲が良いのですよ?ただ恥ずかしいだけで…それに、幼なじみのはずですし…」
 「アステラル、幼なじみってなんだ?」
 「小さい子供の頃から一緒に遊んでいた友達のことですね」
 「おぉ!ならアステラルと私も幼なじみだな!」
 「ええ!?ラグナとアステラルさんは幼なじみだったのですか!?」
 「ど、どうしてそんなに驚くのです?」
 「ラグナって…なんでしょう……失礼なのですが…森とか外で暮らしてるような雰囲気の方に対しアステラルさんは貴族などの所で暮らしてるメイドのような雰囲気だったので…あ、本当にこれは私の勝手な事ですからね!?」
 「……は、はははは…」
アステラルはなぜか変な笑いをしていた
どうしたんだ?そんなにおかしいことなのかな?
 「私達は元々、島で暮らしていたぞ!」
 「え?」
 「…ら、ラグナ!?」
 「島でいろんなことを学んで、自給自足で鍛えて来たんだぜ!」
 「なるほどな…さっきの腕相撲での鍛えてるってことは島での暮らしだったのか……サバイバルなんて俺ら海賊でも無理なのに、女二人でやってきたとか…」
 「いや、まだ誰か居るよなぁ…要するに……お嬢ちゃん二人は二人だけで島でずっと暮らしていたのかぁ…?幼なじみつうことは…島に居た時間はそれなりに長ぇはず…子供二人が島で暮らすことなんざ不可能に近いぜぇ…?…島での生活を教えてもらった原住民みてぇな奴らが居るはずだぁ…違うかぁ…?」
 「そ、それは………」
 「おう!私達にいろぉぉぉぉんな!ことを教え……」
 「ラグナ!!」
なぜかアステラルは私の頭を持って
後ろ向きに向かせた
 「ダメですよ…!ホワードさんのことを教えたら……」
なんで小さい声で喋ってるんだろう?
 「どうしてだ?」
 「ホワードさんは王国の守護神……いくら長い時間が過ぎたとはいえ…知ってる方は知っているはずです…教えたらホワードさんも私達も大変なことになりますよ…!当時の事件も知ってる人は居るはず…特にあのビレスートさん……明きからに知っているようですし…」
そういえば…王国で守護神ってのは凄いんだっけか?
名前は教えてくれたけど…結局、顔は一度も見えなかったし…
相当、ヤバイ所に居たんだな…ホワードのおっさん…
しゃーない!秘密にしておこう!
 「わかった!秘密にしとく!」
 「はぁ…」
 「おーい…?もう話をして良いかぁ…?」
 「おう!確かに、私達に生き方を教えてくれた人は居る!けど、悪い!教えることは出来ないや!」
 「ほぉ……まぁ女将…腕相撲を頼むわぁ……」
 「では、やりましょうか!」
私と女将は机の上で手を組み合う
 「準備は良いですか?」
 「何時でも良いぜ!アステラル!」
 「此処の店の店長として負けたりはしません!」
 「では………始め!!」
 「うおおおおおっ!!」
私は女将の手を机まで動かそうとするけど……
 「な、なんだ!?女将の手……凄い力があるぞ!?」
 「力に自信があるのは他に居ますよ!」
全力を出して女将の手を動かそうとしてるけど
すげぇ…すげぇ!!
全く動かせないや!
 「ラグナでさえ動かせないなんて…シャースさん……何者なのですか…!?」
 「女将は生まれつきの馬鹿力なんだよ。いくらあのラグナって野郎が鍛えてても、女将の力はやべぇーよ…大男60人を軽く吹っ飛ばせる力なんてあるからな!」
 「す、凄いですね…」
 「けどよ、ラグナって野郎もすげぇな…普通なら1秒も掛からず倒されてるのに…女将から既に一分は持ちこたえてるんだからよ!本当に鍛えただけなのか!?」
 「力仕事……採用だな……言えるだけのことはあるようだなぁ…」



 おおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!



いつの間にか、周りの海賊のおっさん達が
凄い声で賑わっていた
 「せいや!」
女将が一気に私の手を動かして……




バキッ!ドオォオオオン!




机を割って、手は床に着いちまった!
 「うおっ!?すげぇな!!」
 「あ……す、すみません!大丈夫ですか!?」
 「ラグナ、大丈夫ですか?」
 「へーき!それより、あんな力をどうやって出したんだ!?鍛えたのか!?」
 「わ、私は………小さい頃から…力があって…」
 「すげぇ!私は小さい頃なんてそんなに力なんて無かったからなー!」
 「ら、ラグナも十分にありますよ!あんなに長い時間したのはラグナさんだけです!」
 「二人とも、凄かったですよ!」
 「よぉし………力仕事は大丈夫そうだなぁ……」
    「海賊になれそうか!?」
 「まぁだ海賊かはわかんねぇが……ま、その辺りは後に教えるとしてぇ…力があるなら採用だぁ…」
 「……………」
 「あ、あれ?ラグナ?」
やった………
私……ようやく…ようやく……!
 「……………やった……!やったぜええええええっ!!」
 「やりましたね!ラグナ!」
 「まぁ喜べぇ…今日からお前さんは海賊だぁ……みっちりと仕込んでやらぁ……覚悟しとけぇ!」
 「おう!!」
よっしゃあぁ!今日から海賊としての試練かぁー!
ワクワクするな!
 「さてぇ…次はそっちの白い髪…アステラルのお嬢ちゃんかぁ……」
 「私も腕相撲でしょうか?」
 「………………いや、お嬢ちゃんは良い…採用だぁ……」
 「……え?」
お!アステラルも海賊かぁ!
でも、なんで何もなしになんだ?
 「どうして私には何も…」
 「さぁてなぁ…」
 「ビレスート、また気分を斜めにしたか?」
 「…………女将、こいつは会計だぁ…」
ビレスートのおっさんは女将の机にお金を置いた
お金って…小さいんだな!
 「あ、は、はーい!また来てくださいね!」
 「終わったらなぁ………」
そのまま、ビレスートのおっさんは外に出ちまった
……海賊になれたのは嬉しいけど
アステラルのこと……おかしいと思った
 「…アステラル、良かったな!」
 「そ、そうですね……」
アステラルだって…同じ試練を越えてきたのに…
どうしてなんだ?
 「ま、これからはよろしく頼むな!俺はユク、ビレスートとステイルとは長い付き合いだ」
 「おう!これからいろんな事を教えてくれよな!」
 「よろしくお願いしますね」
 「さぁーて!今は飲むぞぉ!」
 「お、ビールをまだ飲めるのか!?」
 「ユクさんもラグナもアステラルさんも、飲み過ぎはダメですからね!」
 「なんで私も!?」
 「アステラルも飲もうぜー!」
 「海賊になったんだ、飲むしかないだろ!」
私はユクのおっさんと一緒に
海賊達の中へと腕を引っ張って引き込む
 「ま、待ってください!?わ、私はお酒はダ……うわあああっ!?」
そのまま、アステラルを投げ入れた!
 「歓迎するぞ!新たな女海賊!」
そして、私達はいっぱぁぁぁい!ビールを飲んだ!











 「………そういえば、ビレスートの機嫌が悪くなるの…貴族が関わった時ぐらいだな…」




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

赤い部屋

山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。 真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。 東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。 そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。 が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。 だが、「呪い」は実在した。 「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。 凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。 そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。 「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか? 誰がこの「呪い」を生み出したのか? そして彼らはなぜ、呪われたのか? 徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。 その先にふたりが見たものは——。

処理中です...