よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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夢で

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夢であなたを追いかけた
あなたの背中
振り返ることなく進んで消えて……


目が覚めて
冷えた体を自分で抱きしめる

重なる手もぬくもりもない
誰もいないひとりの部屋の片隅

視線をやれば
そこかしこに見え隠れする
あなたの面影
ちらばる世界

あなたの姿は
もうないというのに

ひとつ息をつく

わかっているのに
心はあなたに囚われたまま

あなたはもういない
そうわかっているというのに
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