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第三章
36話不審なカラーリーフ
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「痛いよ、グイリオ…、どうして止まったの」
「チーくん、見て。着いちゃったよ」
「着いちゃったって?」
「8歳になったらする儀式のウェストホーリネス教会だよ!チーくん!」
グイリオはこれまでに見たことないほどに喜んで、はしゃいで言っている。僕は痛かった鼻を両手で押さえて痛くて泣きそうな目でグイリオを見た。
すると、僕たちのいる横の、花壇にある綺麗に大きなカラーリーフの花が風も吹いていなく、何も無いはずなのに、カサカサとした。
僕とグイリオはハッとして、そっちに目を向けたが何もなかった。でも、なんだか怪しいと僕は思った。そして、少し、こわい気持ちを抱いて、グイリオのシャツの下の裾に手を握りしめた。
グイリオは、いつものような穏やかで、落ち着いてる印象から、離れ、今日はなんだか、本当にまだ子供って感じな少年さが溢れている。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
「なんだ、あいつは…。すごく、魔力の強さがにおう。気になる。てか、俺と同じぐらいに見える。あいつ、見た目弱そうなのに、強いにおいするって、どうしてなんだ…」
俺は草木に隠れながら、小声でバレないように呟いた。このウェストホーリネス教会に訪れて来た、怪しげな二人を見つけた。そして、そいつらにバレないように隠れてるってとこなんだけど。うん、俺天才。
ちゃんとバレて無さそうだ。さっき、カラーリーフにカサカサって音立てちゃったけども。うんうん、俺の隠れ術は天才だな。
あいつら、ここに何しに来たんだよ。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
「グイリオ、教会で何するの?」
「覗くの!チーくんも早く来てみたかったでしょ?」
「来たかった…。うん、早く、ティモシーとルッカに追いつきたいけどさ」
「ねぇ、チーくん。気づいてる?僕の年齢。僕、8歳だよ。だからね、チーくんに僕の儀式見せてあげる!僕のお母様、お父様には実は伝えてあるから」
とグイリオは言って、あの優しげな笑顔を向ける。でも、その笑顔はどこか凛々しく、王子そのものの頼もしさを感じる笑顔だった。
僕はドキッとした。グイリオはいつの間にこんなに凛々しく、かっこよくなったんだろうと思った。僕は驚きながら、グイリオにも置いてかれそうな悲しい気持ちで言った。
「…そっか。グイリオは8歳…、だもんね」
グイリオは、クスッと笑って、僕の手を引っ張って、教会への階段を登った。
そして、グイリオはスーッと息を吸って、フーと吐いて、言った。
「チーくん、ドア開けるね」
「…うん」
ドア開けて、グイリオが儀式に成功されてしまったら、僕は置いてかれる。僕は悲しい気持ちをグッと押さえ込んで、下を向く。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
─────「いらっしゃりましたね。こんにちは」
・
―――あいつ、儀式受けるのか、あのチビは受けんだろうな。さすがにな。
───「グイリオ、行かないで…。僕、悲しいよ!」
ーガチャッ
「チーくん、見て。着いちゃったよ」
「着いちゃったって?」
「8歳になったらする儀式のウェストホーリネス教会だよ!チーくん!」
グイリオはこれまでに見たことないほどに喜んで、はしゃいで言っている。僕は痛かった鼻を両手で押さえて痛くて泣きそうな目でグイリオを見た。
すると、僕たちのいる横の、花壇にある綺麗に大きなカラーリーフの花が風も吹いていなく、何も無いはずなのに、カサカサとした。
僕とグイリオはハッとして、そっちに目を向けたが何もなかった。でも、なんだか怪しいと僕は思った。そして、少し、こわい気持ちを抱いて、グイリオのシャツの下の裾に手を握りしめた。
グイリオは、いつものような穏やかで、落ち着いてる印象から、離れ、今日はなんだか、本当にまだ子供って感じな少年さが溢れている。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
「なんだ、あいつは…。すごく、魔力の強さがにおう。気になる。てか、俺と同じぐらいに見える。あいつ、見た目弱そうなのに、強いにおいするって、どうしてなんだ…」
俺は草木に隠れながら、小声でバレないように呟いた。このウェストホーリネス教会に訪れて来た、怪しげな二人を見つけた。そして、そいつらにバレないように隠れてるってとこなんだけど。うん、俺天才。
ちゃんとバレて無さそうだ。さっき、カラーリーフにカサカサって音立てちゃったけども。うんうん、俺の隠れ術は天才だな。
あいつら、ここに何しに来たんだよ。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
「グイリオ、教会で何するの?」
「覗くの!チーくんも早く来てみたかったでしょ?」
「来たかった…。うん、早く、ティモシーとルッカに追いつきたいけどさ」
「ねぇ、チーくん。気づいてる?僕の年齢。僕、8歳だよ。だからね、チーくんに僕の儀式見せてあげる!僕のお母様、お父様には実は伝えてあるから」
とグイリオは言って、あの優しげな笑顔を向ける。でも、その笑顔はどこか凛々しく、王子そのものの頼もしさを感じる笑顔だった。
僕はドキッとした。グイリオはいつの間にこんなに凛々しく、かっこよくなったんだろうと思った。僕は驚きながら、グイリオにも置いてかれそうな悲しい気持ちで言った。
「…そっか。グイリオは8歳…、だもんね」
グイリオは、クスッと笑って、僕の手を引っ張って、教会への階段を登った。
そして、グイリオはスーッと息を吸って、フーと吐いて、言った。
「チーくん、ドア開けるね」
「…うん」
ドア開けて、グイリオが儀式に成功されてしまったら、僕は置いてかれる。僕は悲しい気持ちをグッと押さえ込んで、下を向く。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
─────「いらっしゃりましたね。こんにちは」
・
―――あいつ、儀式受けるのか、あのチビは受けんだろうな。さすがにな。
───「グイリオ、行かないで…。僕、悲しいよ!」
ーガチャッ
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