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第二章

22話お勉強会2

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そして、僕はグイリオと一緒に勉強することになった。

「じゃあ、見なくても書けるか順番にしていこう」

「うん」

「じゃあ、左から順番ね」

とグイリオは言って、この世界の文字の書かれたプリントの左上を指して、上からグイリオが勉強していた、自然魔法についての本を被せられた。

本当、なんも見えない。綺麗に隠されてる。
もう覚えているから平気だけど。

「最初の文字はなーんだ!」

「わかるよ~」

と僕はグイリオの楽しげな問に僕は笑顔で自信満々に応えた。

と、グイリオがまっさらなプリントを僕の目の前に出して、「書いてみて」と言われ、書いた。

このやり取りを半分と少し前まで進んだ辺りから、ティモシーとルッカの真ん中に、大きな波動が本から浮かび出した。

僕もグイリオもなんだろうとそっちに見入ってしまった。ティモシーもルッカも波動が本に浮かび上がったことに驚き、ガタッと音を鳴らして椅子から立ち上がった。

「おい、ルッカ。これどうするの」

「俺も聞きたいし、どうすんだ!」

グイリオは2人の会話が気になり、2人の方へと向かった。

「ねぇ、何したの?」

「グイリオはかんけーねーだろ。あっち行け、あっち」

とルッカにグイリオは言われたが、緊急事態だろうと思い、2人の側から離れようとしなかった。

「ティムもなんか言ってよ」

「グイリオを危ない目に会わせたくないから…、あっち行って」

とティモシーも言った。そのやり取りを見て、僕も椅子から立ち上がり、グイリオの後ろに身を置いた。そして、グイリオの後ろからひょこっと顔を出して、ティモシーとルッカ、本からの波動に目をやった。

「ねぇ、ティム…。お兄様呼ぼ」

とグイリオが言ったけれど、ティモシーは嫌だと首を横に振った。

「だって、ティムもルッカもその波動止めれないんでしょ?」

「そうだけど…」

「そうだけどな…」

グイリオの静かな問にティモシーもルッカも声を合わせたかのように同じ言葉を同時に言った。2人の顔はとても強ばってるように見えた。

「ハーヴィー兄に言いたくないし…。絶対怒られる…からさ」

「そうだ、そうだ。ハーヴィー様に知られたら、絶対やばいのをくらうって」

ティモシーの悲しげな言葉とルッカのハーヴィーを恐れているような言葉を放った。ルッカの言葉にティモシーはイラッと来たのかルッカをギロッと睨んだ。

ルッカはそれに気付き、知らんぷりした。

「ハーヴィー兄はひどいことなんかしない…」

とティモシーは呟いた。ルッカはちっと舌打ちして、言った。

「わかったっての」

とルッカは応えた。





「なぁ、アロンツォ…。ちび共めちゃ静かになったことない?勉強に疲れたか」

とハーヴィーはゆったりと両腕を机に乗せ、アロンツォに言った。

「そうだな、静か…」

アロンツォは言った。ハーヴィーは椅子から体を横に座って、振り返った。

「ん…?本から波動出したのかよ。あいつら」

ハーヴィーは少し荒い声で言った。

アロンツォは驚いた顔で、奥にいる、チーロ達に目を向けた。

そして、ハーヴィーは椅子をバンッと倒して、歩き出した。





「やばいぞ…、ハーヴィー様が来る…!」

「ええ!」

ルッカの焦りの声とティモシーの驚きの声を上げた。

グイリオと僕は見合って、グイリオがはぁとため息をついた。

「おい、お前ら、しっかり教科書見てやってたんじゃあないのかよ!やってはいけないって注意事項書いてあるだろ!何してるんだよ」

「そ、それは…、ルッカがしたいって言ったから」

「俺!?ティモシーだって言ったろ!」

ハーヴィーは2人にとても怒った顔で激怒した。2人は困惑した顔で、言い合った。

「どっちがしたいって言ったかはどうでもいい、どうするんだよ。これ……。俺はまだこういうの止め方はこれから学ぶしな…。アロンツォは上級階級の剣術だけで、魔力はまだだしな」

本に浮かんでる波動は最初より大きくなってる。

ハーヴィーは頭を掻いて言った。

「どうすんだよ。エンベルト家崩壊か……。お父さんに怒られんじゃん」

ハーヴィーはそう言って、2人の気持ちを焦らせる。

2人は下にしゅんと俯くばかりだった。

僕は、2人を見兼ねて、波動に近づいた。この波動、バッと消せればいいんでしょ。なら僕が消そう。

「ん、おいおい。チーロ君危ないよ。離れて」

とハーヴィーの声に見向きも聞く耳ももたず、波動の目の前に行った。

僕は、両手を翳した。そして、頭の中で波動を壊すのを想像した。グワリッと音を立てて波動を壊すことを。

そして、僕は想像を活かして、かざしている両手を波動を囲み、手をバチッと合わせ、両手を擦り合わせた。

すると、波動はみるみる小さくなって、ガチッガチッと音を立てて、最後にはバシャッと言って、壊れた。そして、波動の火花が、飛び散った。

ハーヴィーはそれを見て、僕を抱き上げた。
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