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第4章
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***⚠️閲覧注意⚠️陵辱表現があります***
教会に保護されているという『孕み子』の噂を元に、多くの貴族達がリオに一目会おうと訪れてきた。
皆、リオを見ると、がっかりした顔をして帰って行く。
日に焼けた肌は、いつも土に塗れているし、その身体は小柄ではあるが、適度に筋肉がついてしなやかだ。薄茶色の髪は伸ばしっぱなしで、顔もよく見えない。
「孕み子だと言うから、ついユアン様のような姿を想像してしまったが、、、やはり、あの方は特別なのだな。…今回の話しは、なかった事に。」
いつも言われることは同じだ。
誰もリオを選ばない。
リオは15歳になると、定期的にある薬を服用させられるようになった。
発情を抑える薬だ。
より強い雄の子種を求めて、『孕み子』たちは、子を成す準備が整うと、男たちを誘うような匂いを発し、子種が得られなければ、さらに発情してしまう。
望まぬ妊娠を避けるため、不用な発情を抑えるように、彼らは教会から与えられるその薬を、定期的に接種しなければならない。
リオは、自分の身体が変わっていく感じが恐ろしい。
訪れる貴族達の前では顔を隠す様にしているが、伸ばしっぱなしの髪の奥には、薄茶色の大きな瞳が隠れている。その瞳は、見る者の庇護欲や嗜虐心を煽るかのように、いつも潤んでいた。
共に暮らす子どもたち、とりわけ、リオより年上の男たちがリオを見る目には、いつしか欲が孕む様になり、リオはその目が嫌だった。
ある日の夜。外は朝から嵐で、リオは1人寝台の中で、小さく蹲っていた。
叩きつける雨音や、強風の音、遠くには雷鳴も鳴り響いている。
他の子と違い、リオだけ個室があてがわれている。1人が怖く、リオはただ早く嵐が過ぎればいいと、それだけを考えていた。
扉が開く音に、リオは全く気がつかない。
急にのしかかる身体の重みに、目を開くと、いつも嫌な目でリオを見てくるエドがそこにいた。
驚いて、声を上げようとするリオの口を左手で塞ぐと、エドは興奮した様子でリオの首筋にねっとりと、舌を這わせてきた。
「ずっと、この機会を待ってたんだ。孕み子は、すげえ、具合がいいらしい。」
右手がリオの胸元をまさぐり、小さな突起に触れると、リオは小さく震えた。
「黙って大人しくしてれば、気持ち良くしてやるから。お前も、こうされるのが好きなんだろ。」
突然の出来事に声を失い、固まって動けなくなったリオを見て、エドは下卑た笑みを浮かべた。
リオに抵抗する様子がないと判断したのか、エドは塞いでいた左手を離すと、リオの胸を手で撫でつけたり、舌を這わせて舐め上げ始めた。
薄い桃色の突起は、エドが舐め上げるたびに、ぷっくりと大きさを増し、エドの興奮を掻き立てた。
「孕み子は、ここもこんなに、いやらしいんだな。」
リオは、ただ怖くてたまらなかった。嫌だ。嫌だ。そう思うのに、声が出ないし、体だけが、熱を帯びて反応していく。
ガリっと、突起を噛まれて、リオは息を呑んだ。
「っ!」
潤んだ薄茶の瞳が、怯えて震えるのを見て、エドはますます興奮した。
リオの性器へと、エドの手が伸びる。
「っ!や、やめろ!」
リオの初めての抵抗に、エドは顔を顰めると、その頬を殴った。
「黙って大人しくしていればいいって言っただろ。せっかく優しくしてやろうと思ってたのに。」
「あ、や、やめ!」
ぎゅっと性器を握られ、リオの顔が痛みに歪む。
「さあ、孕み子の中が、どんな具合なのか、楽しみだな。」
…もう、だめだ。
のしかかるエドは、リオの力では敵う相手ではない。
こいつは、俺の求める誰かじゃないのに。
リオが諦めたかけた、その時、
凄まじい音と地響きに、
院内のあちこちから、叫び声があがった。
パタパタとシスターたちの走り回る音が近づいてくる。
どうやら、近くに雷が落ちたらしい。
シスターの近づく音に、ちっ、と舌打ちすると、エドは慌てて部屋を出て行った。
殴られた頬が痛い。
リオの瞳から、ぽろぽろと、涙が溢れ出た。
リオの求める誰かは、本当にいるのだろうか。いるのならば、今どこで、何をしているのだろう。
今日は、たまたま助かった。
でも、次は助かるとは限らない。
これからも、ずっとこんなことが起こるかもしれないと思うと、リオは恐ろしくて、たまらない。
翌日、シルビオから、シルビオのいる花屋で働かないかと手紙が届いた。
リオは、引き止めるシスターを説得し、これまでの感謝を述べると、
そこから逃げるように、シルビオの元へと去って行った。
教会に保護されているという『孕み子』の噂を元に、多くの貴族達がリオに一目会おうと訪れてきた。
皆、リオを見ると、がっかりした顔をして帰って行く。
日に焼けた肌は、いつも土に塗れているし、その身体は小柄ではあるが、適度に筋肉がついてしなやかだ。薄茶色の髪は伸ばしっぱなしで、顔もよく見えない。
「孕み子だと言うから、ついユアン様のような姿を想像してしまったが、、、やはり、あの方は特別なのだな。…今回の話しは、なかった事に。」
いつも言われることは同じだ。
誰もリオを選ばない。
リオは15歳になると、定期的にある薬を服用させられるようになった。
発情を抑える薬だ。
より強い雄の子種を求めて、『孕み子』たちは、子を成す準備が整うと、男たちを誘うような匂いを発し、子種が得られなければ、さらに発情してしまう。
望まぬ妊娠を避けるため、不用な発情を抑えるように、彼らは教会から与えられるその薬を、定期的に接種しなければならない。
リオは、自分の身体が変わっていく感じが恐ろしい。
訪れる貴族達の前では顔を隠す様にしているが、伸ばしっぱなしの髪の奥には、薄茶色の大きな瞳が隠れている。その瞳は、見る者の庇護欲や嗜虐心を煽るかのように、いつも潤んでいた。
共に暮らす子どもたち、とりわけ、リオより年上の男たちがリオを見る目には、いつしか欲が孕む様になり、リオはその目が嫌だった。
ある日の夜。外は朝から嵐で、リオは1人寝台の中で、小さく蹲っていた。
叩きつける雨音や、強風の音、遠くには雷鳴も鳴り響いている。
他の子と違い、リオだけ個室があてがわれている。1人が怖く、リオはただ早く嵐が過ぎればいいと、それだけを考えていた。
扉が開く音に、リオは全く気がつかない。
急にのしかかる身体の重みに、目を開くと、いつも嫌な目でリオを見てくるエドがそこにいた。
驚いて、声を上げようとするリオの口を左手で塞ぐと、エドは興奮した様子でリオの首筋にねっとりと、舌を這わせてきた。
「ずっと、この機会を待ってたんだ。孕み子は、すげえ、具合がいいらしい。」
右手がリオの胸元をまさぐり、小さな突起に触れると、リオは小さく震えた。
「黙って大人しくしてれば、気持ち良くしてやるから。お前も、こうされるのが好きなんだろ。」
突然の出来事に声を失い、固まって動けなくなったリオを見て、エドは下卑た笑みを浮かべた。
リオに抵抗する様子がないと判断したのか、エドは塞いでいた左手を離すと、リオの胸を手で撫でつけたり、舌を這わせて舐め上げ始めた。
薄い桃色の突起は、エドが舐め上げるたびに、ぷっくりと大きさを増し、エドの興奮を掻き立てた。
「孕み子は、ここもこんなに、いやらしいんだな。」
リオは、ただ怖くてたまらなかった。嫌だ。嫌だ。そう思うのに、声が出ないし、体だけが、熱を帯びて反応していく。
ガリっと、突起を噛まれて、リオは息を呑んだ。
「っ!」
潤んだ薄茶の瞳が、怯えて震えるのを見て、エドはますます興奮した。
リオの性器へと、エドの手が伸びる。
「っ!や、やめろ!」
リオの初めての抵抗に、エドは顔を顰めると、その頬を殴った。
「黙って大人しくしていればいいって言っただろ。せっかく優しくしてやろうと思ってたのに。」
「あ、や、やめ!」
ぎゅっと性器を握られ、リオの顔が痛みに歪む。
「さあ、孕み子の中が、どんな具合なのか、楽しみだな。」
…もう、だめだ。
のしかかるエドは、リオの力では敵う相手ではない。
こいつは、俺の求める誰かじゃないのに。
リオが諦めたかけた、その時、
凄まじい音と地響きに、
院内のあちこちから、叫び声があがった。
パタパタとシスターたちの走り回る音が近づいてくる。
どうやら、近くに雷が落ちたらしい。
シスターの近づく音に、ちっ、と舌打ちすると、エドは慌てて部屋を出て行った。
殴られた頬が痛い。
リオの瞳から、ぽろぽろと、涙が溢れ出た。
リオの求める誰かは、本当にいるのだろうか。いるのならば、今どこで、何をしているのだろう。
今日は、たまたま助かった。
でも、次は助かるとは限らない。
これからも、ずっとこんなことが起こるかもしれないと思うと、リオは恐ろしくて、たまらない。
翌日、シルビオから、シルビオのいる花屋で働かないかと手紙が届いた。
リオは、引き止めるシスターを説得し、これまでの感謝を述べると、
そこから逃げるように、シルビオの元へと去って行った。
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