よせあつめ ─詩集─

古部 鈴

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差し伸べてくれていたのだろうその手を
あの時とっていれば
何かが変わっていただろうか

何も信じずに
信じられず


何も見ないふりを
気付かないふりをした

そして私のことなど
気にしないように

気にかかるのも
きっと気のせいだと
気の迷いなのだからと
流して誤魔化して

結局自分などよりもっといい
他の誰かに関わった方が
いい気すらして自分では駄目な気がして
さりげなくそっと突き放して

その手が嬉しく思う反面
きっとくる終わりが怖くて
自分よりいい人が
現れて終わるのだろうと


いつだって自分は
誰のことも信じられない

自分自身でさえ
いや自分自身だからこそ
信じられないのだから

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