48 / 52
閑話
グイリオ弄ばれる
しおりを挟む
「お花さん、おはよう。今日も元気ですか?僕は元気ですよ~」
グイリオはしゃがみこみ、グイリオが作った葉っぱのジョウロを足元に置き、クサエンジュに話しかける。
とその時、
「葉属性のグイリオくーん、今日も水やりやってんだね~」
「ヤニス…、僕に構わないでよ!花には力がある!植物さんたちを馬鹿にするな!」
「はっ!ヤニス様が馬鹿にするとでも思うのか、グイリオくんはひどいな~」
ヤニスは僕に何を言いたいんだろう。毎日毎日、僕をからかいに来て…。意味がわからない。僕はキッと睨み、立ち上がる。ヤニスは僕の学年一イケメンな王子様と女子から人気なやつ。でも、葉属性の僕の名前をみんなの前で呼んでは馬鹿にするような言葉を言ってくる。ひどいやつ。なんで女子から人気があるのかさっぱり分からない。
ヤニスが僕に近づいてくる。そして、僕の顎を片手で掴み、僕の顔へとヤニスは顔を近付けてきた。
「ヤニ……す………、何するんだ」
「フッ、その顔いいね。ヤニス様の大好物な顔だよ、君は」
はや……く、ティモシー来て、黒魔道士のヤニスにやられちゃうよ。
♡
「ヤニス様が怖いか、グイリオ?」
「こわ…く、ない」
ヤニス様こと俺は可愛い、かわいい、グイリオを愛でてる最中だ。なのに、グイリオは俺を見ては威嚇するような目を向けてくるし、今なんてフルフルと震えてる。
「……フッ、フフフフフフ」
「……っん、なに笑って」
グイリオ、可愛いよ。君は……。男ながらシルバーホワイトの髪色に少しばかり長い髪型が堪らない。
俺はグイリオの口元を覆いたくなる心を上手く隠し、耳元で囁く振りをして、グイリオの頬を赤らめた。
ふふっ、グイリオは俺に弄ばれてればいいんだよ。恥ずかしいと赤らめるグイリオが可愛い。
「グイリオ……」
「っ、なに…」
〚好きだ〛
とこの3文字の言葉を口パクでして見せた。すると、グイリオは喜ばず、俺が好きだと言ったことに気付かず、怯えていた。
もどかしいな。ヤニス様の俺は、何も傷つかない振りをする。
戦闘の時にグイリオがいなければ、俺は死んでいた。グイリオが育ててくれている薬草とグイリオの小さな手で俺は助けられたんだ。
その時のことを素直に話して、ありがとうと言いたいけれど、弄る俺はひどいやつだな。
俺はグイリオを突き放すようにグイリオの胸元をパッと押した。グイリオは痛かったのか胸元に手をやって、座り込んだ。
アァ…、やっちゃったよ、俺。
俺は心を痛めながら、俯き、長い、長い廊下へと足を動かした。
次もまた戦闘の場に出向かなきゃいけないならな。俺は黒魔道士……。俺は黒魔道士の王子なのだから。
グイリオはしゃがみこみ、グイリオが作った葉っぱのジョウロを足元に置き、クサエンジュに話しかける。
とその時、
「葉属性のグイリオくーん、今日も水やりやってんだね~」
「ヤニス…、僕に構わないでよ!花には力がある!植物さんたちを馬鹿にするな!」
「はっ!ヤニス様が馬鹿にするとでも思うのか、グイリオくんはひどいな~」
ヤニスは僕に何を言いたいんだろう。毎日毎日、僕をからかいに来て…。意味がわからない。僕はキッと睨み、立ち上がる。ヤニスは僕の学年一イケメンな王子様と女子から人気なやつ。でも、葉属性の僕の名前をみんなの前で呼んでは馬鹿にするような言葉を言ってくる。ひどいやつ。なんで女子から人気があるのかさっぱり分からない。
ヤニスが僕に近づいてくる。そして、僕の顎を片手で掴み、僕の顔へとヤニスは顔を近付けてきた。
「ヤニ……す………、何するんだ」
「フッ、その顔いいね。ヤニス様の大好物な顔だよ、君は」
はや……く、ティモシー来て、黒魔道士のヤニスにやられちゃうよ。
♡
「ヤニス様が怖いか、グイリオ?」
「こわ…く、ない」
ヤニス様こと俺は可愛い、かわいい、グイリオを愛でてる最中だ。なのに、グイリオは俺を見ては威嚇するような目を向けてくるし、今なんてフルフルと震えてる。
「……フッ、フフフフフフ」
「……っん、なに笑って」
グイリオ、可愛いよ。君は……。男ながらシルバーホワイトの髪色に少しばかり長い髪型が堪らない。
俺はグイリオの口元を覆いたくなる心を上手く隠し、耳元で囁く振りをして、グイリオの頬を赤らめた。
ふふっ、グイリオは俺に弄ばれてればいいんだよ。恥ずかしいと赤らめるグイリオが可愛い。
「グイリオ……」
「っ、なに…」
〚好きだ〛
とこの3文字の言葉を口パクでして見せた。すると、グイリオは喜ばず、俺が好きだと言ったことに気付かず、怯えていた。
もどかしいな。ヤニス様の俺は、何も傷つかない振りをする。
戦闘の時にグイリオがいなければ、俺は死んでいた。グイリオが育ててくれている薬草とグイリオの小さな手で俺は助けられたんだ。
その時のことを素直に話して、ありがとうと言いたいけれど、弄る俺はひどいやつだな。
俺はグイリオを突き放すようにグイリオの胸元をパッと押した。グイリオは痛かったのか胸元に手をやって、座り込んだ。
アァ…、やっちゃったよ、俺。
俺は心を痛めながら、俯き、長い、長い廊下へと足を動かした。
次もまた戦闘の場に出向かなきゃいけないならな。俺は黒魔道士……。俺は黒魔道士の王子なのだから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
27
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる