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第一章

14話剣術特訓とアロンツォ

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それ以来、僕はお父さんのいる書斎にひょこっと顔を出しては、お父さんと剣術の特訓に励んだ。

「チーロ、もう少し、ガッと振っていいぞ」

とお父さんのアドバイス。とお父さんは僕の体の向きを整えてくれる。お父さんの手は大きくて、僕の小さな体を支えてくれた。

「グイッと。そうだな。その調子だ」

「お父さん、疲れた~!」

「大分時間経ってるもんな。一旦休憩するか。そうだ、チーロ。お父さんがエンベルトの方に声掛けて、どんな練習をしたのか、聞いてきてあげるよ。あいつなら、きっと、細かく教えてくれるだろう」

「ティモシーのお父さんだよね?お父さん」

と僕はお父さんと草原に足を広げて、手を後ろにもたれて座り込んだ。

「そうだよ」

「お父さんってティモシーのお父さんと仲いいの?」

「あぁ。そうとも。お父さんとあいつは小さい頃からの仲さ。あいつといつも遊んでた。それに、魔力も戦闘力も勉学も競ってたな~。

思い出すととても懐かしいよ。あいつの息子達はきっと、チーロにとっても大きな存在になるとお父さんは思っているよ。特にティモシーとは少し離れているが、歳が近いから」

「そうなんだ。うん!僕もティモシーといると楽しいよ」

お父さんはニコッと僕の方に顔を振り向かせ、僕の頭を撫でる。僕はその温かな温もりに、犬のように顔を上に向かせ、思う存分触ってもらった。
でも、僕の心にはティモシーとルッカの喧嘩が過ぎり、少し気持ちが暗くなって、下に顔を向けた。

お父さんもそれに気付いたのか、手を止め、優しく聞いてきた。

「チーロ、どうした?何か困ってるんだろう?」

と僕に聞く。僕は三分ほど経ってから口をついた。

「あのね、ティモシーとルッカが仲悪いみたいで。前、気になったんだ。ティモシーのお兄様のハーヴィーが止めてくれたけど…ね」

「あぁ。ルッカな。あいつはお母さんから聞いたんだろ。エンベルトとあいつのお母さんと俺でよく3人でいたんだ。だが16の時、俺は力を見込まられ、2人より先に1人で修業の義を行った。俺は2人を置いて、先に進んでしまった。エンベルトはそんな俺を責めずに、追いかけてくれたが、あいつはそんな俺を責め、見放されて、それっきり会って話しもしていないんだ。

それからは俺は名義ある実績を上げ、お母さんと会ってチーロが生まれた。あいつは先に婚約し、ルッカを産んで、子供に俺のことをひどいとかどうとか言っているんだろう。

それで、ルッカが奮起してるんじゃないか。ティモシーはお父さんが俺と仲がいいから、目つけられてるのかな。

あの時、俺は何とも言えなかった。今もあいつの気持ちは分からないよ。嫌な思いはさせてしまったとは思っているがな」

「そうなんだ。…うーん、なんかお父さんは女性に疎いみたいだな。僕もお父さんのこと言えないけれど。それなりに僕は恋愛での人の気持ちは分かる自信はある。僕はその人みたいな気持ちを前世に抱いたことがあるから。

でも、お母さんはそんなお父さんと何で知り合えて、婚約したんだろう。

僕はどこか苦笑混じりに笑んでお父さんに言った。

「ねぇ、お父さん。お父さんは何でお母さんと知り合えたの?」

あぁ。それはな。お父さんが国家の称号を手に取って、国をまとめる自信が無くてな。1人で森に駆け込んだんだ。

そしたら、可憐に座り込んでるお母さんがいて。俺は見惚れた。お母さんは俺に向いて、微笑んでくれたんだ。

それが出会いで。今に至る」

ふふっ、僕はなんだかかっこ良いお父さんが急に幼く、可愛く見えて、笑ってしまった。

「チーロ、何笑ってるんだ~」

とお父さんが言って、僕の頭を両手で触ってきた。

「うわ~!お父さん。やめてください」

僕はお父さんと楽しい時間を過ごした。

•*¨*•.¸¸☆*・゚

「アロンツォ様はあのお方から言い渡されたのですよね?」

「はい。そうです。私はあのお方が親みたいな存在ですので…」

アロンツォはキョトンとした顔で、うーんと訝しげに困った顔してるアンジェロを見た。

「ふむ。そうですか。やっぱり…。わたくしはあの方にお会いした方がいいのかもしれませんね…。それと、アロンツォ様はどれだけのレベルをお持ちなのですか?」

「上級者の魔力レベルと心通力の剣術法も持っています。ですので、周りの態勢を確認することもできます」

「なるほど。それはすごい…ですね。1度、わたくしと対立してみませんか?その力を見てみたいのです。わたくしは不老不死なので、どんな威力にも起き上がる自信はあります!」

「いいですが。家ではできませんよ」

そのアロンツォの言葉にアンジェロは目を丸くして、ん?ん?と頭に見えるくらいのはてなを浮かべるような驚き顔して見る。

アロンツォはまたもキョトンと澄ました顔でアンジェロを見つめる。

「アロンツォ様…。家では絶対しませんよ!」

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