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48話 絵師
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私の膝上でとぐろを巻くミワの背をゆっくりと撫でる。
洗ったばかりな事もあってその体は温かく、まるで湯たんぽを膝に乗せているかのようだ。
「お姉ちゃんばかりズルくない? 何で私の事は嫌がるのさ」
「貴様はしつこすぎる。神への接し方を学び給え」
「まだまだだな我が妹よ。子どもって言うのは構って欲しいって言ってる時に構ってあげるものなのだよ」
「吾輩を子ども扱いするな。それと口調の真似も止めろ!」
不機嫌そうに睨み付けて来るミワだが、撫でられるのは気持ち良いらしく、私の膝上から動く様子は無い。
何の神か分かったところで、やはりミワはミワのままだ。この可愛らしさはずっと残って欲しいものだ。
と、ドライヤーで髪を乾かし終えた水樹が水道水をコップに組みながら。
「イチャイチャしてるところ悪いけど、俺これから仕事初めて良いか?」
「ニート卒業したんだ。知らなかった」
「俺は一度もニートになってねえよ。ちゃんとイラストレーターやってるっつうの」
半笑いで言い返しながら水をグビッと一気飲みした水樹はコップを軽く水でゆすぎ、もう一度水道水を入れてこちらへやって来る。
てっきり仕事が無いからこっちに来たのだと思っていたが、どうやらそんな事は無かったらしい。
と、膝上で私を見上げるミワが首を傾げながら。
「いらすとれーたーとは何だ?」
「か、可愛い……」
「し、質問に答えよ!」
思わず下顎を指で撫でまわすとミワは尻尾をべしべしと振り回して抵抗して見せる。
すると自分のノートパソコンを開き、作業の準備を始めた水樹が。
「イラストレーターってのは要は絵描きだ。本の表紙とかポスターとか作るんだよ」
「ほう……では吾輩を書いても良いのだぞ?」
「依頼されたやつ終わって気力が残ってたらな」
少し意地の悪い笑みを見せた水樹を見てどんな絵を描くつもりなのか何となくで察する。
この性格の悪い兄貴のことだ。それはそれは可愛らしい服装に仕立て上げ、ミワの事を赤面させる事だろう。
――過去に私もやられたし。
嫌な記憶が蘇ったことで気分がげんなりした私はもう寝ることに決め、どんな風に描かれるのか楽しみにしている様子のミワを抱き抱えてベッドへ入る。
さっきまで波留が寝転がっていた事もあってほんのりと温かく、布団の冷たい感触が好きな私は非常にもやもやして仕方ない。
しかし今日一日で色々な事があった私は次第に瞼が重くなり始め。
気付けばミワを抱き枕に夢の世界へ旅立っていた。
洗ったばかりな事もあってその体は温かく、まるで湯たんぽを膝に乗せているかのようだ。
「お姉ちゃんばかりズルくない? 何で私の事は嫌がるのさ」
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「吾輩を子ども扱いするな。それと口調の真似も止めろ!」
不機嫌そうに睨み付けて来るミワだが、撫でられるのは気持ち良いらしく、私の膝上から動く様子は無い。
何の神か分かったところで、やはりミワはミワのままだ。この可愛らしさはずっと残って欲しいものだ。
と、ドライヤーで髪を乾かし終えた水樹が水道水をコップに組みながら。
「イチャイチャしてるところ悪いけど、俺これから仕事初めて良いか?」
「ニート卒業したんだ。知らなかった」
「俺は一度もニートになってねえよ。ちゃんとイラストレーターやってるっつうの」
半笑いで言い返しながら水をグビッと一気飲みした水樹はコップを軽く水でゆすぎ、もう一度水道水を入れてこちらへやって来る。
てっきり仕事が無いからこっちに来たのだと思っていたが、どうやらそんな事は無かったらしい。
と、膝上で私を見上げるミワが首を傾げながら。
「いらすとれーたーとは何だ?」
「か、可愛い……」
「し、質問に答えよ!」
思わず下顎を指で撫でまわすとミワは尻尾をべしべしと振り回して抵抗して見せる。
すると自分のノートパソコンを開き、作業の準備を始めた水樹が。
「イラストレーターってのは要は絵描きだ。本の表紙とかポスターとか作るんだよ」
「ほう……では吾輩を書いても良いのだぞ?」
「依頼されたやつ終わって気力が残ってたらな」
少し意地の悪い笑みを見せた水樹を見てどんな絵を描くつもりなのか何となくで察する。
この性格の悪い兄貴のことだ。それはそれは可愛らしい服装に仕立て上げ、ミワの事を赤面させる事だろう。
――過去に私もやられたし。
嫌な記憶が蘇ったことで気分がげんなりした私はもう寝ることに決め、どんな風に描かれるのか楽しみにしている様子のミワを抱き抱えてベッドへ入る。
さっきまで波留が寝転がっていた事もあってほんのりと温かく、布団の冷たい感触が好きな私は非常にもやもやして仕方ない。
しかし今日一日で色々な事があった私は次第に瞼が重くなり始め。
気付けばミワを抱き枕に夢の世界へ旅立っていた。
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