よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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花火

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火の花は煙をあげて
ぱちぱちと音を立てて

あなたはしゃがんで
手に持った花火に
その視線をやる

火の花は宙を舞うように散る
音と匂い
暗がりにも艶やかなあなたの笑み

ふたつの花が
そこに咲き乱れる




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