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第二章

24話僕の魔力は無属性らしい!

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僕はティモシーとルッカが作り上げた、危険な波動を僕の魔力で壊したことは、街中の人に知れ渡った。
そして、僕は瞬く間に僕の噂が国中に広まった。

「この国は安心だわ。第一王子様のチーロ様はご立派に成長なさっているわ。これからの成長が楽しみですわ」

「これは大したものだ。チーロ王子はたいそうお強い魔力の持ち主だ」

「チーロ王子、素敵だわ」

「僕もチーロ王子みたいになりたい」

「あの国のチーロ王子がか。それは褒め称えることだな」

だのなんだのと噂や言われがされている。

そこに一人、薄明かりの中、長くふわふわな尻尾を優雅に振り、噂を見聞きした獣人がいた。

「さすがは我の見つけた子だ」

と目を細め、ニヤリと笑んで呟いた。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


アンジェロは街に出かけをして、新しい花を買って帰ってきた所、ベンと言う親しき友に止められて、話し込んだ。

「アンジェロ、聞いたぞ。チーロ王子が危険な波動を魔力でぶっ壊したことをな」

「ベンも耳にしたんだね」

「耳にしたって、もう街中のみんなが言ってることだよ」

「街中!?僕もチーロ様が危険な物を魔力で壊したって聞いて、すごいと思ったけれど、もう街中に広まってるのは、驚きだよ。チーロ様はすご過ぎだよ」

アンジェロはベンの言葉をしみじみと聞いて、チーロのすごさをうれしく、喜びを噛み締めた。

「じゃあな」

とベンに言われ、アンジェロはヒラヒラと手を上げて振った。

アンジェロはにこにこしながら、帰り道を歩いて行った。





ーガチャ

「失礼します。オーウェン様、新しい花束ですよ。替え変えますね」

「おう、アンジェロ。ありがとう」

アンジェロは手慣れに花束を差し替えた。
すると、そこにロラが現れた。

「あなた、チーロのこと聞いたかしら」

「あぁ、聞いたとも」

「チーロに怪我がなくて良かったわ」

「チーロは耐性も強い子だから。そんなに心配しなくても大丈夫さ。これからが楽しみだよ。それと、波動を壊せたっていうことはそれだけの力も備わっている。それに、もう、きっと魔力が安定し出したんだろう。チーロの成長の様子を優しく見ていよう」

とても心配そうに眉尻を下げて言う、ロラにオーウェンはにこにこと快活に笑ってそう言った。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


僕の魔力は無属性…。僕の魔力は無属性……。

僕は何回か繰り返して、部屋を行きいきしてから、ボフッとベッドに後ろから寝転がって上を見た。

「え、僕…。無属性って、強いの…」

僕は受け入れられずにいた。無属性っていわゆるなんでも使えるんだっけ。それとも、魔力ないの。

僕はブンブンと首を振り、いやいや、違うと、もう一度考え直した。

無属性って、やばくない。

僕は小さな頭で考え込んで、頭が痛くなって、少しの間眠ることにした。

横になって、僕の手のひらを見て寝転がった。手をグー、パーと何回かして、コテンッと眠りに落ちた。




ーモゾモゾ、コトコトッ

と飾りのブーツが揺れる。そして、中から、桃色の天使の輪ついた手鏡が飛び出した。

「チーロくん、寝てるかい。チーロくんが街中に噂流ているよ。君、無属性らしいじゃないか!なぁなぁ」

と手鏡は喋り出して、寝ているチーロの元に近寄った。

「うーん、アム………」

とむにゃむにゃとチーロは一瞬起きた感じを見せて、眠った。

「チーロくん、寝るのかい。せっかく、俺がノリノリのノリに調子が良いってのに。君は寝ちゃうのかい。…なぁなぁ、悲しいよ。悲しいよ、俺」

アムは手鏡の持ち手の先でチーロの頬をちょんちょんとした。けれど、起きなかった。

「はぁ、しょうがないな。俺一人でチーロの魔力度確かめるよ。起きていたら、これからのチーロくんの魔力の上がりようを見れたのにな」

とアムは言って、鏡の中にたくさんの文字を並べ始めた。

「えっと、まず、チーロくんの魔力度は」
とアムは言って、鏡の中からバチンッと火花が飛び散った。

うわ、計り知れないな。チーロの魔力度は強すぎるようだ。
そして、アムは手鏡を熱く、赤くして、頭をフル回転に調べ始めた。

これから伸びていく魔力性は、これとこれと…。これもか。学校のクラス級は…。おお。ここなんだな。これはすご過ぎる魔力の持ち主だ。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


パチッと僕は目を覚ました。すると、僕のベッドの横から、赤くなってる手鏡がブツブツと呟いていた。

「アム…、アム。何言ってるの?」

「やぁ!君起きたんだね。まったく、遅いよ。俺がぜーんぶ君のこれからと魔力度見たからね。君も見たかっただろ?」

とまるでニヤニヤと笑っていそうな言い方で言うアム。チーロはジトッと見て、言った。

「これからのって?魔力度調べたってどういうこと?」

「そのままだよ。君、すごい魔力の持ち主だよ」

僕はそう言う、アムに僕はどこか疑わしく、見つめた。

「ねぇ、君。今ここで、今の魔力を見せてよ」

と言うアムに、僕は確かにと思って、ベッドから降りて、右手に力を込めた。

すると、右手から2歳の頃よりもバーッと色とりどりの光が勢いよく、飛び放った。そして、3歳が持つには、危ないくらいの大きさの僕の君主剣が出てきた。
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