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過去編 番外
周りの目が痛い
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俺と彼は、友達になった……らしい。しかも記念だって、万年筆をくれた。
凄く高そうな銀色のヤツで。
物の高価さよりなんか嬉しくて、ついこっそり持ち歩いてしまうくらい嬉しくて。俺も何かあげたいなって思ったけど、こんな高価なものも何もいろいろ持っている人間に何をあげていいかわからなくなって、それじまい。
またもっと彼のことがわかってから、何か出来ることをしたいなと思っているけど。
友達か――
実はそのおかげでいろいろ俺は忠告という名の告げ口をうけた。しかもこそこそたくさんにだ。
俺は彼のこと変わっているけど、基本的にイイヤツだって思ってる。
なのにあいつは悪魔だだの、骨のずいまで吸い取られるとか、あんなひどい冷淡なヤツはいないとか……――めちゃくちゃにされるだけだぜとか、ひどいことばかり。
そんな人じゃないって思うし、まだろくすっぽ知らないけれど、それでもあまりのあまりさに、呆然としてしまうくらいすごいこと言われた。
しかし、そういえば何度もそれをいいにやってきた人間はいない。ま、普通そんなものだろうけど。あたりまえにみんな一度きりで――そして次に会ったときには、俺を避けるのだ。
ま、つっぱねたからだろうと思うんだが、なんか妙に俺を見る目がおかしいようなそんな気がするのは勘違いなんだろうか?
よくわからないと思いつつも――
確かに彼は不思議な人間だと思うが、スターって凡人にはわからない感性しててもおかしくないような気がするし。
でもそんな周りのことなんか知らないんだろうな。俺も言わないし。耳汚しすることもないと思うし。
あいかわらず、彼は気さくで。だから、多分スターへの妬みなんだろうと思って、放っておいていたけど。
最近確かに俺にしか、オトコでは気さくにしてないってことに気がついた。っていうか、眼中にないみたいにみえる――
「あのさ、敬語やめにしない?」
控室で座っている俺にコーヒーをどうぞと手渡しながら、彼は言った。
「敬語――ですか?」
それをありがとうございますって受け取って、口をつける。
カップのしかも上等なほうのコーヒーだ。いつものよりずっと香りがいい。
「すみません。払いますね」
「いいよ。そんなの」
「しかし――」
口篭もってしまうと、
「そのですます、なんかさ、地なら気にしないけど、言いなれてないでしょ? 本当はそんな話し方しないでしょう? どちらかといえば、役のリヴィアスさまとそうかわらない口調がもともとなんじゃないかと思って」
俺の隣に座って、自分用のコーヒーに口をつけている彼。
「リヴィアスさまはよしてくださいよ。役抜けたら」
「ほら、なんか変なカンジなんだ」
「しかし俺なんかが、あなたにため口使うんですか?」
「なんか悪いことあるの? トモダチじゃないか」
こんなところでまた妙な儀式されたら恥ずかしいから、まわりを確認しておこうと思ってそっとみると、俺たち注目されてる? ま、注目もするかな?
ちょっとどきどきする。
そんなこと思ってると、案外スキンシップ好きの彼が、俺の肩を抱く。
より悪目立ちすると、さりげなくはずそうとしてみてるけれど、うまくいかない。絶対注目の的決定だ。なんか遠巻きに見つめられてる。絶対に。
「ため口使いますから、使うから!」
「そっか。じゃ、きまり」
ああ、目が痛い。すごく痛い。突き刺さるように痛い。
自分のことでグルグルだったから、周りの生ぬるい、なんともいえない視線とか、哀れみをそのときが全然気がつきもしなかった。
凄く高そうな銀色のヤツで。
物の高価さよりなんか嬉しくて、ついこっそり持ち歩いてしまうくらい嬉しくて。俺も何かあげたいなって思ったけど、こんな高価なものも何もいろいろ持っている人間に何をあげていいかわからなくなって、それじまい。
またもっと彼のことがわかってから、何か出来ることをしたいなと思っているけど。
友達か――
実はそのおかげでいろいろ俺は忠告という名の告げ口をうけた。しかもこそこそたくさんにだ。
俺は彼のこと変わっているけど、基本的にイイヤツだって思ってる。
なのにあいつは悪魔だだの、骨のずいまで吸い取られるとか、あんなひどい冷淡なヤツはいないとか……――めちゃくちゃにされるだけだぜとか、ひどいことばかり。
そんな人じゃないって思うし、まだろくすっぽ知らないけれど、それでもあまりのあまりさに、呆然としてしまうくらいすごいこと言われた。
しかし、そういえば何度もそれをいいにやってきた人間はいない。ま、普通そんなものだろうけど。あたりまえにみんな一度きりで――そして次に会ったときには、俺を避けるのだ。
ま、つっぱねたからだろうと思うんだが、なんか妙に俺を見る目がおかしいようなそんな気がするのは勘違いなんだろうか?
よくわからないと思いつつも――
確かに彼は不思議な人間だと思うが、スターって凡人にはわからない感性しててもおかしくないような気がするし。
でもそんな周りのことなんか知らないんだろうな。俺も言わないし。耳汚しすることもないと思うし。
あいかわらず、彼は気さくで。だから、多分スターへの妬みなんだろうと思って、放っておいていたけど。
最近確かに俺にしか、オトコでは気さくにしてないってことに気がついた。っていうか、眼中にないみたいにみえる――
「あのさ、敬語やめにしない?」
控室で座っている俺にコーヒーをどうぞと手渡しながら、彼は言った。
「敬語――ですか?」
それをありがとうございますって受け取って、口をつける。
カップのしかも上等なほうのコーヒーだ。いつものよりずっと香りがいい。
「すみません。払いますね」
「いいよ。そんなの」
「しかし――」
口篭もってしまうと、
「そのですます、なんかさ、地なら気にしないけど、言いなれてないでしょ? 本当はそんな話し方しないでしょう? どちらかといえば、役のリヴィアスさまとそうかわらない口調がもともとなんじゃないかと思って」
俺の隣に座って、自分用のコーヒーに口をつけている彼。
「リヴィアスさまはよしてくださいよ。役抜けたら」
「ほら、なんか変なカンジなんだ」
「しかし俺なんかが、あなたにため口使うんですか?」
「なんか悪いことあるの? トモダチじゃないか」
こんなところでまた妙な儀式されたら恥ずかしいから、まわりを確認しておこうと思ってそっとみると、俺たち注目されてる? ま、注目もするかな?
ちょっとどきどきする。
そんなこと思ってると、案外スキンシップ好きの彼が、俺の肩を抱く。
より悪目立ちすると、さりげなくはずそうとしてみてるけれど、うまくいかない。絶対注目の的決定だ。なんか遠巻きに見つめられてる。絶対に。
「ため口使いますから、使うから!」
「そっか。じゃ、きまり」
ああ、目が痛い。すごく痛い。突き刺さるように痛い。
自分のことでグルグルだったから、周りの生ぬるい、なんともいえない視線とか、哀れみをそのときが全然気がつきもしなかった。
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