46 / 52
第三章
44話チーロとジュストは向かいますっ!
しおりを挟む
「チーロくん、チーロくん、一体全体あの子は誰なんだよ」
「アム誰って、ジュストのこと?」
僕はふよふよと浮かぶ手鏡のアムに聞く。
「ジュスト?友達か?」
「友達だよ!なんか僕はよく分からないけど、ジュストは僕の従者になったんだ!」
「従者になったのか?!あ~、チーロくんは力が強いから、従者関係になれるのか。あの子にあまり力をおすそ分けするなよ」
「おすそ分け?」
「従者はそう言うこともするんだよ。チーロくんはあの子に気に入られたんだな~。卑怯な犬小僧だな。だから、俺は犬っころは嫌なんだ」
「そうなんだ、覚えとくよ。アム」
「おお」
手鏡のアムはふよふよとお気に入りの僕の飾りとなったブーツに入り込んだ。
.+*:゚+。.★゛
僕とアムは大きくなって、アムは僕のとこは身寄りの家となった。2人で色々な特訓を受け、東の教会での試験も受けた。僕はあっさりと合格を貰い、続けてジュストも受けた。ジュストはハスキーになって魔物をやっつけた。そして、2人とも合格をもらった。
そして、ついに9歳となる年齢となった。
「ついに、チーロはエクリプスパーダ学院に入学するんだな!」
とお父さんがカハハッと笑って、僕の肩を叩いた。
「そうですね、お父様。僕やっと入学できる!みんなに久しぶりに会えるのが楽しみ!」
「俺も楽しみだー!なんせ、チーロの仲間は強いからな」
「ジュストも入学おめでとう、私もオーウェンもアンジェロもアロンツォも応援してるわ」
「……!」
お母さんの話しを聞いたジュストは目に涙を浮かべた。そして、ジュストは憐れな犬と見られていなかったことに感激し、ポロポロ涙を流し、抱きついた。
「みなさん、本当にありがとうございました。俺は絶対、従者の務めをやり遂げます!チーロを守ります!」
アロンツォはそのジュストの言葉を神妙な顔して聞いていた。アロンツォは身なりを整えた服装をしていた。初めて会った時を思い出すような服装だった。青のスカーフを被り、漆黒な綺麗な紫の目だけが見える。服装は黒に身を包んでいる。横には剣がある。
「…アロンツォ、じゃあ2人をよろしくな。エクリプスパーダ学院まで連れって行って欲しい」
「はい」
アロンツォはアンジェロに目を向け、ペコとお辞儀をした。アンジェロは悲しげな顔を浮かべていた。アンジェロにとって、アロンツォは息子のような存在だったんだよね。僕はしみじみと2人の様子に心を痛めた。そして、始まる熱い心情に燃える。そして、僕は心の奥が萌える!
燃えて、燃えて、萌えるんだー!
僕はエクリプスパーダ学院に入ったら、絶対に成長したティモシーとルッカの熱い萌えを見るんだ!
グイリオの可愛さは僕のもの!僕がぜーんぶ支配する!異世界転生したからにはここでしか見れない萌えで溢れた世界を見たいんだ!
僕はふつふつと湧き上がる感情に浸り、決意した。
すると、そんな僕の様子に気付いたジュストが心配そうに声掛けてきた。
「チーロ、大丈夫か?なんか馬車に乗り込むまで、お前どこかに頭いってただろ。強いお前でも怖いのか?」
「………」
「チーロ様、エクリプスパーダ学院に入るまで私がお傍にいるので、怖がなくても大丈夫ですよ。それにエクリプスパーダ学院は初めは何も怖くありませんのでご安心ください」
「アロンツォ…。ありがとう、わかった!ジュストも心配してくれてありがとう!僕は大丈夫だよ」
「そうか、ならいいんだけどさ。チーロの心が震えてるのが俺に伝わってきたから…」
「えへへっ」
僕の心が震えてるのは、頭に薔薇を咲かせて、妄想していたからだよなんて言えない僕は笑って誤魔化した。この馬車の揺れが酷くなって、ジュストはアロンツォに抱きついて、そこから始まる薔薇もいいな。いやいやいや、僕がアロンツォとできたら……。ううん、ジュストでもいっか。
僕の妄想が広まるように、外の景色は暗くなる。分厚い暗い雲が集まり、ゴロゴロと雷の音が鳴り響く。
そして、雷の音は激しく音を立てるようになっていった。
*
今年も、エクリプスパーダ学院はあの学祭を開こうとしているのだろうか……。
アロンツォは過去を思い出すかのように胸に拳を当て、ゴロゴロと鳴る雷の雲に目を向けて、考えをめぐらしていた。
ハーヴィーは、あいつはあの戦闘には出ていないだろうな。もし、出ていたら………。ううん、そんな悲しいことを考えるのはやめよう。まだ歳の小さいチーロ様たちを怖がせてはいけない。
エクリプスパーダ学院の怖さはまだ教えるべきではないのだから。それに、俺みたいなことを経験していないのだから。俺のあの時の心境をこの子たちに伝えてはいけない。…ぜったいに……。
「アム誰って、ジュストのこと?」
僕はふよふよと浮かぶ手鏡のアムに聞く。
「ジュスト?友達か?」
「友達だよ!なんか僕はよく分からないけど、ジュストは僕の従者になったんだ!」
「従者になったのか?!あ~、チーロくんは力が強いから、従者関係になれるのか。あの子にあまり力をおすそ分けするなよ」
「おすそ分け?」
「従者はそう言うこともするんだよ。チーロくんはあの子に気に入られたんだな~。卑怯な犬小僧だな。だから、俺は犬っころは嫌なんだ」
「そうなんだ、覚えとくよ。アム」
「おお」
手鏡のアムはふよふよとお気に入りの僕の飾りとなったブーツに入り込んだ。
.+*:゚+。.★゛
僕とアムは大きくなって、アムは僕のとこは身寄りの家となった。2人で色々な特訓を受け、東の教会での試験も受けた。僕はあっさりと合格を貰い、続けてジュストも受けた。ジュストはハスキーになって魔物をやっつけた。そして、2人とも合格をもらった。
そして、ついに9歳となる年齢となった。
「ついに、チーロはエクリプスパーダ学院に入学するんだな!」
とお父さんがカハハッと笑って、僕の肩を叩いた。
「そうですね、お父様。僕やっと入学できる!みんなに久しぶりに会えるのが楽しみ!」
「俺も楽しみだー!なんせ、チーロの仲間は強いからな」
「ジュストも入学おめでとう、私もオーウェンもアンジェロもアロンツォも応援してるわ」
「……!」
お母さんの話しを聞いたジュストは目に涙を浮かべた。そして、ジュストは憐れな犬と見られていなかったことに感激し、ポロポロ涙を流し、抱きついた。
「みなさん、本当にありがとうございました。俺は絶対、従者の務めをやり遂げます!チーロを守ります!」
アロンツォはそのジュストの言葉を神妙な顔して聞いていた。アロンツォは身なりを整えた服装をしていた。初めて会った時を思い出すような服装だった。青のスカーフを被り、漆黒な綺麗な紫の目だけが見える。服装は黒に身を包んでいる。横には剣がある。
「…アロンツォ、じゃあ2人をよろしくな。エクリプスパーダ学院まで連れって行って欲しい」
「はい」
アロンツォはアンジェロに目を向け、ペコとお辞儀をした。アンジェロは悲しげな顔を浮かべていた。アンジェロにとって、アロンツォは息子のような存在だったんだよね。僕はしみじみと2人の様子に心を痛めた。そして、始まる熱い心情に燃える。そして、僕は心の奥が萌える!
燃えて、燃えて、萌えるんだー!
僕はエクリプスパーダ学院に入ったら、絶対に成長したティモシーとルッカの熱い萌えを見るんだ!
グイリオの可愛さは僕のもの!僕がぜーんぶ支配する!異世界転生したからにはここでしか見れない萌えで溢れた世界を見たいんだ!
僕はふつふつと湧き上がる感情に浸り、決意した。
すると、そんな僕の様子に気付いたジュストが心配そうに声掛けてきた。
「チーロ、大丈夫か?なんか馬車に乗り込むまで、お前どこかに頭いってただろ。強いお前でも怖いのか?」
「………」
「チーロ様、エクリプスパーダ学院に入るまで私がお傍にいるので、怖がなくても大丈夫ですよ。それにエクリプスパーダ学院は初めは何も怖くありませんのでご安心ください」
「アロンツォ…。ありがとう、わかった!ジュストも心配してくれてありがとう!僕は大丈夫だよ」
「そうか、ならいいんだけどさ。チーロの心が震えてるのが俺に伝わってきたから…」
「えへへっ」
僕の心が震えてるのは、頭に薔薇を咲かせて、妄想していたからだよなんて言えない僕は笑って誤魔化した。この馬車の揺れが酷くなって、ジュストはアロンツォに抱きついて、そこから始まる薔薇もいいな。いやいやいや、僕がアロンツォとできたら……。ううん、ジュストでもいっか。
僕の妄想が広まるように、外の景色は暗くなる。分厚い暗い雲が集まり、ゴロゴロと雷の音が鳴り響く。
そして、雷の音は激しく音を立てるようになっていった。
*
今年も、エクリプスパーダ学院はあの学祭を開こうとしているのだろうか……。
アロンツォは過去を思い出すかのように胸に拳を当て、ゴロゴロと鳴る雷の雲に目を向けて、考えをめぐらしていた。
ハーヴィーは、あいつはあの戦闘には出ていないだろうな。もし、出ていたら………。ううん、そんな悲しいことを考えるのはやめよう。まだ歳の小さいチーロ様たちを怖がせてはいけない。
エクリプスパーダ学院の怖さはまだ教えるべきではないのだから。それに、俺みたいなことを経験していないのだから。俺のあの時の心境をこの子たちに伝えてはいけない。…ぜったいに……。
9
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売中です!】
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【10/23コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【第2巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。

クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
空想の中で自由を謳歌していた少年、晴人は、ある日突然現実と夢の境界を越えたような事態に巻き込まれる。
目覚めると彼は真っ白な空間にいた。
動揺するクラスメイト達、状況を掴めない彼の前に現れたのは「神」を名乗る怪しげな存在。彼はいままさにこのクラス全員が異世界へと送り込まれていると告げる。
神は異世界で生き抜く力を身に付けるため、自分に合った能力を自らの手で選び取れと告げる。クラスメイトが興奮と恐怖の狭間で動き出す中、自分の能力欄に違和感を覚えた晴人は手が進むままに動かすと他の者にはない力が自分の能力獲得欄にある事に気がついた。
龍神、邪神、魔神、妖精神、鍛治神、盗神。
六つの神の称号を手に入れ有頂天になる晴人だったが、クラスメイト達が続々と異世界に向かう中ただ一人取り残される。
神と二人っきりでなんとも言えない感覚を味わっていると、突如として鳴り響いた警告音と共に異世界に転生するという不穏な言葉を耳にする。
気が付けばクラスメイト達が転移してくる10年前の世界に転生した彼は、名前をエルピスに変え異世界で生きていくことになる──これは、夢見る少年が家族と運命の為に戦う物語。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる