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第52話
親友からの電話
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翌朝、私は冷蔵庫を開けてビックリする。空っぽだった冷蔵庫が大量の食品で
埋め尽くされていたからだ。何だか春陽社長の愛を感じてしまった、、、
私は人差し指で『どれにしようかな』と迷った結果、プリンを選んで手に取った。
「それじゃ社長、遠慮なくいただきます」
パクリ。口の中で甘みのあるプルルンとしたプリンの感触が溶けてなくなった。
「―――ん、美味しい、、、」
幸せを感じる、、、、、、
とはいえ、片想い続行中だ。
まさか、初恋の男の子が春陽社長の息子さんだったとは……
少し戸惑い驚いている、、、
これは、もしや運命のイタズラか、、、、
私が春陽社長に惹かれているのは翔流君に似ているから?
それとも母の好きだった人だから?
支度を終えて部屋を出た私はエレベータ―で1階まで降りるとエントランスを
掃除している管理人さんと会った。
「管理人さん、おはようございます」
「ああ、津山さんおはようございます」
「昨日、結婚記念日だったんですね」
「ああ、この歳になって恥ずかしいですが…妻と別れても結婚記念日は
一緒に食事をしようって約束していたもんでね」
「とても素敵です。昨日は遅かったんですか?」
「ああ、いや…9時30分過ぎには帰ってきたよ」
「そうだったんですね」
「春陽に留守番を頼んでいたからね。まあ、別にたいした仕事もないから
忙しいなら別に来なくていいって言ったんだがな…ついでもあるからって言って…」
「え……」
「昨日、春陽来てたみたいだね」
「あ…はい…」
管理人さんの方がついでだったの?
「津山さんは昨日、春陽と食事だったんだろ? 楽しかったかい」
「はっはっ…どうでしょう…。あ、それじゃ管理人さん、私、そろそろ仕事、
行かないと…」
咄嗟にごまかしてしまった…
別にやましい事は何一つなかったけど……
「そうだね。行ってらっしゃい(笑)」
「行ってきます」
そして、私は早々とエントランスを後にした。
『プルルル…』
カバンから鳴る着信音が振動で伝わってきた。
『…ん?』
私はスマホを手に取り、受話器ボタンのアイコンを押す。
「もしもし…」
『もしもし、萌衣?』
「え、恵衣子?」
『うん、今日、7時から、大丈夫だよね? 』
「え?」
『同窓会だよ』
「ああ、うん…」
すっかり忘れていた、、、。
『じゃあね…』
「あ、恵衣子… 」
『何?』
「あの…谷野君も来る? 」
『谷野? あのメカオタクの谷野悟志?』
「あ、そう…」
『参加って返信があったから来るんじゃないの』
谷野君も来るんだ、、、
『あ、そろそろ私、仕事行かなきゃ』
「あ、私もだ…」
『じゃあね、萌衣』
「うん。バイバイ恵衣子」
私はスマホの受話器ボタンを押して電源を切る。
空は今日も快晴です。
私は両手を天に伸ばし青空を仰ぐ――――ーーー。
「よし、本日も与えられた業務を頑張りますか―ーー」
その後、仕事モードへと切り替えた私は藤城コーポレーションへと向かう。
爽やかな風が頬をかすめ、進み行く足並みは意外にも軽かったーーー。
そして、萌衣の顔は笑顔で満たされていたーーー。
埋め尽くされていたからだ。何だか春陽社長の愛を感じてしまった、、、
私は人差し指で『どれにしようかな』と迷った結果、プリンを選んで手に取った。
「それじゃ社長、遠慮なくいただきます」
パクリ。口の中で甘みのあるプルルンとしたプリンの感触が溶けてなくなった。
「―――ん、美味しい、、、」
幸せを感じる、、、、、、
とはいえ、片想い続行中だ。
まさか、初恋の男の子が春陽社長の息子さんだったとは……
少し戸惑い驚いている、、、
これは、もしや運命のイタズラか、、、、
私が春陽社長に惹かれているのは翔流君に似ているから?
それとも母の好きだった人だから?
支度を終えて部屋を出た私はエレベータ―で1階まで降りるとエントランスを
掃除している管理人さんと会った。
「管理人さん、おはようございます」
「ああ、津山さんおはようございます」
「昨日、結婚記念日だったんですね」
「ああ、この歳になって恥ずかしいですが…妻と別れても結婚記念日は
一緒に食事をしようって約束していたもんでね」
「とても素敵です。昨日は遅かったんですか?」
「ああ、いや…9時30分過ぎには帰ってきたよ」
「そうだったんですね」
「春陽に留守番を頼んでいたからね。まあ、別にたいした仕事もないから
忙しいなら別に来なくていいって言ったんだがな…ついでもあるからって言って…」
「え……」
「昨日、春陽来てたみたいだね」
「あ…はい…」
管理人さんの方がついでだったの?
「津山さんは昨日、春陽と食事だったんだろ? 楽しかったかい」
「はっはっ…どうでしょう…。あ、それじゃ管理人さん、私、そろそろ仕事、
行かないと…」
咄嗟にごまかしてしまった…
別にやましい事は何一つなかったけど……
「そうだね。行ってらっしゃい(笑)」
「行ってきます」
そして、私は早々とエントランスを後にした。
『プルルル…』
カバンから鳴る着信音が振動で伝わってきた。
『…ん?』
私はスマホを手に取り、受話器ボタンのアイコンを押す。
「もしもし…」
『もしもし、萌衣?』
「え、恵衣子?」
『うん、今日、7時から、大丈夫だよね? 』
「え?」
『同窓会だよ』
「ああ、うん…」
すっかり忘れていた、、、。
『じゃあね…』
「あ、恵衣子… 」
『何?』
「あの…谷野君も来る? 」
『谷野? あのメカオタクの谷野悟志?』
「あ、そう…」
『参加って返信があったから来るんじゃないの』
谷野君も来るんだ、、、
『あ、そろそろ私、仕事行かなきゃ』
「あ、私もだ…」
『じゃあね、萌衣』
「うん。バイバイ恵衣子」
私はスマホの受話器ボタンを押して電源を切る。
空は今日も快晴です。
私は両手を天に伸ばし青空を仰ぐ――――ーーー。
「よし、本日も与えられた業務を頑張りますか―ーー」
その後、仕事モードへと切り替えた私は藤城コーポレーションへと向かう。
爽やかな風が頬をかすめ、進み行く足並みは意外にも軽かったーーー。
そして、萌衣の顔は笑顔で満たされていたーーー。
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