熱砂の王は白き舞姫に傅く

小鳥遊

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12.仕込み(2)※

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「……っは、は……ッ」

違和感が体内を行き来するようなそんな感覚をどうやり過ごしていいのかも分からずアズハルは短い呼吸を何度も繰り返した。
何度その筒を出し入れされただろうか。

「そろそろもっと太いものに変えても良さそうだな」

困惑するような違和感が薄れてきた頃、客人はその筒を抜き差ししながらそう笑った。

「ぇ……ぁ、むり……ッ」
「お前が無理だろうと関係ない。心配するな、すぐに慣れる」

無理だろうが何だろうがやるんだと言われてしまえば何も言うことが出来なくなる。
そうだ、これはハーレムに入る為にやらなければいけないことだったとアズハルは眉を下げた。

「ん……ッ」

ぬるりとあっけなく引き抜かれていく筒。
その筒は客人の手によって無造作に寝台の上に転がされた。

「見ろ、それがお前のナカに入っていたのだ。上手く咥え込んだ褒美に次は倍の大きさにしてやろう」

コロリと転がったその筒を見ればそれは香油に浸されていたせいかヌラヌラと濡れて灯りを反射している。
その様子がとてもいやらしく思え、目を覆ってしまいたい衝動にかられるが体を支えている為にそれもできずにぎゅっとシーツを握りしめた。
そんなアズハルを尻目に客人は次に入れるモノの品定めをしているようで、背後でカチャカチャとガラスの音が鳴っている。
実際は短い時間なのだろうが、それがとても長い時間に思えアズハルはこの時間が早く終わってしまえばいいと祈る。

「これにしよう。少しきついかもしれぬが、すぐに慣れるだろう」

客人はそう言うと手に取った筒をアズハルの後孔に押し当てた。
これも香油で濡らしてあるのだろう、ぬるりとした感触が敏感な皮膚に触れたかと思うとそれがぐいぐいとナカへ押し込まれてくる。

「ぐ……ッ」

先ほどとは比べ物にならない程の太さ。
倍以上はあるのではないかと思われるそれが体内へ押し入ってくる感触にアズハルは息を詰まらせた。
苦しい。
香油のせいで滑りがよく、痛みはないのだが圧迫感が凄まじい。
その苦痛から逃れようと上へ上へと擦り上がってしまうが、客人の手によりすぐに引き戻されてしまった。

「逃げるな、そして呼吸をするんだ。息を詰めるんじゃない」

逃げるなと言われるも体が勝手に動いてしまうし、息を詰めるなと言われても勝手に息が止まるのだ。
少しずつだが確実にナカへと入ってくるその圧迫感に苛まれながらまるで拷問のようだと思ってしまう。

「ッぅ……ッ」
「仕様のない奴だ、こちらに意識を集中させてみろ」

いつまでたっても苦しがるだけで体の強張りが解けないアズハルの様子に客人は一度筒を押し込む動作を止めると片手を伸ばしてアズハルの下肢を握り込んだ。

「ぁ……ッ、何を!?」

思わぬ恥ずかしい部分を握りこまれ、アズハルは身を捩じらせる。
だが、客人はそんな彼の慌てぶりをものともせず、握り込んだそれをゆっくりと扱き始めた。

「ゃ、やめ……ッ……ぁ」

自分でしたことはあっても他人に性器を愛撫されるのは初めてで、自分でするよりも遥かに大きい快楽に襲われ身悶える。
離してほしいと己の弱い部分を握り込むその腕を弱弱しく掴むが逆に強く握りこまれ、更に強い快楽を与えられた。

「ッぁ、ぁ……ッひ」

男なら誰でも感じる部分を執拗に嬲られ、次第に硬さを増していくその先端からはやがてトロリとした愛液が零れ始めた。
愛液で濡れ客人の手のひらがぬるぬると滑る感触がたまらなく気持ちいい。
シーツに頬を擦りつけて快楽に耐えようとするが、与えられる快楽はそんな仕草だけで耐えられるはずもなく。
客人の手が滑る度に背筋がびくりと跳ねてしまう。
しかも後孔に埋められた筒は更にナカへと押しいれられ苦しさが増すが、前に与えられる快楽のせいでアズハルはもう苦しいのか気持ちいいのか分からなくなっていた。

「全部入ったぞ」

背中に覆いかぶさってくるような体勢になった客人が耳元でそう囁いた。
痛くないだろうとばかりに筒を動かされると内臓が引き出されるような不快感に自然と眉が寄る。

「動かさな……っで」

香油で濡らしてあるとはいえ、ズッズッと内臓を引っ張られるような筒の動きには恐怖さえ感じる。
しかし嫌で嫌でたまらないのに前を弄られているせいで中途半端な快楽が消えず、もしかしたら苦しいのは思い込みで本当は体は気持良く思っているのではないだろうかという錯覚さえ覚えた。
もちろん、アズハルの懇願に客人が従うはずもなくアズハルの体に突き立てられた筒は何度も抜き差しを繰り返される。

「お前は育ちすぎだな。他の者に比べるとどうやら受け入れるのに時間がかかるようだ」

仕込みをするのなら少年のうちが適しているのだと客人は言った。
まだ肉体的に完成されていない少年は体が柔軟であるが故に苦痛も少ないのだという。

「ん……ッふ……」

客人は苦痛と快楽が混ざりあい複雑な表情をしているアズハルを見て小さく笑うと前を扱く手の動きを速めた。
滴るほどに分泌された粘液がちゅくちゅくと卑猥な音を奏でる。

「あ……ッ」

たまらず喘いで背を反らせたアズハルの首筋に客人は唇を寄せたが、ふと動きを止め軽く頭を振った。

「あぁ、今は仕込みだった、な」

つい、とばかりに零した客人の呟いたが、そんな客人の呟きはアズハルには届いていなかった。
刺激され敏感になった部分を弄られ続け、絶頂が近くなる。
どんなにやり過ごそうとしても確実にその瞬間は近づいていて。

「も……、はなし……ッ」
「許す、出せ」

許すと言われるもそんな恥ずかしいことはできないとアズハルは首を振る。
だが、客人は許してくれず前を弄る手の動き、そして後ろに埋め込んだ筒の抜き差しする動きを更に速めてアズハルを追い詰めていった。

「ッぁ、ぁ……あぁ……ッ」

頭では嫌だと拒否していても体を制御することができない。
アズハルは一際高い声を上げてしなるほどに背を反らせると客人の手の中に精を放った。

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