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第一章 異世界のアルコータス

報復 第一章完

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 一夜が明けた。
 沈んだ雰囲気で朝食が終わり、アルバの一日が始まる。
 団長はトゥリーがやってくると、一緒に出かけてしまった。
 ザッカラントの件で軍本部へ行ったのだった。
 他の自警団の団長を交えての大規模な会議があるそうだ。
 クラウパーもいない。
 昨日の夜、病院へ連れていってから、そのまま入院している。
 同じく負傷したアデーレは入院を免れた。
 しかし右腕を三角巾で吊っていて、その姿は痛々しい。
 鎧をつけられないものだから、気弱そうな下がり眉でおどおどと食事をするしかなかった。
 ペルチオーネも姿を消していた。
 戦いのあと、今後の襲撃に備えて、ペルチオーネを身につけて過ごすことにしていた。
 今も腰に吊るしているし、鞘にもきちんと収まっている。
 だが、ソードリングのほうは出てこない。
 空間移動や、結界破壊、実体を現さない状態での世界への干渉が、莫大なエネルギーを消費させたのだという。
 俺はザッカラントに負けたとは思っていない。
 むしろ、今回も撃退してやったと鼻高々なくらいだ。
 残念なことに、そんなふうにとらえているのは俺だけだった。
 アルバ全体では敗北感が勝り、心身ともにダメージを受けているような状態だ。
 俺の反対側の端に座っているヒサメが、紅茶を一口すする。
 それを飲み下してからつぶやいた。
「なにか、手を打たねばならんのだろうな」
 ヒサメには珍しく、半ば諦めたような口調だ。
 それに応えて、マトイが唇を尖らせる。
「でも、アタシたちモンスターには無敵だよ? これ以上どうすればいいの? 武器が通用しないんじゃ、戦いようがないよ」
 気弱モードのアデーレが、心底申し訳なさそうに加わる。
「すいません、ごめんなさい、わたしが足を引っ張っちゃって。鍛錬不足です、ごめんなさい」
 ナムリッドが慰めを口にする。
「アデーレだけじゃないわ。相手が悪いのよ、異世界から来た超人なんだから。考えたこともなかったけど、タケツネと戦うようなものね。向こうが年上な分だけ、余計たちが悪いわ。わたしたち、タケツネが相手だったとしても軽く全滅しちゃう」
 俺も口を出さずにはいられなくなった。
「そんなこと言うなよ、ナムリッド。俺がみんなの敵に回るわけないだろ? みんなにはどれだけ恩を感じてるかわからないくらいだよ。ザッカラントには俺と団長で対応する。みんなが無理をする必要はないんだ」
「そうは言うけどねー、わたしたちにとっては大きな自信喪失よ。いままで、ほとんど怪我人も出すことなくやってきたんだから」
 そこへネコミミコックのロシューがやってきた。
「ちょっといいか?」と、口を挟んでくる。
 ロシューはシャツにズボンというラフな格好だが、リュックを背負い、右手に膨らんだバッグを持っていた。
「タネツケ、昼食と夕食の準備を手伝ってやってくれないか。段取りはイリアンがわかっている。俺はクラウパーの世話をしに病院へ行くから」
「あ、そうか。そうだよな。わかった、任せてくれ。もう始めたほうがいいのかな?」
「そうだな。料理が得意ってわけじゃないだろう? 人数が多いからな」
 俺は椅子から立ち上がりながら言う。
「じゃ、クラウパーによろしく。長引くようなら俺もお見舞いに行くからさ」
「わかった、伝えておく」
 ロシューは出入口に向かった。
 俺はキッチンへ足を向ける。
 背後ではマトイの大きな声がした。
「アルバで借金してさ、魔法の武具を買いそろえようよ。みんなの分」
 ヒサメの声が応える。
「とりあえず、それしかないかもしれないな。金はどうにかできるとして、肝心の品物が……」
 やいのやいのと相談する声から離れて、キッチンに入る。
 ネコミミメイドのイリアンが、シンクでじゃがいもを洗っていた。
 俺は声をかける。
「なにをすればいいんだ、イリアン?」
 イリアンの耳がぴくりと震えた。
 こちらを振り向かずに言う。
「ロシューのエプロンがありますから、使ってください」
 突き放すような口調だ。
 この前の裸リボンパーティーから、イリアンとの関係はちょっとギクシャクしている。
 俺は緑のガリアンズ・クロークを取り、白いエプロンを身につけた。
 ガリアンズ・クロークを置く場所を探していると、不意に感慨がこみあげる。
 この緑色のマントも、もうあちこち穴が開いている。
 買ってから、まだそんなに日が経ってないのに。
 こんなヤワな品物じゃないそうだが、俺の関わった戦いが激し過ぎるのだった。
 いつだか、ペルチオーネが言っていた。
「波乱と混沌を呼ぶからマスターに選んだ」と。
 確かにそうなのかもしれない……。
「んっん、コホン!」
 イリアンの咳払いに振り返る。
 イリアンは頬を赤らめながら顔をそむけ、ピーラーを差し出してきた。
「まずはじゃがいもの皮むき!」
「いいとも」
 俺はクロークを置くとピーラーを受け取り、じゃがいもの皮をむきはじめた。

 ☆☆☆

 じゃがいもの皮をむき終わるころ、マトイの呼ぶ声がした。
「タネツケ、ちょっと来て!」
 イリアンが頬を膨らませて顔をそむける。
「どうぞっ! ゆっくりしてきてくださいっ!」
「すぐ戻るよ」
 俺はそう言ってから、みんなのいる食堂へ向かった。
「なんだよ、マトイ、こっちは忙しいんだぞ……」
 そこまでで言葉が詰まる。
 見知った客が来ていた。
 客は俺を見ると、ぺこりと頭を下げる。
「昨晩はたいへんお世話になりました」
 昨日、ザッカラントに首を切り落とされた夜間図書館のメイドさん、シャルロッテだった。
「もういいのか……?」
「はい。長が一晩かけて治してくれました」
 シャルロッテは赤い唇で微笑む。
 首には真一文字の傷口が残り、細い銀の鎖で縫い合わされていた。
 ボディステッチになっているが、この銀髪メイドさんには似合っている。
 シャルロッテは言った。
「わたくしはザッカラントを追って旅に出ます。本を取り戻すために。その前に、みなさんにお話しておくよう、長に命じられて来ました」
 ナムリッドが着席をすすめる。
「じゃあ座って、シャルロッテ。タケツネも」
 シャルロッテにはトゥリーの席に座ってもらい、俺はいつもの席に着く。
 シャルロッテはすぐに本題に入った。
「まず、昨日ザッカラントに盗まれた本ですが。『扉をくぐるもの』という童話のオリジナル原本です。元気な男の子が様々な異世界への扉をくぐって大冒険するという内容の本です」
「どうして童話なんか……」
 俺たちは合いの手がわりに疑問を口にする。
 シャルロッテは続けた。
「普通に読む限りは童話なのですが、じつのところ、ある種のブルート・ファクツを開放する魔導書でもあるのです、オリジナル原本は。あの男はそれを知っていて、力を利用するつもりなのでしょう」
 ナムリッドが訊ねる。
「どんな魔法なの? わたしなんかちっとも知らなかったけど……」
「それが、童話の内容にも関連があるものです。強大な魔力を用意すれば、異世界への通路が開ける、そのような魔法です」
 俺たち、アルバのメンバーは目配せしあった。
 シャルロッテは知らないが、ザッカラント自身が異世界から来た人間だ。
 あいつが異世界への扉を開いて、この世界から去るとは思えない。
 この世界を支配したがっているのだから。
 俺は言った。
「あいつはこの世界を支配したがっていた。異世界への扉を開いて去っていくとは思えない。使うなら、こっちへなにかを呼びこむつもりだ」
 シャルロッテの赤い瞳が向けられる。
「そうですか。あなたがそう言うのならその可能性が高いのでしょう。それを聞いて少し安心しました。時間が多くなるのです」
「と、いうと?」
「通路を開くこと自体、大きな魔力が必要なのですが、こちらからものを送るより、召喚するほうがはるかに膨大なコストがかかるらしいのです。ザッカラントがどのような方法を取るにしろ、召喚が目的なら、準備により多く時間がかかるはずです。そのあいだに居所を突きとめて本を取り返します」
 俺は再び、みんなと目配せしあった。
 ここは出来る限り協力しなければならない。
 ことによっては、俺がシャルロッテの旅につきあうべきかもしれない。
 俺は言った。
「じつは、俺とザッカラントは同じ境遇の身の上らしいんだ。そのわずかなつながりで、あいつの大まかな居場所がわかるかもしれない」
 もちろん、ミスズを頼るつもりだった。
 シャルロッテは目を輝かせる。
「わたくしも、そのようなお話が聞けることをいくばくか期待しておりました」
 襟元に手を入れ、なにかを取り出す。
 トークタグだった。
「このようなものを用意してまいりました。よろしければみなさんのものと同期して……」
 シャルロッテの言葉は、間の抜けた声にさえぎられた。
「ごめ~ん、マスター。寝てたから気づかなかった~。あいつ、気配を消してたうえに、作業が早いんだものー」
 俺の後ろで、銀黒のパジャマを着たペルチオーネが目をこすっていた。
「なんの話だ?」
 ペルチオーネは緊張感もなく答えた。
「ザッカラント。外」
「!」
 まさか、昨日の今日でやってくるとは考えもしなかった!
 よりによって団長がいないときに。
 トゥリーもクラウパーもロシューもいない。
 アルバの女性陣が頼りになるとはいえ、男は俺一人だけという状況だ。
 俺はエプロン姿だが、ペルチオーネは身につけていた。
 椅子を蹴って立ち上がり、出入口へ向かう。
 シャルロッテも続いた。
「この傷の仕返しをいまッ!」
 ほかのみんなも壁の武器を取りに走る。
 食堂の両開きを通ると、もう異変に気づいた。
 出入口のガラスドアの向こうは、透き通った黄色い世界だ。
 透明な黄色い壁の向こうには、本を手にした白いスーツのザッカラントが立っていた。
 顔はイレズミだらけに戻っている。
「いくぞ、ペルチオーネ」
「え~」
 不服そうな声を無視して剣を引き抜く。
 ソードリングの姿は消えた。
 俺はガラスドア越しにザッカラントをにらみつけながら、ゆっくりと扉を開いていく。
 ザッカラントはいやらしくニヤニヤ笑いながら、こっちを見ているだけだった。
 外へ出てみると、アルバの建物全体がぐるりと黄色い壁で囲まれていた。
 上もだ。
 空は黄色のフィルター越しだった。
 どこからか、強い風が吹きつけて、建物の回りを巡っている。
 ザッカラントは一人じゃなかった。
 竜の頭をした人型の影が、等間隔でアルバを包囲し、腕をあげてゆらゆらと揺らしている。
 俺は用心しながらザッカラントへ話しかけた。
「また痛い目にあいに来たのか? 性懲りもなく」
 ザッカラントは白い歯を見せる。
 声はクリアに届いた。
「俺もバカじゃないからな。おまえを殺すことは諦めた。だが、この世からは消えてもらう。意味がわかるか?」
 俺にはわかった。
 隣のシャルロッテにもわかっただろう。
 本を使って異世界への通路を作り、俺たちを飛ばすつもりだッ!
「そうはさせない!」
 俺はペルチオーネを振るって、黄色い結界に叩きつける。
 耳をつんざく音が響き、普通じゃない反発力があった。
 俺は弾き飛ばされ、背後のガラスドアを突き破った。
 ちょうど出てくるところだった女性陣の真ん中に転がり込む。
「きゃーっ!」
 ナムリッドが叫ぶ。
「だいじょうぶ、タネツケ!」
 マトイとヒサメが立ち上がらせてくれた。
 アデーレも左手にモーニングスターを持ってきていたが、泣きそうな顔で震えていた。
「だめだ……、あいつには勝てない、勝てないよ……」
「アデーレ! おまえは奥で休んでいろ! 俺がカタをつけておく!」
 イリアンも出てきた。
「いったいどうしたんですか?!」
 俺はイリアンに言った。
「アデーレを見ていてくれ!」
 アデーレがイリアンにすがりついて泣き崩れるのを尻目に、俺は再び外へ出た。
 シャルロッテがみんなに状況を説明するなか、俺はザッカラントに挑んだ。
「うまくいくと思うなよ! おまえの企みを阻止するのが俺の運命だ!」
「ハハハハッ! おまえがいつ、俺の計画を阻んだ? 最初の戦いか? あのとき、おまえが来た時点で、すでにおまえは負けていた!」
「どういう意味だッ?!」
「俺はエッジワンを潰せればそれで良かった。あとの戦いはついでにどこまでいけるか試しただけだ。おまえが顔を見せたころには、俺の目的は終わっていた。本はどうだ? 本も手に入れたぞ」
「負け惜しみだ! 俺は確実に、おまえの計画を狂わしている! 俺の前に出てこなければいいものを、わざわざ尻を叩かれに出てくるくせに!」
 ザッカラントの笑みが消えた。
「言うじゃないか、カスの分際で。確かにおまえが邪魔だ。消えてもらう。行き先は知らんぞ。虚無の彼方へ吹き飛べばいい」
 ザッカラントの目が光を放ち始めた。
 手に持った本のページが、ひとりでにゆっくりとめくれていく。
 影の竜人たちが腕をゆらし、奇怪な声で歌い始めた。
 風が強さを増し、自警団本部の外壁が軋みだす。
 ナムリッドが一歩進み出た。
「わたしに手があるわ。魔法を打ち消す魔法を叩き込む。タケツネ、力をわけて」
 俺の右側に立ち、左手を伸ばしてくる。
 俺はペルチオーネを左手に持ちかえて、ナムリッドの手を握った。
 反対側で、シャルロッテもナムリッドに手を差し出す。
「わたくしの力も使ってください」
「そのほうが心強いわね」
 ナムリッドは白いスタッフを捨て、シャルロッテの手を握った。
 俺たち三人の後ろでは、マトイとヒサメが武器を構えて守ってくれていた。
 ナムリッドが号令を出す。
「いくわよ! 呼吸を合わせて!」
 ナムリッドの足元に魔法陣が広がり、目が金色に輝く。
 俺も魔法陣を展開した。
 自分の意志を持たず、集めた力をナムリッドへ送り込む。
 シャルロッテの足元にも魔法陣が現れていた。
 ブルート・ファクツの確かなうねりが俺たち三人を包み、一つになった。
 力の奔流がナムリッドから放出される。
 ビシリと。
 目の前の黄色い壁に亀裂が入った。
 壁の向こうで、ザッカラントの持った本が、炎を立てて燃えあがる。
 勝ったッ!
 俺はそう誤解してしまった。
 そうじゃなかった。
 本が燃えあがったのは、術が完成した証だった。
 ザッカラントが首をのけぞらせて笑っている。
 空間がねじれ、俺たちの身体を絞った。
 悲鳴をあげる間もなく、ねじ切られる。
 アルバの本部も崩壊した。
 この瞬間、俺たちはこの世から消し去られたのだという……。
 
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