腐男子異世界転生して王子になる〜チートになっちゃった僕でゴメンね!〜

優木王

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第一章

18話チーロ目撃!

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僕は、街とは反対の#草原__そうげん___に駆け出した。街にはいなさそうだからね。
すると、奥の方で光と剣の交じり合う音が聞こえた。僕は聞こえた方に察知さっちし、走る速度を上げた。

やっぱり、こっちの草原の方にいるんだ。僕の思った場所は当たりだ。

剣の音聞こえたけど、何かしてる。うーん、何してるんだろう。僕はそこまで思いつかなかった。

まぁ、いいや。


•*¨*•.¸¸☆*・゚

「アロンツォ様、剣術の上級階級にいただけ、やはり、剣術の使い方も上手いですし、魔力との使い分けも上手ですね」

「ありがとうございます。まだ、測りますか?それとも、終わりですか?」

アロンツォは剣を下ろし、冷静にアンジェロに問いた。アンジェロは手で汗を拭って、息を切らしながら膝に両手を乗せて言った。

「まだ…、まだテストです」

「でも、アンジェロ様はお疲れの様ですよ」

「そ、それは。確かに、100年くらい生きてますが、体力に見た目はまだ、22歳ですよ!アロンツォ様!」
アンジェロは少し、プクッと怒った顔してそう言った。

「…22歳、そうなんですか。それじゃあ、オーウェン様より若いじゃないですか」

アロンツォはそれを聞いて、苦笑し、笑った。

「そうですよ。猫又は好きな年齢に化けれるのでね」
とアンジェロはえっへんと得意げに言った。

すると、アロンツォは何かが駆けて来る音が聞こえ、ハッとした顔で静止した。
アンジェロはそれに気付いて、猫耳を出して遠くの音に澄まそうと猫耳をピクピクと動かした。

2人の耳には、タッタタと小さい子供が走ってくるような音が聞こえた。





もしかして、チーロ様だったりするかな。まだ、アロンツォ様のこと測りたいけれど、チーロ様が来るんだったら、やめないといけないな。
アンジェロはアロンツォの方に顔を向けた。アロンツォは何か、考えるように前を見据えていた。





シカか何かが駆けて来ているのかな。でも、この周りに、獣のにおいはしない。においがするのは、猫又のアンジェロ様のにおいだけ。

チーロ様は2歳だから、ここまで走って来ることはないだろう。
アロンツォの頭にはチーロが来るとは予想していなかった。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


あっ!遠くに人が見える。僕はそれが、アンジェロとアロンツォだと思って、勢いよく走った。

「アンジェロ~!アロンツォ~!僕来たよ~!」

僕は大きな声でそう言って、走った。と、その時、僕の横に駆けて来る、何者かの音が聞こえた。僕はゆっくり、横に目をやると、見たこともない獣だった。

見た目は鳥なのに、シカくらい大きくて、大きな羽が付いてる。毛の模様も赤、黄色、青、それと、黄緑色。特に黄緑色が強く、体の色を占めていた。

「えぇ!?何この生き物!…まっ、待って」

その鳥みたいな大きな獣は僕を捉えていた。僕の方に走ってくる。い、嫌だ。
僕の方に来ないでよー!僕は必死に走った。けれど、小さな僕の足のスピードは、その獣にすぐに追いつかれてしまって…。

僕は勢いよく、前にゴロンッと転がり落ちた。僕は涙目なみだめになって、頭を抱えて、丸まった。

獣は僕をじっと見てくる。…何とかしないと。そうだ、僕の魔力で退治すればいいんだ。僕はグーにしてた右手を開いて、魔力を出した。でも、思うような大きさの魔力ではなかった。

えぇ、何でこんな時に、魔力が小さいの。もう、無理だよ。僕の一回りも二回りも大きな獣じゃん。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


「アンジェロ様、俺、行ってきます」

「へ、アロンツォ様。行くって、どこにですか?チーロ様が駆けて来るみたいですよ。待ってみたら…」

とアンジェロは言いかけた瞬間、アロンツォは魔力を使ったのか、シュバッと姿を消した。

「アロンツォ様…。行っちゃったな…」

アロンツォ様は、本当、強い剣術のお持ちの方だ。これなら、チーロ様のお隣にいて下さると、とても心強い子だ。やはり、さすがはあのお方だ。ただ、少し、僕よりも天然な所があるみたいだけれど…。


•*¨*•.¸¸☆*・゚


僕は、仕方なく出てきた小さな魔力の光を獣に投げた。すると、獣は僕の魔力の光を微塵みじんも感じないのか、ふんふんと顔を振るだけで、もっと僕に近付いて来た。

とその瞬間、僕の目の前にアロンツォが現れた。

アロンツォは紫に光る剣でその獣をバッシュンと切り倒した。

わ…、アロンツォ。凄すぎ。

「大丈夫だった?怪我してない?」

とアロンツォは野原に寝転がってる僕に合わせて、しゃがんで覗き込んできた。その顔はとても心配そうな顔だった。
僕は心がキュッと嬉しくなった。助けてくれた。

僕はコクッと頷いて、起き上がって、アロンツォにハグした。

「アロンツォ、ありがとう」
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