腐男子異世界転生して王子になる〜チートになっちゃった僕でゴメンね!〜

優木王

文字の大きさ
上 下
49 / 52
閑話

グイリオとティモシーの師弟関係説

しおりを挟む
「あっ!ティム……」

「やぁ、グイリオ。今日はその花を自然活動部員の委員長なだけに真面目だな」

「アハハ、ティムありがとう。僕は葉力だし、自然のものを大切にしたいから入ったんだ。他の子達は全然やる気なくて困ってるよ」

そんなことを聞いたティモシーは憐れに思い、眉尻を下げた。そして、どうにかしないとなと腕組みした。とそこにルッカが通りかかった。

「グイリオと話してるのか、ティモシー」

「アァ、ルッカ、グイリオが自然活動部のことで悩んでいるんだ」

「どんなことを悩んでんだ?」

ルッカはティモシーとグイリオのいる中庭へと歩み寄った。そして、3人で話し合いをした。


「なるほどな…。これはフィエスタ会全員で話し合いでもするか」

とルッカがティモシーに言った。グイリオは真剣に考えてくれる2人を尊敬の目で見つめた。

そして、ルッカが何か思い出したようで慌てた様子で声を張り上げた。

「俺っ!やばい事業を置いてけぼりにしてたわ!アダン先生にめちゃくちゃにコテンパンにされるわ!」

「そうなのか?コンテンパンにだなんて、大袈裟な。アダン先生はそんな先生じゃ」


とティモシーがルッカに言いいかけたが、ルッカはティモシーの言葉を聞かずに、冷や汗をかきながら、持ってきていた何冊かの大きな魔法書を抱きかかえ、走り去って行った。

「はぁ、全く。ルッカは……」

「ふふふっ、ルッカは相変わらずだね。副会長務めてるのに」

「本当そうだよ。僕が会長やることになったら喜んでたし、僕を追いかけるかのようにあいつ、二次立候補までして副会長の座取って……」

「ルッカはティムのことが好きなんだね…」

「へ?、僕のことが好き。アハハ、違うだろ。あいつは僕のライバルだよ。次の魔力バトル、多分の予想だけど、僕とルッカだと思うんだ」

と神妙な趣きでティモシーはグイリオに話をした。

「次の魔力バトル開催されるのって、小塔院生のお出迎えバトルだよね」

「……そう、それなんだ。アダン先生とユア先生が話しているところを聞いたんだ…」

「…そうなんだ、嫌だな。僕、ティムとルッカがあんなバトル祭やってるところ見たくないよ」

グイリオは目に涙を浮かべ、哀傷を浮かべた。


「……ルッカはアダン先生に魔力強化のことで呼ばれていて、僕はユア先生に呼ばれるんだと思う」

「そうなんだ」

「どっちが勝っても負けても一回切りのバトル祭だ。買った方が、負けた側からのダメージ数の魔力数を貰う」


ティモシーは感傷した様子で伝えた。そして、場を重くさせてしまったことに気付き、ティモシーはグイリオにパッと笑顔を向け言った。


「グイリオ、僕らを心配しなくていいからな。バトル祭しても仲は変わらないから。ちゃんとグイリオを守るお兄ちゃんだよ」

「ティム……」

グイリオは両腕に収まるくらいの植木鉢をギュッと握りしめ、ティモシーの言葉に心丈夫を抱いた。


「グイリオ、自然活動部員のことは任せろ。フェスタ会長としてフィエスタを動かすから!」

とティモシーは活き活きと言い放ち、グイリオを抱き締め、頭をよしよしと撫でた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

クラス転移で神様に?

空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。 目覚めると彼は真っ白な空間にいた。 動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。 神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。 龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。 六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。 神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。 気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

処理中です...