よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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あなた

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あなたがいたから
生きていることが出来た

あなたがそこにいてくれるなら
ただ私の隣にいてくれるなら

何だってしてもいい
何だって差し出してもいい

そう思っていた

あなたがそばにいて
あなたが私を選んでくれて

あなたが語ってくれて
笑顔を向けてくれて

私を受け入れてくれたら
それで私は何だってしたのに

あなたは私のそばにはいない
もうあなたはいない

あなたの残像が
意識の中ちらついて

遠いあなたの面影が
切れ切れに浮かび上がる

私の中に焼け付いたあなたの影
記憶の残滓

消しても消えない
あなたの幻







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