腐男子異世界転生して王子になる〜チートになっちゃった僕でゴメンね！〜

第二章

32 話妹ができました！

お母さんとお父さんに赤ちゃんが生まれるって聞いた話しから月日が経ち、夏の季節が沈み、少しだけ肌寒くなった秋の日の出の朝方、家の中ではわちゃわちゃと騒ぎが起きた。
そして、僕はハッとし、この騒ぎを察し、クローゼットから服を取り出して、着替えた。
着替え終えた瞬間にガチャッと僕の部屋のドアが開き、走って来たようで、息を切らしているアンジェロが来た。アンジェロははぁはぁとして、汗を流しながらも言葉を言った。

「チーロ様、生まれましたよ！」

「生まれたの！僕、今からすぐお母さんとお父さんのとこに行く！」

と僕はアンジェロの言葉に勢いづいて言って、部屋から出て、白衣を纏った、医師らしき男の人やナース服姿の女の人の看護師らしき人が出入りしている、お母さんとお父さんの寝室へと走って行った。

「チーロ様！走るのには気を付けてください！」

とアンジェロが僕に右手を伸ばして言いながらも、アンジェロも走って、僕の後ろを追う。

そして、僕は走りって髪を乱しながら、走る。僕に兄弟が出来たことのうれしさと高揚と心をくすぶる気持ちでお母さん、お父さんのいる寝室のドアに手を伸ばした。
そして、ドアノブを掴み、強く押した。ドアはガチャッと開いた。

部屋の中を見ると、いつもの淡いピンク色の部屋着姿で白のふわふわとした産衣(うぶぎ)に包まれている赤ちゃんを抱いているお母さんがベッドに座っていた。
隣にはお父さんが椅子に腰掛けている。そして、さらに横には少しばかり小太りで、白衣を身にまとっている白髪混じりのおじさんがいる。あの人は、医師かな。そして、その周りには、ナース服姿の女の人、数人が取り囲っていた。
そして、僕は恍惚とした気持ちで大きな声で声かけた。

「お母さん！お父さん！赤ちゃん、生まれたの！」

と僕は言って、お母さんの座っているベッドへと駆け出した。

すると、医師らしき、小太りのおじさんが

「おおっと。これは、これは、チーロ様ではないですか。無事、お生まれになりましたよ。女の子です」

とおじさんは言った。僕はおじさんに「そうなんだ」と笑顔で振り返り、見上げ言った。そして、僕はベッドの横に、両手を置き、身を前へと乗り出し、お母さんの元に抱かれている、赤ちゃん、妹に顔を近づけた。

僕の妹なんだ。お母さん、お父さん！

と言って、声かけた。

「ええ、そうよ。チーロ。あなたの妹のニーノよ」

とお母さんは優しく、微笑み僕にそう告げた。

「そうだ。ニーノだ。チーロの妹だな」

「僕、うれしいです！妹ができて、すごくうれしい！」

お父さんはにこにこと活き活きと快活に言い、僕は自分の気持ちを伝えた。

ふふふとお母さんは笑んだ。おじさんも周りのナースな女の人たちもふふふと優しく、笑む。中には、口元に手をやって、微笑ましそうに笑っている人もいた。

「ニーノ、ニーノ…。ふふ。かわいい！僕のニーノ」

と言い、僕は満面な笑みでそう口にした。

赤ちゃんのニーノの姿は、とても愛くるしい姿をしていた。髪の色はお父さんの髪色と同じく、薄い黄色のような白に近い、金色の髪色。

僕はまじまじとニーノを見たら、ニーノがゆっくりとパチリと目を開けた。

瞳の色は、お母さんの瞳色と同じ、桃色混じりの銀色の瞳だった。僕の髪、瞳色の逆バージョンだった。とても可愛くて、少し触れただけで、壊れそうなとても、とても幻想的な可憐な女の子。赤ちゃんだった。

本当にかわいい。僕は心の奥がポンッと温まる気持ちが湧き起こった。かわいいな。僕にこんなかわいい妹ができるなんて。

「ふふ。僕、しっかりしてて、立派なお兄ちゃんになるからね。ニーノ」

と僕はキョトンとした顔で僕を見つめる、ニーノに微笑み返し、そう宣言した。

「チーロはもうしっかりしているな。ニーノをすぐに任せれそうだな。よしよし、利口だな」

とお父さんは僕の横に来て、僕の頭を撫でた。

「そうね。チーロはしっかりしているわ。もう、ステファーノ家の素敵な息子だわ」

とお母さんが言った。すると、そこに、アンジェロがそっと、ペコッとお辞儀して入って来た。
そして、小太りの白衣のおじさんがアンジェロのお辞儀にペコリと返した。アンジェロは

「どうですか、ロラ様の体調とニーノ様は？」

とおじさんに心配気な顔で眉尻を下げて、聞いた。

おじさんはにこにこして言った。

「大丈夫ですよ。お二人ともお身体に問題はございません。安心してください」

「そうですか、それなら安心です」

とおじさんの言葉を聞いた、アンジェロはホッと安堵し、胸を撫で下ろした。

そして、アンジェロとおじさんの会話が終わり、アンジェロも隣りでにこにこと微笑み、僕の右横に立った。

そして、アンジェロは僕の時のように胸ポケットから羽付きペンを取り出し、言った。

「それでは、オーウェン様、ロラ様、チーロ様。ニーノ様のお披露目会をいつにするか後日に決めましょうか」

とアンジェロはにこやかにそう言った。すると、お父さんは勢いよく、快調的に言った。

「いや、いい。明日だ。明日、お披露目を開く！」

とお父さんは腰に手を当て、アンジェロに身体ごと向けて、言った。

「ふぇええええええ！！！？」

と素っ頓狂な声を上げて、驚いた。