よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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深き闇
その深淵を覗き込む一条の光

それは闇の顎の内
清廉にして侵しがたい光輝を放ちながら
闇を一筋に切り裂く光

それは救いなのか
侵略なのか

光は鮮烈に闇に自身を滑り込ませ
その版図を広げ
闇の安寧を侵そうと試みているのか

光は闇に放たれる

闇が光を拒み
もしくは光を侵食しているのか

その救いを拒絶しているのか
望みながらも消し去るのか

そのなにものでもないのか

ただ光は鮮麗に闇の内を翔けた






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