兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います

きんもくせい

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第4話・いじめ

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「ああ、ごめんなさい。この小物、借りたのですけど壊してしまって。……え?ああ。てっきり了承を取ったものだと思っていました。勝手に借りて、壊してしまってごめんなさい!でも、なんだかこの会話、本当の姉妹のようですね」

「昨日、アルフレッドと貴方のことについて話していたのですけれど……ふふ、私と妹のことどちらが好きなのか聞いてみたら、私の方が好きみたいですよ。弟であるレオンくんも、この間一緒にお菓子を食べて……」

「お義父様が、私の働きぶりを見て、ソフィア様も少しは雑事を手伝った方が良いのではないかと仰っていましたよ。ああ!心配しなくても、ソフィア様は私と違って大層お美しいお顔をお持ちですから、きっと他の方が世話をしてくれるでしょうけれど。レオン様も、きっとソフィア様の美しさが心底好きなんですね」

日に日に、彼女の嫌がらせは悪化していくばかり。身近な人からの悪意に慣れていなかった私は、すっかり彼女に怯えてしまい、言い返すことも、誰かに相談することもできずに、侍女のミカエルに泣きついては慰められるばかりだった。

ただ黙って怯え、彼女の悪意を享受する私を日々のストレスの発散対象として看做したのか、彼女の八つ当たりは直接的なものが増えていった。

例えば、私が刺繍したハンカチを勝手に持ち出し、少しアレンジして自分が作った物だと口にする。
その時も勿論、私は抗議し、「それは私が作った物ですわ」と反論したのだが、ナタリーさんは心底困惑しています、と言う顔で「何を言っているのですか…?」と口にした。
こうなっては分が悪いのは私で、いくら言っても弟以外の家族は誰も信じてくれず、最終的にナタリーさんが泣きながら「私、アルフレッドを思いながら一生懸命刺繍しましたのに。たまたまデザインが似ていただけで、そんなこと言われるなんて…っ」と膝から崩れ落ちると、責められるのは私だった。

「兄様が取られたからと言って、自分がやられて嫌なことをしてはいけないよ」

そう言われ、違う!と叫んでも誰にも届かなかった。父母は甘やかしすぎたようだ、なんて困った顔で頰をかくし、兄は複雑そうな顔で、「好かれるのは嬉しいが、仲良くしてくれないか」などと忠言をしてくる。正に、地獄のような空間だった。

弟以外には何を言っても無駄なのだと、その一件から思い知った。

そしてある日、とうとう私の心は限界を迎えてしまった。
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