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遠い君
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君の名を呼び
近づいたぼくは
ふわりと君の体に触れないように
気をつけながら
君の周りに腕をまわす
怖がらせてしまわないように
微笑みをたたえたまま
触れてしまえば
消えるように逃げてしまうのではないか
淡雪のように溶けてしまうのではないか
それが怖くて
だけれど君をつかまえていたくて
だからこうしてみた訳だけれど
ぼくの腕は宙を抱いて
ぼくの瞳は不思議そうに見つめる
君を見つめて
触れ合う視線
触れ合えないこの腕がもどかしくて
触れて怖がらせてしまわないように
そっとこうして
少しだけもう少しだけ
こうして
抱きしめてしまえば
逃げようとするだろう
混乱させてしまうかもしれない
だから今はこれでいいのだけれど
近い距離に君がそこにいて
ぼくの鼓動は高鳴るけれど
それを押し隠して
視線を外し
冗談だよと笑って
腕を離す
ほっとするだろう君に
いつか触れることが出来るだろうか
君の気配が遠ざかる
手を伸ばしてしまいそうになる
気持ちを押さえ込み
振り返る君の視線にぼくは笑みを返す
君にいつか触れることが
抱きしめることが
出来る日が来るのだろうか
君の微かな残り香が
そっと鼻腔をくすぐる
もれる苦笑いを噛み殺しながら
遠く青い空を見上げた
近づいたぼくは
ふわりと君の体に触れないように
気をつけながら
君の周りに腕をまわす
怖がらせてしまわないように
微笑みをたたえたまま
触れてしまえば
消えるように逃げてしまうのではないか
淡雪のように溶けてしまうのではないか
それが怖くて
だけれど君をつかまえていたくて
だからこうしてみた訳だけれど
ぼくの腕は宙を抱いて
ぼくの瞳は不思議そうに見つめる
君を見つめて
触れ合う視線
触れ合えないこの腕がもどかしくて
触れて怖がらせてしまわないように
そっとこうして
少しだけもう少しだけ
こうして
抱きしめてしまえば
逃げようとするだろう
混乱させてしまうかもしれない
だから今はこれでいいのだけれど
近い距離に君がそこにいて
ぼくの鼓動は高鳴るけれど
それを押し隠して
視線を外し
冗談だよと笑って
腕を離す
ほっとするだろう君に
いつか触れることが出来るだろうか
君の気配が遠ざかる
手を伸ばしてしまいそうになる
気持ちを押さえ込み
振り返る君の視線にぼくは笑みを返す
君にいつか触れることが
抱きしめることが
出来る日が来るのだろうか
君の微かな残り香が
そっと鼻腔をくすぐる
もれる苦笑いを噛み殺しながら
遠く青い空を見上げた
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