ニアの頬袋

なこ

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ラルフside

8 少しR的

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※少しだけ性的表現があります。ラルフは少し変わった性癖です。






その日家に帰ったラルフはベッドに腰掛けると、自分の一物と睨み合った。

昼は確かに反応したのだ。

あんな真っ昼間に、外で。

目の前にいたのは、ただ昼食を食べていただけのニアだ。

その時の様子をゆっくりと思い浮かべる。

自身の手で触れている訳でもないのに、ゆっくりとそれは立ち上がる。

ゆで卵を口に含んだニアの丸い頬を思い浮かべると、それは完全に起立した。

小さなその口にこれを咥えさせたら、一体どんな顔をするのだろうか。

うまそうに喰いつき、舐め上げ、白濁を口いっぱいに丸く含んで飲み干し、

「もう、こんなに、たくさん…」

そう言ってラルフを睨め上げるニアの姿に、

ラルフは果てた。

ふっ、

思わず笑いが口に出る。

ニアとまともに話したのは今日が初めてだ。

よく目にするなとは思っていたが、どうやら勘違いしていたようだ。

自分の目が無意識の内にニアを追いかけていたことに、ラルフは気がついた。

面白い。

ラルフは自分でも自覚があるぐらいにモテた。

女も男も、いくらでも見目の良い者が向こうから近づいてきた。

若い頃は気の向くままに遊び、束縛されることを嫌い、割り切った関係でいられる者だけを選んできた。

流石に団長となってからは自制しているが、それでも相手に困るようなことはない。

そんな自分が、ニアの姿に途轍もなく欲情している。

すでにまた緩やかに立ち上がってきた。

ニアのラルフに対する無関心さも、面白い。

あれを自分だけのものにして、頭からつま先まで食べてやったら、どれだけうまいだろうか。

ラルフは生まれて初めて独占欲と劣情という感情を抱いた。

ゆっくりと落とし、必ず手に入れる。

他の騎士たちに奪われる訳にはいかない。

どうやって囲みこんでいこうか。

二人だけの秘密を思い出し、ラルフはニヤリと笑った。

秘密を共有できたのが自分だったことに幸運を感じる。

…まずは、餌付けからか。

厨房にいるシェフを呼び出し、明日から二人分の昼の用意をしておくよう命ずる。

シェフは二人分と言われ、少し不思議そうな顔をしたが、腕によりをかけるよう追加して命じた。



案の定。ニアは、ラルフの持ち込む昼食に興味を示してくれた。

「うわあ、すごい、豪勢ですね。」

少しだけ恥ずかしそうに自分の昼食を隠そうとするニアがかわいい。

食べきれないからと、無理矢理ニアに食べさせると、美味しいと口いっぱいに頬張ってくれる。

代わりにニアの作った昼食を食べたいと言うと、戸惑いながら渡してくれる。

ニアが作ったと思うだけで、ラルフの顔は自然と綻ぶ。

「よく食べるなあ。」

「変れふか?」

「いや。わたしは好きだぞ。」

「団長って、変わってまふ。」

「そんなことはないと思うが。さあ、まだあるから沢山食べてくれ。」

ニアの食べっぷりはいつまで見ていても飽きることがない。

上半身の穏やかさとは別に、テーブルの下ではラルフの下半身が脈打つ。

次はどう囲い込もうか。

ニアが早めに出勤し、事務室の清掃や整理整頓をしていることはすでに把握済だ。

まずは朝から囲い込もうかとラルフは思い巡らす。

夜はおいおいだ。

「ニア、美味いか?」

「はい。とても美味しいです!」

「そうか、ニアの作ったこれも美味いぞ。」

「団長の昼食と比べたら…。」

「本当に美味い。ニアもきっと…。」

「…え?なんですか?」

「いや、何でもない。」

ニアもきっと、美味いのだろうな…。

なんとか下半身を落ち着けようとするが、いかんせん食べているニアを前にすると言うことをきかない。

ラルフをこんな風にできるのはニアだけだ。

ニアに夢中で、ラルフは気がついていなかった。

離れた所から、ノエルが憎々しげに二人の様子を見つめていたことになど、全く。












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