よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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青白い月の光に雲がかかり
あなたのかんばせに影を落とす

薄暗い窓辺
雲のかかった
ほのあかりの漏れる月を見上げ
あなたはそっと佇んでいた

ゆっくりとそばへと歩く
静かに

吐く息であなたが消えてしまわないように
息を殺して

儚い幻のようなあなたが消えてしまわないように
そっとあなたの体に腕をまわして

あなたを見つめる──

雲が晴れた夜の空
青白い月の光の中
そっと腕をまわしたままの
こちらを見ることもなく

あなたはただ月を見上げていた





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