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第一章
15話お父さんとお母さんといちゃいちゃ
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僕、もっと剣術上手くなるかな。そんなことを自分の広いベッドの上にちょこんと座って考え込んだ。
すると、なんだか僕の心の奥が疼いて、寂しい気持ちになってしまった。
そして、僕は自分の気持ちに素直になろうと思い、僕は大好きな枕を抱えて、お父さんとお母さんのいる寝室にそっと顔を覗かして見た。
お父さんとお母さんはベッドに座り込んで、お父さんはお母さんの手を優しく握っている。とても素敵な2人。大人な関係ってこんな風なのかな。僕ですら、これまで経験したことない。僕もお父さんみたいに深く愛せる人とこんなこと出来る日が来るのかな。
ううん。今はそうじゃなくて、僕は甘えたいんだ。寂しいんだ。
僕は意を決して、声掛けた。
「お父さん、お母さん…。僕も一緒に寝てもいいですか?」
「まぁ、チーロ。起きていたの」
とお母さんは振り向き、僕に言う。
「…うん、起きてた。寂しくて…」
「そうか、チーロ。お父さん達の間においで」
とお父さんは今までにない優しい笑顔で僕に微笑んで言った。
僕の心はパァッと明るくなり、心に封じていたドアが開いたような気さえした。僕はとても嬉しくて、2人の間ににこにこと駆けてベッドに上がった。
温かいお父さんとお母さんの手のひら。僕は2人の手を片手ずつに掴んで寝転がった。
「チーロ、お父さんもお母さんも嬉しいよ。チーロが寂しいって言って来てくれて」
「えぇ。待っていたのよ」
とお父さんとお母さんは優しく目を細めて、微笑む。
そんなお父さんとお母さんのことが僕は嬉しくて、嬉しくて…。
前世の僕はいつも、引っ込んでいたな。気持ちを抑えてばかりだった。前世のお父さんもお母さんも待っていたのかな。僕が寂しいって甘えてくることを。
僕、今の僕のことなら好き…だな。こうやって、気持ちを伝えてもいいんだな。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
僕はお父さんとお母さんと3人で川の字に寝転がっている。
お父さんもお母さんも真ん中の僕の方に体の向きにして見ている。お母さんは僕のお腹に手を乗せて、ポンポンッとしてくれる。
幸せ…。
…あ、待って。今、聞きたいこといっぱい聞こ。
僕はそっと口を開いて言った。
ねぇ、お母さん。僕ね、お父さんからお母さんとの出会いを聞いたんだけど…。お母さんはお父さんとの出会いどんなだった?
「オーウェンとの出会いね。そうね」
「チーロ、お母さんにも聞くのか…。恥ずかしいじゃないか」
お父さんは顔を赤くして、お母さんを見た。
そんなお父さんに僕は笑って、お母さんの言葉を待った。
「出会ったのは、私が出掛けた先だったわ。手紙を届けるために歩いていたの。その行く先の道に、森を通らなくてはならなくてね。
そうしたら、迷い込んじゃって…。周りにはたくさんの獣がいたわ。大きなのも小さなのも。私目がけて、獣が飛び出して来たの。それで、私の魔力の睡眠力で、周りの獣を眠らせて。私は大きな獣に体にもたれて、周りの獣たちと寝ていたのね。
そこに、お父さんが駆け込んできて。お父さんはビビりながながらも、私にそっと声掛けて…。
「君、大丈夫なのか。ま、周りに獣に囲まれているんだが」
「えぇ、大丈夫よ。みんないい子だわ」
って言って、それが最初の会話。その時のお父さんの顔は今みたいにがっちりしていなくて、目をまん丸くして、驚いていたわ。それに、まだおぼっこかった。私はお父さんに手紙を渡しにこの森に迷い込んだの。だから教えてとお父さんに聞いたら、お父さん、凄く笑顔で教えてくれた。それに、聞いてみたら、お父さんの家だったのよ。それからは、行き帰り会っていたわ。
獣を従わせる女は珍しいって言われててね。それで、お父さんは私が獣を従わせる女って思ったみたいで…。お父さん、私に
「勉学修得して義を行って、国家の最上階の称号を取ったら、婚約しよう」
って約束して、本当に最上階の称号を取って、婚約したのよ。
婚約して、気づいたのだけれど、お父さん、公爵家の王だった事に私、驚いたわ。私は田舎者だったから。お父さん、今もかっこ良いけれど、昔のかわいいお父さんも好きだわ」
「そうなんだ。素敵な出会いだね。お父さん、お母さんのこと獣を従わせる女に見えたって、なんかひどい」
「お母さんは本当に凄いんだぞ。獣を操れる者はなかなかいないからな」
お父さんはそう言った。
「私、睡眠力で獣を眠らせただなのよ。オーウェン、かわいいわね」
とお母さんはお父さんにニコッと見つめて言った。
「かわいい…って。チーロの前で言うなよ」
とお父さんは目に手で覆って言った。
僕はふふっと声に漏らして笑った。
僕もいつかこんな関係になる人と会いたいな。
僕もこんなこと本当に出来たらいいなって心の奥で思った。
すると、なんだか僕の心の奥が疼いて、寂しい気持ちになってしまった。
そして、僕は自分の気持ちに素直になろうと思い、僕は大好きな枕を抱えて、お父さんとお母さんのいる寝室にそっと顔を覗かして見た。
お父さんとお母さんはベッドに座り込んで、お父さんはお母さんの手を優しく握っている。とても素敵な2人。大人な関係ってこんな風なのかな。僕ですら、これまで経験したことない。僕もお父さんみたいに深く愛せる人とこんなこと出来る日が来るのかな。
ううん。今はそうじゃなくて、僕は甘えたいんだ。寂しいんだ。
僕は意を決して、声掛けた。
「お父さん、お母さん…。僕も一緒に寝てもいいですか?」
「まぁ、チーロ。起きていたの」
とお母さんは振り向き、僕に言う。
「…うん、起きてた。寂しくて…」
「そうか、チーロ。お父さん達の間においで」
とお父さんは今までにない優しい笑顔で僕に微笑んで言った。
僕の心はパァッと明るくなり、心に封じていたドアが開いたような気さえした。僕はとても嬉しくて、2人の間ににこにこと駆けてベッドに上がった。
温かいお父さんとお母さんの手のひら。僕は2人の手を片手ずつに掴んで寝転がった。
「チーロ、お父さんもお母さんも嬉しいよ。チーロが寂しいって言って来てくれて」
「えぇ。待っていたのよ」
とお父さんとお母さんは優しく目を細めて、微笑む。
そんなお父さんとお母さんのことが僕は嬉しくて、嬉しくて…。
前世の僕はいつも、引っ込んでいたな。気持ちを抑えてばかりだった。前世のお父さんもお母さんも待っていたのかな。僕が寂しいって甘えてくることを。
僕、今の僕のことなら好き…だな。こうやって、気持ちを伝えてもいいんだな。
•*¨*•.¸¸☆*・゚
僕はお父さんとお母さんと3人で川の字に寝転がっている。
お父さんもお母さんも真ん中の僕の方に体の向きにして見ている。お母さんは僕のお腹に手を乗せて、ポンポンッとしてくれる。
幸せ…。
…あ、待って。今、聞きたいこといっぱい聞こ。
僕はそっと口を開いて言った。
ねぇ、お母さん。僕ね、お父さんからお母さんとの出会いを聞いたんだけど…。お母さんはお父さんとの出会いどんなだった?
「オーウェンとの出会いね。そうね」
「チーロ、お母さんにも聞くのか…。恥ずかしいじゃないか」
お父さんは顔を赤くして、お母さんを見た。
そんなお父さんに僕は笑って、お母さんの言葉を待った。
「出会ったのは、私が出掛けた先だったわ。手紙を届けるために歩いていたの。その行く先の道に、森を通らなくてはならなくてね。
そうしたら、迷い込んじゃって…。周りにはたくさんの獣がいたわ。大きなのも小さなのも。私目がけて、獣が飛び出して来たの。それで、私の魔力の睡眠力で、周りの獣を眠らせて。私は大きな獣に体にもたれて、周りの獣たちと寝ていたのね。
そこに、お父さんが駆け込んできて。お父さんはビビりながながらも、私にそっと声掛けて…。
「君、大丈夫なのか。ま、周りに獣に囲まれているんだが」
「えぇ、大丈夫よ。みんないい子だわ」
って言って、それが最初の会話。その時のお父さんの顔は今みたいにがっちりしていなくて、目をまん丸くして、驚いていたわ。それに、まだおぼっこかった。私はお父さんに手紙を渡しにこの森に迷い込んだの。だから教えてとお父さんに聞いたら、お父さん、凄く笑顔で教えてくれた。それに、聞いてみたら、お父さんの家だったのよ。それからは、行き帰り会っていたわ。
獣を従わせる女は珍しいって言われててね。それで、お父さんは私が獣を従わせる女って思ったみたいで…。お父さん、私に
「勉学修得して義を行って、国家の最上階の称号を取ったら、婚約しよう」
って約束して、本当に最上階の称号を取って、婚約したのよ。
婚約して、気づいたのだけれど、お父さん、公爵家の王だった事に私、驚いたわ。私は田舎者だったから。お父さん、今もかっこ良いけれど、昔のかわいいお父さんも好きだわ」
「そうなんだ。素敵な出会いだね。お父さん、お母さんのこと獣を従わせる女に見えたって、なんかひどい」
「お母さんは本当に凄いんだぞ。獣を操れる者はなかなかいないからな」
お父さんはそう言った。
「私、睡眠力で獣を眠らせただなのよ。オーウェン、かわいいわね」
とお母さんはお父さんにニコッと見つめて言った。
「かわいい…って。チーロの前で言うなよ」
とお父さんは目に手で覆って言った。
僕はふふっと声に漏らして笑った。
僕もいつかこんな関係になる人と会いたいな。
僕もこんなこと本当に出来たらいいなって心の奥で思った。
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