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第二章

30 話僕の傷心思い出して寝つけれない

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ルッカとティモシーと3人で出かけれて嬉しかった。
馬車の帰りの中、ルッカとティモシーは魔物を倒したらしい僕をすごく心配してくれて、ルッカは少しばかり、涙を浮かべて、「ごめんな。チーロありがとう」と僕に言って、僕は「いいよ~、平気だから」と言って会話して、ティモシーがルッカをからかい始めて、この3人での空間が僕にとって、すごく嬉しい時間になった。

前世の僕には考えられないから。前世の僕は周りの子に歩み寄ることも、深く関わろうともしてなかったから。
本当に、僕は蓮だけだったから。今はそんな僕を改めようと思って、新しい人生の出発を僕は出直せた気がする。僕の妄想は膨らむばかりだけれど。

僕は一人、自分の部屋で部屋着に着替え、広いベッドの上、大きな絵本を開けて座り込んだ。

今日、僕がアンジェロから貰った、絵本は前世にもあったような王子様とお姫様が出てくる物語だった。絵柄がとても繊細で綺麗な絵柄だった。

ページを開ける度に、素敵な絵柄のページがパァッと彩られている。

やっぱり、結婚するのは男性と女性なんだな。だよね。僕みたいなのは、いないよね。通用なんかしないんだ。僕はやっぱりおかしいのかな。

あぁ~、だめ。思い出しちゃう。思い出したら、思い出したら、僕…。

僕はおでこに両手を置いて、目をつむって、ブンブンと首を振った。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


────「僕さ、好きな人いるの。優愛兄がね、好きなんだ」

「え、そうなの?冠偉くん……」

「うん、だから…、ごめんね」

僕は学校の裏庭に女の子に呼ばれて、僕は恥ずかしがらずに、正直に言って、告白を断った。これが、小学5年生での出来事。優愛兄が女の子を連れている姿を見ても、結局、僕は諦めていなかったんだ。それで、正直に言った。
その次の日以降に僕は、クラス中にホモだとかと騒ぎ立てられ、僕は嫌われ始めた。僕は言ってはいけないことだったんだってあれ以来思った。隠さなきゃいけないこと、恥ずかしいことなんだと知った。だから、僕は閉じこもるようになったんだっけな。中学でも、その噂は広まっていて、僕は一人で学校生活を送る日々を送って行った。
そんな苦い経験が僕にはあるから。高校は近隣の高校に進学するんじゃなくて、離れた男子校の私立校に進学して、蓮と出会ったんだ。

はぁ、蓮……。僕はなぜだか、傷心に浸ってしまった。そして、僕の頬に右、左と涙が伝った。そして、僕は雫を部屋着の服でゴシッと拭った。そんなことは考えちゃだめ。だめだよね。

あぁ~、寝れない。

でも、今日、ルッカとティモシーと街に出た時に見かけた、赤のスカーフの男の子。蓮に似てたな。

僕の幻覚だったのかな。蓮を考え過ぎて、前世を恋しく思って、そう思っちゃったのかな。

僕は大きな絵本をパシッと閉じて、本を横の机に置いた。そして、僕はボーッと考えた頭で布団に被って横向きに寝転がった。

そして、眠りにつこうと目をつむった。
今世になっても僕の気持ち、考えは変わっていない気がしてくるが、僕は明日を思って眠りに落ちた。
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