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一人の少年
プロローグ
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僕は独りだった、目が覚ましてからずっと。
そこは、殺風景な部屋だった。
やたら甲高い電子音が規則的に鳴り響く。
からだを起こそうとしても、何かに縛られた感覚に襲われ、首を動かすこともできず、ただ白い天井を見上げていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
何時間、いや何日経ったのだろう。
首はある程度動かせるようになり、僕はこの殺風景な部屋の詳細を知れるようになっていた。詳細と言っても、甲高い電子音の正体は心電図モニターであること。そのほかにはよくわからない装置と点滴をするための道具がこの部屋にはあった。
こんな何もない病室にはたまに来客がある。来客と言っても、それは分厚い防護服に包まれた、声や顔、性別、人間かさえも分からないただの物体であった。その物体に何か情報を求めようと叫んでも、その物体は何のリアクションをもせず、自分の隣にある点滴を変えて、部屋を出ていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おはよう。いい夢は見れたかい?」
最後にあの物体が部屋から出て行ってから秒が経つときに、そういって話しかけてきたのは、白い服に包まれた20代くらいに見える人間であった。
「君の命は救われた、この僕の手によってね。そう、君は生まれ変わったんだ。あと30分で君は君の体を縛る拘束から解き放たれる。そこからは君の自由だよ。」
「ま、待ってくれ!僕はい、いったい誰なんだ!」
何もわからず、この450日近く経って感じている素朴な疑問を謎の人間に問いかけた。
「そうか、君は記憶がないのか。そうか、そうか。君はとても面白くなりそうだ。」
謎の男は、クククと不気味に笑う。そして
「では、頑張ってくれたまえ。」
そういって、謎の人間は消えていった。
「何を頑張れっていうんだ。」
そして、謎の人間が部屋を出てからきっかり30分後、僕の体を縛る金具が外れ、僕は自由の身になった。
そこは、殺風景な部屋だった。
やたら甲高い電子音が規則的に鳴り響く。
からだを起こそうとしても、何かに縛られた感覚に襲われ、首を動かすこともできず、ただ白い天井を見上げていた。
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何時間、いや何日経ったのだろう。
首はある程度動かせるようになり、僕はこの殺風景な部屋の詳細を知れるようになっていた。詳細と言っても、甲高い電子音の正体は心電図モニターであること。そのほかにはよくわからない装置と点滴をするための道具がこの部屋にはあった。
こんな何もない病室にはたまに来客がある。来客と言っても、それは分厚い防護服に包まれた、声や顔、性別、人間かさえも分からないただの物体であった。その物体に何か情報を求めようと叫んでも、その物体は何のリアクションをもせず、自分の隣にある点滴を変えて、部屋を出ていく。
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「おはよう。いい夢は見れたかい?」
最後にあの物体が部屋から出て行ってから秒が経つときに、そういって話しかけてきたのは、白い服に包まれた20代くらいに見える人間であった。
「君の命は救われた、この僕の手によってね。そう、君は生まれ変わったんだ。あと30分で君は君の体を縛る拘束から解き放たれる。そこからは君の自由だよ。」
「ま、待ってくれ!僕はい、いったい誰なんだ!」
何もわからず、この450日近く経って感じている素朴な疑問を謎の人間に問いかけた。
「そうか、君は記憶がないのか。そうか、そうか。君はとても面白くなりそうだ。」
謎の男は、クククと不気味に笑う。そして
「では、頑張ってくれたまえ。」
そういって、謎の人間は消えていった。
「何を頑張れっていうんだ。」
そして、謎の人間が部屋を出てからきっかり30分後、僕の体を縛る金具が外れ、僕は自由の身になった。
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