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第二章

31 話お母さんとお父さんと僕の間に

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「あなた、もう1人できるわね」

「そうだな。次に生まれてくる子は男の子か、女の子か…。どっちだろうな。楽しみだ」

「そうね。私の夢の中での予知した赤子は女の子だったわ」

「そうか。じゃあ、女の子かな」

とロラとオーウェンは2人同じ、寝室のベッドの上で会話をした。ロラのお腹の中にはもう1人の赤子が宿っていた。そして、オーウェンはロラの方に身体を向け、ロラのお腹に手を置いた。

「チーロに伝えるのが楽しみだわ」

「そうだな。そうなったら、チーロはこの子の兄になるんだな」

とオーウェンはロラの言葉に笑顔で応え、ロラのお腹を優しく大きな手のひらで撫でた。

そして、2人は見つめ合い、笑顔で微笑み合い、ベッドへと眠りに落ちた。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


僕はなんだかよく眠れていないような目覚めで朝を迎えた。

「うぅ、まだねむい…」

僕は右手で、目を擦って、あくびを1つついて、服に着替える。
そして、僕は食堂室へと歩いて行った。

食堂室まで歩く、長い距離に僕は慣れてきた。この長い赤いお洒落なカーペット、横につらづらと並べらている、壁画、お父さん、お母さん、僕の写っている絵画。僕はいつもこの壁を眺め、歩くんだ。
最初見た時は、もう僕の目がきらきらだった、今もおとぎ話のような世界だって、浸っているけれど。

そして、やっと食堂室の前へと来た。僕は重たい、ドアノブをガチャッと開け押した。
そして、お母さんとお父さんが座って話し混んでいた。

「お母さん、お父さん、おはよう~」

と僕はまだ少し、眠たげな声で挨拶をした。
すると、お母さんは優しく、微笑んで言った。

「おはよう、チーロ」

と。お父さんはニカッと笑んで、言った。

「チーロ、おはよう」

と言う。いつもの朝だ。いつもの穏やかな朝。素敵なお母さんとお父さん。

僕は自分の椅子へと歩いた。そして、椅子を引いて、ポンッと座る。

今日の朝ごはんはとてもお洒落なマスタードチキンとポトフとカボチャスープにご飯だった。和の料理はこれまでに出てきてないのが悲しいけれど。いつもアンジェロの作る料理はどれもこれも美味しい。

僕はフーフーとカボチャスープにして、ほくほくとスプーンで口に運ぶ。
んーーー、すごく美味しい!
プハッと僕は飲みほして、口周りにスープをつけてしまうくらいに食べた。
そして、隣りのお母さんがテーブルナプキンで、微笑みながら、僕の口周りを拭ってくれた。

「あらあら、チーロ。口周りにスープ付けて。ふふふ」

とお母さんが声に漏らした。そして、お母さんとお父さんは何やら、目を合わせて、目配せ?的な相槌をうち、少し間を開けて、お父さんが口を開いた。

「チーロ、静かに聞いてほしいことがあるんだ。よーく、聞けよ」

「え、うん。よーく、聞きます!」

お父さんははっきりと応える僕を確認し、コクンッと頷き、言った。

「あのな、ロラ、いや、お母さんのお腹の中に、赤子が出来たんだ。だからな、チーロ。お前は兄になるんだ。そのうちにな。これからは兄になることを考えて、これからの生活を改め、引き締めて、兄になるんだって自覚して過ごしてほしいんだ」

とお父さんは真剣なおもむきで言った。

「お母さんのお腹に赤ちゃん?僕はお兄ちゃんになるんですか…?」

「そうなの。チーロ。私のお腹の中に赤ちゃんがいるの。あなたはこれから先、兄になるのよ。この子が生まれたら、あなたは兄よ」

僕の言葉にお父さんはコクコクッと頷き、隣りでお母さんが微笑んで、僕に告げた。

僕はそのことを聞いて、驚いた。前世での僕はひとりっ子だったこともあり、僕はめちゃくちゃに嬉しい気持ちで舞い上がるような気持ちを抱いた。そして、僕は気づくと、椅子から降り、すぐさま、お母さんのお腹に手をやった。

「お母さん、赤ちゃん、いるね!」

と僕はパァッと顔を明らめ言った。お母さんは「ふふふ」と笑み、僕の頭を撫でた。

僕はにこにこしながら、お母さんに撫でられるのを犬のように喜んだ。

お母さんのお腹の中は本当に動いていた。ポコポコと元気そうなリズムで膨らむ。赤ちゃん……。僕に弟なのか、妹なのか、まだ分からないけれど、出来るんだな。

「チーロ、めちゃ喜んでいるじゃないか!うれしいか?うれしいよな~!」

とお父さんはカラカラと笑い、お母さんと僕の元に駆け寄り、お母さんの椅子の上に手を置き、眺め見る。

僕はこの親元がとても嬉しいし、穏やかな温かい家に、もう一人、家族が出来ると思うと、僕の胸は飛び跳ねるように、とても嬉しい気持ちでいっぱいになった。
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