29 / 38
29話
しおりを挟む
「じゃ、行こうか」
「うん!」
ドキドキしている様子で尻尾をぶんぶん振り回す詩音の可愛らしさに頬を緩める。
千春もよしよしと頭を撫で回し、真ん丸なたぬき耳がぴょこぴょこと動いて喜びを露にした。
愛らしいその姿に癒されていると、大きな段ボールを抱えて現れた美農が。
「ほれ、これを持って行くのじゃ」
「ありがとう……野菜?」
「うむ。猫又屋敷は魚と肉しか食わぬからの。栄養のある野菜も食わせねばならぬのじゃ」
「分かった、ちゃんと渡して来るね」
面倒を見てもらうことになるからそのお礼も兼ねているであろうと察してそれを受け取り、千春と詩音を連れて屋敷を出て、猫又が用意してくれた迎えの車に乗り込む。
クラシックなデザインのセダン車ではあるが高級車なのは間違いなさそうで、乗り心地の良さとふんわり香るアロマでリラックスしてしまう。
「じゃあ、出しますね」
「うん、お願い」
運転席に座る風見の声に返事をすると、車が古風なエンジン音を響かせ、続けて砂利を踏みしめる音を鳴らす。
猫耳をピーンと立てながらマニュアル車を運転する風見の後姿を眺めながら、膝の上で大人しくぬいぐるみで遊ぶ詩音を撫でていると、千春が申し訳なさそうな顔をして。
「突然の頼みを聞いてくださってありがとうございます。ご迷惑をおかけしますが、今日はよろしくお願いします」
「お互い様です。こちらでも寂しがっていましたから」
そう言って笑った彼女に千春も笑う。
寂しがりな子猫ちゃんがこの先にいると思うとドキドキだ。詩音と仲良く遊ぶところを見られれば良いのだけれど、喧嘩などが始まってしまったらどうしようか、という不安もある。
上手くいくか不安になっていると猫又の持つ大きな屋敷が見え始めた。
大きな塀に囲まれた城のように迫力のある屋敷は、見るのは二度目でも感動させられる。
と、正門前に二人の猫耳幼女が立っているのが見えた。
一人は猫又だとすぐに分かり、もう一人の方も件の子猫であろうとすぐに察しが付き、そこを指差しながら。
「詩音ちゃん見える? あそこにいるのが猫又ちゃんと子猫ちゃんだよ」
「なかよくなれるかな……」
「大丈夫、すぐ仲良くなれるよ」
不安そうに呟く詩音をナデナデして落ち着かせている間に車は屋敷の前で止まり、二人の猫耳幼女がこちらに歩いて来る。
車から降りると猫又はいつになく優しい笑みを浮かべて詩音の頬を挟む。
「よく来た。待っておったぞ」
「あなたが子猫さん?」
「違う」
ちょっと恥ずかしそうにジト目を向けて否定した猫又は、彼女の背に隠れる猫耳幼女を隣へ来させて。
「此奴は小陽、童の屋敷に仕える猫の中で一番幼い」
「よ、よろしく……」
「し、詩音です。よろしく」
緊張しているようで体が小刻みに震えている小陽に、同じくらい緊張している様子の詩音も挨拶する。
二人して尻尾をぷるぷる震わせるその姿は見ていて噴き出してしまいそうになるほど可愛らしく、何とか我慢していると詩音が。
「い、良いけなみですね」
「ありがとうございます。しおんさんもふかふかですね」
その会話で我慢できなくなった私は背中を向けて噴き出した。
しかし、二人はそんなことに気付いていない様子で褒め合い、やがて尻尾の触り合いっこを始めた。
ふわふわの入り乱れる光景でニヤニヤが抑えられないのは千春と猫又も同じらしく、必死に抑えているせいでとても変な顔になっている。
「ま、まあ、中でゆっくりしよっか。あ、それとお野菜も持って来たからみんなで食べてね」
「か、感謝する」
少し声を震わせながら礼を言う彼女のせいで余計に笑ってしまいそうになりながらセダンのトランクを開けて、ずっしりと重たい段ボールを取り出す。
よく見れば蓋に達筆な文字で「栄養取れ」と書かれていて、その昔風な文字は母の実家にあった掛け軸を彷彿とさせる。
と、風見がひょいと私の手からそれを取り上げる。
「重たい物は私が持つから。夏月はあの二人を見て」
「う、うん」
声色は冷たい。
だけれど、後ろで揺れ動く尻尾は穏やかにくねくねしていて、別段怒っているわけでは無いのが伺える。
話し方がキツイだけで、中身は屋敷のたぬき達と似ているのかもしれない。
「ほれ、遊んでないで早く入れ」
「「はい」」
尻尾の触りっこをしていた二人は揃って返事をして、先を歩き始めた猫又の後に続く。
その後に私と千春、最後尾に風見が付く形で門をくぐると、これまた立派な庭園が広がっていた。
この辺では庭園が流行っているのだろうかと思いつつ、石畳の道を歩いて屋敷へお邪魔すると、小陽が詩音の手を引っ張って。
「私の部屋、行こ」
「うん」
いつの間にやらとても仲が良くなっていたらしく、二人はキャッキャと笑い合いながら屋敷の奥へ駆けて行った。
付いて行こうか迷っていると千春が私の手を引いて。
「大丈夫ですよ、あの子たちなら」
「そうかな……ちょっと心配」
「大丈夫だ。好きにさせれば良い」
そう言いながら寄って来た猫又を一先ず撫でて自分の中で湧き上がる不安を抑え込んでいると、入れ違いになる形で屋敷の奥から数人の猫娘が現れた。
風見がモデル体型だったため他の人たちもそうなのかと思っていたが、どうやらそう言うわけでもないらしく、背が低い子も普通にいて、耳と尻尾の模様が違うことから猫種の違いだと予想が付く。
「いらっしゃいませ、人間さん。ごゆっくりして行ってくださいね」
にこやかな笑みを浮かべた彼女は、後ろの三人と息ぴったりな一礼をして玄関の方へ歩いて行った。
服装がジャージな事から察するにお昼休憩が終わってこれからまた仕事なのだろう。頑張って欲しいものだ。
「ほれ、とっととこっち来い」
「うん」
猫又に通された先は焼き魚の香りがふんわりと漂う食堂で、美農の言葉が事実らしいことが伺える。
座布団に腰掛けると膝の上にちょこんと猫又が座り、撫でろと言わんばかりにクリっとした目で見て来る。
詩音に子猫と間違えられていたが、案外ハズレでは無かったらしい。
「うん!」
ドキドキしている様子で尻尾をぶんぶん振り回す詩音の可愛らしさに頬を緩める。
千春もよしよしと頭を撫で回し、真ん丸なたぬき耳がぴょこぴょこと動いて喜びを露にした。
愛らしいその姿に癒されていると、大きな段ボールを抱えて現れた美農が。
「ほれ、これを持って行くのじゃ」
「ありがとう……野菜?」
「うむ。猫又屋敷は魚と肉しか食わぬからの。栄養のある野菜も食わせねばならぬのじゃ」
「分かった、ちゃんと渡して来るね」
面倒を見てもらうことになるからそのお礼も兼ねているであろうと察してそれを受け取り、千春と詩音を連れて屋敷を出て、猫又が用意してくれた迎えの車に乗り込む。
クラシックなデザインのセダン車ではあるが高級車なのは間違いなさそうで、乗り心地の良さとふんわり香るアロマでリラックスしてしまう。
「じゃあ、出しますね」
「うん、お願い」
運転席に座る風見の声に返事をすると、車が古風なエンジン音を響かせ、続けて砂利を踏みしめる音を鳴らす。
猫耳をピーンと立てながらマニュアル車を運転する風見の後姿を眺めながら、膝の上で大人しくぬいぐるみで遊ぶ詩音を撫でていると、千春が申し訳なさそうな顔をして。
「突然の頼みを聞いてくださってありがとうございます。ご迷惑をおかけしますが、今日はよろしくお願いします」
「お互い様です。こちらでも寂しがっていましたから」
そう言って笑った彼女に千春も笑う。
寂しがりな子猫ちゃんがこの先にいると思うとドキドキだ。詩音と仲良く遊ぶところを見られれば良いのだけれど、喧嘩などが始まってしまったらどうしようか、という不安もある。
上手くいくか不安になっていると猫又の持つ大きな屋敷が見え始めた。
大きな塀に囲まれた城のように迫力のある屋敷は、見るのは二度目でも感動させられる。
と、正門前に二人の猫耳幼女が立っているのが見えた。
一人は猫又だとすぐに分かり、もう一人の方も件の子猫であろうとすぐに察しが付き、そこを指差しながら。
「詩音ちゃん見える? あそこにいるのが猫又ちゃんと子猫ちゃんだよ」
「なかよくなれるかな……」
「大丈夫、すぐ仲良くなれるよ」
不安そうに呟く詩音をナデナデして落ち着かせている間に車は屋敷の前で止まり、二人の猫耳幼女がこちらに歩いて来る。
車から降りると猫又はいつになく優しい笑みを浮かべて詩音の頬を挟む。
「よく来た。待っておったぞ」
「あなたが子猫さん?」
「違う」
ちょっと恥ずかしそうにジト目を向けて否定した猫又は、彼女の背に隠れる猫耳幼女を隣へ来させて。
「此奴は小陽、童の屋敷に仕える猫の中で一番幼い」
「よ、よろしく……」
「し、詩音です。よろしく」
緊張しているようで体が小刻みに震えている小陽に、同じくらい緊張している様子の詩音も挨拶する。
二人して尻尾をぷるぷる震わせるその姿は見ていて噴き出してしまいそうになるほど可愛らしく、何とか我慢していると詩音が。
「い、良いけなみですね」
「ありがとうございます。しおんさんもふかふかですね」
その会話で我慢できなくなった私は背中を向けて噴き出した。
しかし、二人はそんなことに気付いていない様子で褒め合い、やがて尻尾の触り合いっこを始めた。
ふわふわの入り乱れる光景でニヤニヤが抑えられないのは千春と猫又も同じらしく、必死に抑えているせいでとても変な顔になっている。
「ま、まあ、中でゆっくりしよっか。あ、それとお野菜も持って来たからみんなで食べてね」
「か、感謝する」
少し声を震わせながら礼を言う彼女のせいで余計に笑ってしまいそうになりながらセダンのトランクを開けて、ずっしりと重たい段ボールを取り出す。
よく見れば蓋に達筆な文字で「栄養取れ」と書かれていて、その昔風な文字は母の実家にあった掛け軸を彷彿とさせる。
と、風見がひょいと私の手からそれを取り上げる。
「重たい物は私が持つから。夏月はあの二人を見て」
「う、うん」
声色は冷たい。
だけれど、後ろで揺れ動く尻尾は穏やかにくねくねしていて、別段怒っているわけでは無いのが伺える。
話し方がキツイだけで、中身は屋敷のたぬき達と似ているのかもしれない。
「ほれ、遊んでないで早く入れ」
「「はい」」
尻尾の触りっこをしていた二人は揃って返事をして、先を歩き始めた猫又の後に続く。
その後に私と千春、最後尾に風見が付く形で門をくぐると、これまた立派な庭園が広がっていた。
この辺では庭園が流行っているのだろうかと思いつつ、石畳の道を歩いて屋敷へお邪魔すると、小陽が詩音の手を引っ張って。
「私の部屋、行こ」
「うん」
いつの間にやらとても仲が良くなっていたらしく、二人はキャッキャと笑い合いながら屋敷の奥へ駆けて行った。
付いて行こうか迷っていると千春が私の手を引いて。
「大丈夫ですよ、あの子たちなら」
「そうかな……ちょっと心配」
「大丈夫だ。好きにさせれば良い」
そう言いながら寄って来た猫又を一先ず撫でて自分の中で湧き上がる不安を抑え込んでいると、入れ違いになる形で屋敷の奥から数人の猫娘が現れた。
風見がモデル体型だったため他の人たちもそうなのかと思っていたが、どうやらそう言うわけでもないらしく、背が低い子も普通にいて、耳と尻尾の模様が違うことから猫種の違いだと予想が付く。
「いらっしゃいませ、人間さん。ごゆっくりして行ってくださいね」
にこやかな笑みを浮かべた彼女は、後ろの三人と息ぴったりな一礼をして玄関の方へ歩いて行った。
服装がジャージな事から察するにお昼休憩が終わってこれからまた仕事なのだろう。頑張って欲しいものだ。
「ほれ、とっととこっち来い」
「うん」
猫又に通された先は焼き魚の香りがふんわりと漂う食堂で、美農の言葉が事実らしいことが伺える。
座布団に腰掛けると膝の上にちょこんと猫又が座り、撫でろと言わんばかりにクリっとした目で見て来る。
詩音に子猫と間違えられていたが、案外ハズレでは無かったらしい。
0
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。
藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった……
結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。
ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。
愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。
*設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
*全16話で完結になります。
*番外編、追加しました。
猫又の恩返し~猫屋敷の料理番~
三園 七詩
キャラ文芸
子猫が轢かれそうになっているところを助けた充(みつる)、そのせいでバイトの面接に遅刻してしまった。
頼みの綱のバイトの目処がたたずに途方にくれていると助けた子猫がアパートに通うようになる。
そのうちにアパートも追い出され途方にくれていると子猫の飼い主らしきおじいさんに家で働かないかと声をかけられた。
もう家も仕事もない充は二つ返事で了承するが……屋敷に行ってみると何か様子がおかしな事に……
前略、旦那様……幼馴染と幸せにお過ごし下さい【完結】
迷い人
恋愛
私、シア・エムリスは英知の塔で知識を蓄えた、賢者。
ある日、賢者の天敵に襲われたところを、人獣族のランディに救われ一目惚れ。
自らの有能さを盾に婚姻をしたのだけど……夫であるはずのランディは、私よりも幼馴染が大切らしい。
「だから、王様!! この婚姻無効にしてください!!」
「My天使の願いなら仕方ないなぁ~(*´ω`*)」
※表現には実際と違う場合があります。
そうして、私は婚姻が完全に成立する前に、離婚を成立させたのだったのだけど……。
私を可愛がる国王夫婦は、私を妻に迎えた者に国を譲ると言い出すのだった。
※AIイラスト、キャラ紹介、裏設定を『作品のオマケ』で掲載しています。
※私の我儘で、イチャイチャどまりのR18→R15への変更になりました。 ごめんなさい。
殿下、側妃とお幸せに! 正妃をやめたら溺愛されました
まるねこ
恋愛
旧題:お飾り妃になってしまいました
第15回アルファポリス恋愛大賞で奨励賞を頂きました⭐︎読者の皆様お読み頂きありがとうございます!
結婚式1月前に突然告白される。相手は男爵令嬢ですか、婚約破棄ですね。分かりました。えっ?違うの?嫌です。お飾り妃なんてなりたくありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる